最初に読んだ本はなんだったろう。きっと何某かの絵本だと思うけど記憶がない。はっきり思い出せるのがこの本だ。
孫悟空宝島
子供用に要約された二つの物語が天地逆さまに表と裏から書かれていて、面白かったから何度も読み返した。おかげで孫悟空と宝島の物語が混ざってしまった。もう一冊似たような本を買ってもらったはずだが面白くなかったのだろう思い出せない。その頃友人たちは漫画を読んでいた。本当は自分も鉄人やアトムを読みたかった。でも両親は許してくれなかった。そしていつの間にか本を読まなくなった。
本が面白いと思うようになったのは、高校時代、現国の先生が星新一の「ボッコちゃん」を紹介してくれたことがきっかけだった。学校で読む本は読まなくちゃいけないものだったから、無意識のうちに押し付けられたつまらないものというレッテルを貼っていた。ところが、授業ですっていう感じじゃなくなった時、あれ?面白いかもしれないと思ったのだ。自分で貼ったレッテルが少し剥がれると教科書に載っていた断片から、続きを読みたいと思うものが出てきた。本田勝一の「ニューギニア高地人」がそれだった。いつの間にか本屋に立ち寄り本多勝一と星新一の本を探すようになった。こうして読書の楽しみを知るとあとは雪崩を打ったように読み始めた。
魅力を教えてくれた作者と本たち
学生時代
どれも思い出深い。下宿にこもって読んだり、喫茶店で読んだり。時には環状線に乗りながら読み、そのまま駅の改札を出て歩き読みをした。学校帰りに紀伊國屋や旭屋で新刊を探した。本箱を作って壁に取り付け、読み漁った本を並べた。本は増え、本箱を次々に作った。読めば読むほど読みたくなり、友人と情報を交換し、更なる出会いを求めた。
社会人になって
ジョージ・ルーカス「スター・ウォーズ・シリーズ 」他
ジェラリー・S・ヤング「スティーブ・ジョブズ」
リーアンダー・ケイニー「スティーブ・ジョブズの流儀」
桑原晃弥「スティーブ・ジョブズ名語録」
MacPeple「SteveJobsKeynoteHistory」
天童真「大誘拐」
吉行淳之介「女のかたち」米倉斉加年イラスト
与謝野晶子「源氏物語」他
A・ウェイリー「源氏物語」
毬矢まりえ・森山恵「レディ・ムラサキのティーパーティらせん訳源氏物語」他
社会人になって海外作家に目が向いた、もっと早く読めばよかったと思ったものだった。学生時代はジャンルにこだわらず読んだつもりだが文庫本がほとんどだった。社会人になって固表紙の単行本も読むようになった。今では電子書籍ばかり読んでいる。紙の書籍と電子書籍どちらも捨て難い。そのことについてはまたいつかゆっくり考察するとしよう。
忘れがたい物語
特に忘れがたい本を挙げるとしたら、この三冊。しかも「ケイの凄春」は漫画だ。ここでは漫画にほとんど触れていないから、またいつか振り返るつもり。
別の視点で眺めてみた。
蔵書を眺める楽しみ
読破した本が溜まり始めた頃、読んだ本を一覧したくてデータベースの構築に着手したけれどうまくいかなかった。一番には若い頃は時間がなかった。それにいつ読んだとか、何を感じたとか記録をつけていなかったことがネックだった。歳をとりたっぷり時間ができたある日書架の写真を撮った。それを眺めながら作者を書き出した。また日記に綴られた読後感を改めて読むと誠に面白い。1987年以降日記に読書記録が登場する。
そうした記録を整理したらこのページが出来上がった。そして作家一人づつのページを作った。記録のあるものはそこに書き込み、書き込まれていない作家は思い出すことがあればこれから書き加えていこうと思う。作家の顔を描き、何を感じたか書き綴った蔵書の一覧。正しく昔作りたかったのがこれだと思う。
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