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執筆者の写真Napple

忘れがたい物語

更新日:10月6日

 最初に読んだ本はなんだったろう。きっと何某かの絵本だと思うけど記憶がない。はっきり思い出せるのがこの本だ。

  • 孫悟空宝島

 子供用に要約された二つの物語が天地逆さまに表と裏から書かれていて、面白かったから何度も読み返した。おかげで孫悟空と宝島の物語が混ざってしまった。もう一冊似たような本を買ってもらったはずだが面白くなかったのだろう思い出せない。その頃友人たちは漫画を読んでいた。本当は自分も鉄人やアトムを読みたかった。でも両親は許してくれなかった。そしていつの間にか本を読まなくなった。

 本が面白いと思うようになったのは、高校時代、現国の先生が星新一の「ボッコちゃん」を紹介してくれたことがきっかけだった。学校で読む本は読まなくちゃいけないものだったから、無意識のうちに押し付けられたつまらないものというレッテルを貼っていた。ところが、授業ですっていう感じじゃなくなった時、あれ?面白いかもしれないと思ったのだ。自分で貼ったレッテルが少し剥がれると教科書に載っていた断片から、続きを読みたいと思うものが出てきた。本田勝一の「ニューギニア高地人」がそれだった。いつの間にか本屋に立ち寄り本多勝一と星新一の本を探すようになった。こうして読書の楽しみを知るとあとは雪崩を打ったように読み始めた。


魅力を教えてくれた作者と本たち


学生時代

  1. 本多勝一「ニューギニア高知人」

  2. 星新一「ボッコちゃん」

  3. 筒井康隆「時をかける少女」

  4. 眉村卓「燃える傾斜」

  5. 半村良「妖星伝」

  6. 平井和正「ウルフガイ」

  7. 小松左京「復活の日」

  8. 光瀬龍「百億の昼と千億の夜」

  9. 荒巻義雄「時の葦舟」

  10. 荒俣宏「帝都物語」

  11. 山田正紀「崑崙遊撃隊」

  12. 田中光二「わが赴くは蒼き大地」

  13. 新井素子「…絶句」

  14. 矢野徹「カムイの剣」

  15. 山田風太郎「伊賀忍法帖」

  16. 夢枕獏「陰陽師」

  17. 新田次郎「孤高の人」

  18. 司馬遼太郎「龍馬がゆく」

  19. 吉川英治「宮本武蔵」

  20. 三島由紀夫「豊饒の海」

  21. 太宰治「人間失格」

  22. 宮沢賢治「銀河鉄道の夜」

  23. 夏目漱石「門」

  24. 川端康成「古都」

  25. 芥川龍之介「羅生門」

  26. 中原中也「中原中也詩集」

  27. 大岡昇平「野火」

  28. 井上靖「天平の甍」

  29. 倉田百三「出家とその弟子」

  30. 石坂洋次郎「陽のあたる坂道」

  31. 五木寛之「青春の門」

  32. 井上ひさし「吉里吉里人」

  33. 五味川純平「人間の条件」

  34. 小栗忠太郎「人外魔境」

  35. 黒沼健「失われた古代大陸」

  36. 横田順彌「SF大辞典」

  37. 大仏次郎「鞍馬天狗」

  38. 中里介山「大菩薩峠」

  39. 柴田翔「されど我らが日々」

  40. 寺山修司「ポケットに名言を」

  41. 大江健三郎「死者のおごり・飼育」

  42. 夢野久作「ドグラ・マグラ」

  43. 片岡義男「スローなブギにしてくれ」

  44. 大藪春彦「野獣死すべし」

  45. 栗本薫「グインサーガ」

  46. 安倍公房「砂の女」

  47. 戸川猪佐武「小説吉田学校」

  48. 森村誠一「人間の証明」

  49. 立原正秋「冬の旅」

  50. 赤川次郎「セーラー服と機関銃」

  51. 畑正憲「我ら動物皆兄弟」

  52. エーリッヒ・ショイルマン「パパラギ」

  53. アーネスト・ヘミングウェイ「老人と海」

  54. フランツ・カフカ「変身」

  55. オー・ヘンリー「賢者の贈り物」

  56. プラトン「ソクラテスの弁明」

 どれも思い出深い。下宿にこもって読んだり、喫茶店で読んだり。時には環状線に乗りながら読み、そのまま駅の改札を出て歩き読みをした。学校帰りに紀伊國屋や旭屋で新刊を探した。本箱を作って壁に取り付け、読み漁った本を並べた。本は増え、本箱を次々に作った。読めば読むほど読みたくなり、友人と情報を交換し、更なる出会いを求めた。


社会人になって

  1. アイザック・アシモフ「ファウンデーション」

  2. アーサー・C・クラーク「2001年宇宙の旅」

  3. ロバート・A・ハインライン「夏への扉」

  4. フィリップ・K・ディック「流れよわが涙よ、と警官は言った」

  5. オーソン・スコット・カード「エンダーのゲーム」

  6. ダン・シモンズ「ハイペリオン」

  7. グレゴリー・ベンフォード「ファウンデーションの危機」

  8. マイケル・クライトン「ジュラシック・パーク」他

  9. レイ・ブラッドベリ「火星年代記」

  10. アーシュラ・K・ルグイン「闇の左手」

  11. ハーラン・エリスン「世界の中心で愛を叫んだけもの」

  12. グレッグ・ベア「ブラッド・ミュージック」

  13. スタニスワフ・レム「ソラリス」

  14. ウイリアム・ギブスン「ニューロマンサー」

  15. アルフレッド・ベスター「虎よ、虎よ!」

  16. ラリー・ニーヴン「リングワールド」

  17. ディヴィッド・ブリン「プラクティス・エフェクト」

  18. ジェームス・P・ホーガン「星を継ぐもの」

  19. A・E・ヴァン・ヴォクト「スラン」

  20. ルーディ・ラッカー「ソフトウエア」

  21. スパイダー&ジーン・ロビンスン「スターダンス」

  22. ロバート・L・フォワード「竜の卵」

  23. マイクル・ムアコック「この人を見よ」

  24. ロジャー・ゼラズニイ「光の王」

  25. ジョン・ヴァーリイ「ブルー・シャンペン」

  26. ジョー・ホールドマン「終わりなき戦い」

  27. ピエール・ブール「猿の惑星」

  28. ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア「愛はさだめ、さだめは死」

  29. アン・マキャフリイ「竜の戦士」

  30. シオドア・スタージョン「人間以上」

  31. マイク・レズニック「キリンヤガ」

  32. ジョージ・ルーカス「スター・ウォーズ・シリーズ 」他

  33. ジーン・ロッデンベリー「宇宙大作戦シリーズ」

  34. H・G・ウェルズ「タイム・マシン」

  35. ジュール・ベルヌ「海底二万マイル」

  36. アーサー・コナン・ドイル「失われた世界」

  37. R・E・ハワード「コナンと髑髏の都」

  38. J・D・サリンジャー「ライ麦畑でつかまえて」

  39. ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ「若きウエルテルの悩み」

  40. J・R・R・トールキン「指輪物語」

  41. チャールズ・ディケンズ「クリスマス・キャロル」

  42. ルイス・キャロル「不思議の国のアリス」

  43. シドニィ・シェルダン「私は別人」

  44. エドガー・アラン・ポー「黄金虫」

  45. 江戸川乱歩「江戸川乱歩傑作選」

  46. アゴタ・クリストフ「悪童日記」

  47. チャールズ・ブコウスキー「街でいちばんの美女」

  48. ダニエル・キイス「アルジャーノンに花束を」

  49. ヨースタイン・ゴルデル「ソフィーの世界」

  50. ジェームズ・レッドフィールド「聖なる予言」

  51. シェル・シルヴァスタイン「ビッグ・オーとの出会い」

  52. サン・テグジュベリ「星の王子様」

  53. レイモンド・チャンドラー「さらば愛しき女よ」

  54. アルビン・トフラー「パワー・シフト」

  55. アドルフ・ヒトラー「我が闘争」

  56. ユン・チアン「ワイルド・スワン」

  57. 安能務訳「封神演義」

  58. 石原慎太郎「おおい雲」

  59. 堤玲子「我が闘争」

  60. 山路忠彦「風紋の谷」

  61. 宮本武蔵「五輪書」

  62. 山口百恵「蒼い時」

  63. ライアル・ワトソン「生命潮流」

  64. チャールズ・ダーウィン「種の起源」

  65. コンラート ・ローレンツ「ソロモンの指輪」

  66. スティーブン・ジェイ・グールド「ニワトリの歯」

  67. アーネスト・トンプソン・シートン「シートン動物記」

  68. ジャン・アンリ・ファーブル「ファーブル昆虫記」

  69. ロバート・T・バッカー「恐竜レッドの生き方」

  70. デイヴィッド・M・ラウプ「ネメシス騒動」

  71. ジョン・ノーブル・ウィルフォード「恐竜の謎」

  72. ジョン・R・ホーナー「子育て恐竜マイア発掘記」

  73. R・マクニール・アレクサンダー「恐竜の力学」

  74. 手塚治虫 監訳「恐竜はネメシスを見たか」

  75. ダグラス・ホフスタッター「ゲーデル、エッシャー、バッハ」

  76. 春山茂雄「脳内革命」

  77. サルマン・ラシュディ「悪魔の詩」

  78. コラン・ド・プランシー「地獄の辞典」

  79. グラハム・ハンコック「神々の指紋」

  80. マルロ・モーガン「ミュータント・メッセージ」

  81. K・ラングロー・パーカー「アボリジニー神話 」

  82. フランク・ウォーターズ「ホピ宇宙からの聖書」

  83. 青山圭秀「アガスティアの葉」

  84. 浅井信雄「民族世界地図」

  85. 石川純一「宗教世界地図」

  86. 松井茂「世界紛争地図」

  87. アンドリュー・ボイド「世界紛争地図」

  88. マイケル・ベイジェント/リチャード・リ ー「死海文書の謎」

  89. フォレスト・カーター「リトル・トリー」

  90. ナンシー・ウッド「今日は死ぬのにもってこいの日」

  91. ジョン・コールマン「300人委員会」

  92. ニール・ドナルド・ウォルシュ「神との対話」

  93. 七田眞「超右脳革命」

  94. 高木善之「地球大予測」

  95. 船井幸雄「百匹目の猿」

  96. オノ・ヨーコ「ただの私」

  97. ジョン・ミルトン「失楽園」

  98. 赤瀬川原平「超芸術トマソン」

  99. フランク・ローズ「エデンの西」

  100. ジョン・スカリー「スカリー」

  101. ダグ・ゲールアップルをつくった男ウォズ

  102. ジェラリー・S・ヤング「スティーブ・ジョブズ」

  103. リーアンダー・ケイニー「スティーブ・ジョブズの流儀」

  104. 桑原晃弥「スティーブ・ジョブズ名語録」

  105. MacPeple「SteveJobsKeynoteHistory」

  106. ウォルター・アイザックソン「スティーブ・ジョブズ」

  107. ビル・ゲイツ「ビル・ゲイツ未来を語る」

  108. トレイシー・キダー「超マシン誕生」

  109. ジム・カールトン「アップル」

  110. ウェンディ・ゴールドマン・ローム「マイクロソフト帝国裁かれる闇」

  111. 斎藤由多加「マッキントッシュ伝説」

  112. 坂村健「TRONを創る」

  113. 相田洋, 大墻敦「新・電子立国」

  114. 山口彰「楽天的に生きる人間ほど成功できる」

  115. 清水義範「普及版 世界文学全集 第1期」

  116. 大原まり子「一人で歩いていった猫」

  117. 久美沙織「あけめやみ とじめやみ」

  118. 高千穂遙「ダーティペアの大冒険」

  119. 山岡荘八「徳川家康」

  120. 隆慶一郎「死ぬことと見つけたり」

  121. 北杜夫「楡家の人びと」

  122. 三浦綾子「塩狩峠」

  123. 藤沢周平「蝉しぐれ」

  124. 京極夏彦「狂骨の夢」

  125. 田中芳樹「銀河英雄伝説」

  126. 村上春樹「ノルウェイの森」

  127. 村上龍「コイン・ロッカー・ベイビーズ」

  128. 吉本バナナ「TUGUMI」

  129. 椎名誠「アドバード」

  130. 浅田次郎「蒼穹の昴」

  131. 天童荒太「永遠の仔」

  132. 天童真「大誘拐」

  133. つかこうへい「小説熱海殺人事件」

  134. 吉行淳之介「女のかたち」米倉斉加年イラスト

  135. 池上永一「テンペスト」

  136. 酒見賢一「後宮小説」

  137. 海堂尊「チーム・バチスタの栄光」

  138. 村山由佳「天使の卵」

  139. 愛川晶「六月六日生まれの天使」

  140. 水野敬也「夢をかなえるゾウ」

  141. 岩崎夏海「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」

  142. 灰谷健次郎「天の瞳」

  143. 高野和明「ジェノサイド」

  144. 辻仁成「ECHOES」

  145. 江國香織「冷静と情熱のあいだ」

  146. 恩田陸「蜜蜂と遠雷」

  147. 鈴木光司「リング」

  148. J・K・ローリング「ハリー・ポッターと賢者の石」他

  149. C・S・ルイス「ライオンと魔女―ナルニア国ものがたり」

  150. ダイアナ・ウィン・ジョーンズ「魔法使いハウルと火の悪魔 」

  151. ミヒャエル・エンデ「モモ」

  152. 宮尾登美子「松風の家」

  153. 堀辰雄「風立ちぬ」

  154. 中村文則「教団X」

  155. 磯田道史「無私の日本人」

  156. 高殿円「剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎」

  157. 五味康祐「五味康祐 オーディオ遍歴」

  158. 又吉直樹「火花」

  159. 伊与原新「月まで三キロ」

  160. 川村元気「四月になれば彼女は」

  161. 旦部幸博「コーヒーの科学」

  162. 重松清「コーヒーもう一杯」

  163. 高村光太郎「珈琲店より」

  164. 寺田寅彦「コーヒー哲学序説」

  165. 斎藤茂吉「カフェ・ミネルワ」

  166. 有川浩「海の底」

  167. 劉 慈欣「三体」

  168. 佐藤進一「花押を読む」

  169. 川島良彰「コーヒー・ハンター」

  170. 奥山義八郎「日本の珈琲」

  171. 折金紀男著ラパンのひるね

  172. 瀬下洋子著「銀の滴ふるふるまわりに・瀬下洋子銅版画集」

  173. 堀口俊英著「新しい珈琲の基礎知識・知りたいことが初歩から学べるハンドブック」

  174. 与謝野晶子「源氏物語」他

  175. A・ウェイリー「源氏物語」

  176. 毬矢まりえ・森山恵「レディ・ムラサキのティーパーティらせん訳源氏物語」他


 社会人になって海外作家に目が向いた、もっと早く読めばよかったと思ったものだった。学生時代はジャンルにこだわらず読んだつもりだが文庫本がほとんどだった。社会人になって固表紙の単行本も読むようになった。今では電子書籍ばかり読んでいる。紙の書籍と電子書籍どちらも捨て難い。そのことについてはまたいつかゆっくり考察するとしよう。


忘れがたい物語

 特に忘れがたい本を挙げるとしたら、この三冊。しかも「ケイの凄春」は漫画だ。ここでは漫画にほとんど触れていないから、またいつか振り返るつもり。


 

別の視点で眺めてみた。

 

蔵書を眺める楽しみ


 読破した本が溜まり始めた頃、読んだ本を一覧したくてデータベースの構築に着手したけれどうまくいかなかった。一番には若い頃は時間がなかった。それにいつ読んだとか、何を感じたとか記録をつけていなかったことがネックだった。歳をとりたっぷり時間ができたある日書架の写真を撮った。それを眺めながら作者を書き出した。また日記に綴られた読後感を改めて読むと誠に面白い。1987年以降日記に読書記録が登場する。

 そうした記録を整理したらこのページが出来上がった。そして作家一人づつのページを作った。記録のあるものはそこに書き込み、書き込まれていない作家は思い出すことがあればこれから書き加えていこうと思う。作家の顔を描き、何を感じたか書き綴った蔵書の一覧。正しく昔作りたかったのがこれだと思う。


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