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漫画たち

更新日:5月26日

 漫画を模写して思ったことを書き留め、発表された年代順にまとめた。


 

平安時代〜鎌倉時代


 日本最古の漫画「鳥獣人物戯画」

 京都の高山寺に伝わる絵巻物は日本最古の漫画と言われている。平安時代末期から鎌倉時代初期に複数の作者によって描かれた。筆書きのラインは生き生きとして、ダビンチが生まれるよりずっと前に日本人はこんなに粋な絵を描くことができた。


 左手で描いてごらんというリクエストに答えて描いてみた。いやー、描きにくい。私の場合右利きで、ラインを引くために小指球を画面に付けて手首を回すように描いていることに気がついた。手首の回る範囲で勢いに強弱をつけたラインが引ける。左手ではこうした鍛錬がされていないから動きが取れず、ふわふわしたラインになってしまう。改めてラインを引くことの難しさを感じた。

 

1930年代

  1. 1930年 「黄金バット」タバコを吸うようになった頃好きだったのはゴールデンバット。ここで描いたのはブリキのおもちゃの黄金バット。昭和初期の紙芝居に登場した金色の骸骨ヒーロー。笑い声と共にやって来る。犬と散歩しているとどこからともなく笑い声が聞こえた。あれは何だったのか。まだ夜も開け切らない朝方は何かしら現実離れした空気がある。

  2. 1931年 「のらクロ」日本漫画萌芽期の作品。黒い野良犬が軍隊に入隊し、ドジりながらも大将になる物語。幼い頃復刻版を見た朧げな記憶がある。母にとって漫画とはこれらしい。


 昭和になって間もない1930年代。1931年に満州事変が勃発。1932年に五・一五事件が勃発し軍部独裁政治へ。1933年になると日本は国際連盟を脱退。1936年に二・二六事件、1937年に日華事変が起こり。時代は戦争に向かっていく。

 

1940年代

  1. 1942年 「ロスト・ワールド前世紀(私家版)」手塚治虫が中学2年生の頃書いたもの。すでにヒゲ親父が誕生していた。冒頭に「これは漫画にあらず、小説にもあらず」とうたっている。

  2. 1946年 「サザエさん」「夕刊フクニチ」で1946年4月22日に連載を始めた4コマ漫画から始まった。作者が東京へ引越するため連載が一旦打ち切りとなり。その時独身だったサザエさんはマスオさんと結婚した。コンビニで「サザエさん2023春特集昭和の休日」を見つけた。母がなつかしいと読み始めたが、そのうち「やっぱり古いねー」とポツリと言った。

  3. 1947年 「新寶島」原作・構成酒井七馬、手塚治虫描き下ろし単行本『新寶島』がベストセラーとなり、大阪に赤本ブームを引き起こした。

  1. 1948年 「ロスト・ワールド(地球編・宇宙編)」実際に手塚さんのロスト・ワールドに触れる機会は現在までない。

  2. 1949年メトロポリス」初版のメトロポリスはさわりを見ただけ。

 1940年紀元二千六百年記念行事を祝うが、1941年真珠湾攻撃により太平洋戦争が勃発。1945年広島・長崎に核爆弾が投下され終戦を迎え日本は敗戦国となった。1946年日本国憲法が公布され、戦後の混乱の中で手塚作品や「サザエさん」は産声を上げる。

 

1950年代

  1. 1950年 「ペコちゃん」不二家「ミルキー」の商品キャラクターとして誕生した。その後同社のマスコットとして親しまれるようになり、今もお店に人形が置かれている。永遠の6歳。一目でわかるシンプルなデザインは、記号と化している。

  2. 1950年 「ジャングル大帝」デズニーの「バンビ」を何度も見たという手塚さんはバッドエンドを選択した。のちにデズニーは再び「ライオン・キング」でハッピーエンドを選択する。

  3. 1952年 「鉄腕アトム」子供時代に描いたといえば鉄腕アトムがいちばん多かったかもしれない。今で言えば高度の自己学習型AI搭載ロボットと言う感じだが、当時は人工頭脳と言っていた。と言うかアトムは心を持っている。

  1. 1952年 「ぼくのそんごくう」「悟空の大冒険」の原作的な作品。

  2. 1953年 「リボンの騎士」冨田勲の音楽に酔いしれた。男の心を持った女の子という、トランスジェンダーがすでにこの時代に取り上げられていたことに驚く。

  3. 1954年 「火の鳥」1954年「漫画少年」に掲載された「黎明編」を始めに、1986年「太陽編」まで過去現在未来を縦横無尽に語り尽くした。

  1. 1954年 「ゲゲゲの鬼太郎」は、民話の「子育て幽霊」を題材にした「ハカバキタロー」と言う紙芝居がおおもとだった。父は子供時代「熱田さん」の近所に住んでいた。お向かいが「八百屋」隣が「味噌屋」と商家が並び父の家は何も商いをしていなかったから「何にも屋」と呼ばれていた。遠い親戚の「お麩屋」で小遣い稼ぎに手伝いをしていた。大きな神社のそばということもあって紙芝居が来る。わずかだが小遣いに余裕があると「ハカバキタロー」を見たという。母が住む住宅地に紙芝居が来ることは少なく、1日二銭の小遣いではおやつを買うのが精一杯で紙芝居を見る余裕もなかった。私の子供時代はもう紙芝居の時代ではなくなっていた。

  2. 1956年 「鉄人28号」漫画は低俗と言う風潮があった。両親は漫画は買ってくれず、隣家で「少年」の鉄人をコッソリ読んだ。テレビアニメが始まると不思議とテレビ漫画は見てもよかった。アトムと並んで鉄人を何度も描いた。

  3. 1958年 「月光仮面」漫画ではないが元祖日本のヒーロー月光仮面。第1部で建設中だった東京タワーが第4部で完成、そんな歴史の一幕が映り込んでいる。風呂敷をマントに二丁拳銃をぶっ放した。

  1. 1959年 「七色仮面」これも漫画ではないが7つの顔を持つ男、多羅尾伴内をモチーフにした東映初の仮面ヒーロー。不死身の体で瞬間移動や変身能力を持っていた。縁日のお面売り場を思い出す。そして彼も2丁拳銃。

  2. 1959年 「魔神ガロン」私が2歳の時の作品なので、リアルタイムに見たかもしれないが、はっきりとした記憶はない。

  3. 1959年 「0マン」尻尾の生えた0マンと人間の物語。

 1953年NHKがテレビ放送を開始し紅白歌合戦が始まる。1955年神武景気が始まり、1956年国際連合に加盟、中野好夫が文藝春秋に「もはや戦後ではない」を発表。それは「戦後から復興するという時代は終わり新時代に入っていくのだ」という気運だった。そして1957年国産ロケット1号機が発射成功する。

 

1960年代

  1. 1960年 「ナショナルキッド」これも漫画ではない。ナショナルキッドは、アンドロメダからやってきた空飛ぶヒーロー。対する敵は地球人の無謀な核使用を止めさせるために金星からやって来たインカ人と言うのだから複雑な気持ちになる。朧げな記憶はマスクとマントと2丁拳銃が月光仮面や七色仮面とダブる。ナショナルがスポンサーだった。

  2. 1960年 「ひみつのアッコちゃん」赤塚不二夫原作の魔法少女の元祖的物語。「おそ松くん」に登場した「トト子」にそっくり。「テクマクマヤコン」という魔法の言葉は男子も知っている。

  3. 1961年 「サスケ」忍者漫画がテレビで毎週観れると喜んだ。徳川からの刺客と戦う少年忍者サスケ。武器や忍術の解説が楽しみだった。

  1. 1963年 「ビッグX」生物を鋼鉄の強靭さで巨大化させる薬品「ビッグX」の物語。万年筆を手に入れると書くよりまず注射の真似をした。お風呂の時間と重なって、なかなか見せてもらえなかったが、歌は覚えている。「軍艦なんか踏んづけろ」・・・

  2. 1963年 「エイトマン」人工頭脳と言えばエイトマン。ステゴザウルスみたいに肩に予備電子頭脳を持っていた。この絵は学習帳に書かれていたもの。関節が見当たらず、球より早く走れる構造には見えない。

  3. 1963年 「オオカミ少年ケン」狼に育てられた少年ケンの物語。分厚い唇、独特の手足の描き方は東映動画独特のキャラクターだった。

  1. 1964年 「光速エスパー」ヘルメットとロケットのついた強化服を着た少年が活躍する、電気店のシャッターに描かれたマスコットキャラクターだった。ペコちゃんのようにマスコット人形も置かれ憧れだったが、我が家はナショナル党で東芝党では無かった。

  2. 1964年 「カムイ伝」白土三平の物語は壮大な歴史群像物語となってゆく。テレビアニメは子供が喜びそうな忍者対決がメインとなった。非人とか抜け人、外伝という言葉を覚えた。外伝にはカムイが登場せず首を捻っていた。

  3. 1965年 「マグマ大使」地球の創造主アースが、地球侵略を狙う「宇宙の帝王」ゴアとの戦いのために生んだ「ロケット人間」の物語。人間もどきが登場。

  1. 1965年 「宇宙少年ソラン」サイボーグ化された少年の物語。物語は忘れてしまったけれど「ソラン、ソラン、ソラーン・・・」と口ずさむと不思議と蘇る「さあ行くぞチャッピー皆んなが待っているー」

  2. 1965年 「宇宙エースは」タツノコプロ初のテレビアニメ。エネルギーを集めてシルバーリングを作り乗って飛んだり武器にできる。スポンサーはカネボウ、エースのエネルギー補給はガムとよく出来ている。

  3. 1965年 「W3」虫プロ内の余剰人員を活用する目的が発端の物語らしい。うさぎになっても色っぽいボッコ隊長。タイヤ型のマシンなど、大好きな物語だが、マガジンからサンデーに掲載変更されるなど「W3事件」が勃発したゴタゴタのあった作品。このゴタゴタが劇画誕生のきっかけとなったという人もいる。

  1. 1966年 「バンパイヤ」漫画と実写が合成されたテレビドラマになった。水谷豊が主人公トッペイを演じ、手塚治虫が出演、ロックの暗躍など、面白かったが尻切れ蜻蛉に物語は終わった。

  2. 1966年 「魔法使いサリー」横山光輝の魔法少女の物語。「奥様は魔女」がきっかけでできたらしい。魔法の言葉は「マハリクマハリター」

  3. 1966年 「丸出だめ夫」ダメ男の教育を兼ねた家事全般をこなすしっかり者のロボット「ぼろっと」が思い出深い。最初は筆談をしていたが、実写ドラマ版で話すようになり、原作も話すようになった。漫画では小さかったのにドラマでは随分大きくなっていたのは、人が入る都合だったのか、一家に一台ロボットがいることが不思議に思わなかった昭和。

  1. 1967年 「悟空の大冒険」「鉄腕アトム」の後番組としてとして登場したギャグ漫画。「西遊記」としてはかなり脚色されているが、子供時代に見たため、これが「西遊記」のベースになってしまった。

  2. 1967年 「天才バカボン」を愛した時代が確かにあった。赤塚不二夫の代表作。

  3. 1967年 「どろろ」妖怪ブームに便乗して登場した手塚治虫の時代劇で妖怪ものという際物と評された。しかし当の子供にはそんなことは関係なく、手塚治虫の描く妖怪には独特の魅力を感じていた。

  1. 1967年 「ジャイアントロボ」鉄人と異なり主人公の少年の命令で動く。子供時代ロボが「マ」と返事をするのを真似た。

  2. 1967年 「猫目小僧」恐怖漫画の楳図かずお作品。「半魚人」や「おろち」など独特の絵柄が怖いもの見たさを刺激する。

  3. 1967年 「マッハゴーゴーゴー」タツノコプロ作品。オートジャッキやギズモ号、自動操縦で自宅に戻る機能などギミック満載のマッハ号が欲しかった。

  1. 1968年 「サイボーグ009」「地下帝国ヨミ編」のラストで、流れ星となって地球へ落下する009と002に涙した。未完の「Conclusion God's War」が気になって仕方ない。

  2. 1968年 「巨人の星」「ちゃぶ台返し」「重いコンダラ」「大リーグボール養成ギプス」。心に残る言葉は一徹親父の「なぜ遠回りを選ばん」川上監督の「馬鹿正直こそ尊い」。人生の中で幾度この言葉が頭を駆け巡ったことだろう。

  3. 1968年 「明日のジョー」巨人の星と共に忘れ難い。クロスカウンター、力石徹。「立て、立つんだ・・・」「えぐりこむように打つべし」そして衝撃的で美しいラストシーン「燃えたよ・・・真っ白に・・・」



  1. 1968年 「タイガーマスク」「巨人の星」「明日のジョー」に並ぶ梶原一騎の作品。虎の穴と死闘するタイガーマスクと、孤児を支援するの伊達直人は、いずれも現実社会に登場した。

  2. 1968年 「アタックNo.1」浦野千賀子の作品。「苦しくったって、コートの中では平気なの」と言いつつ「涙が出ちゃう、だって女の子だもん」

  3. 1968年 「ゴルゴ13」後ろに立つ人間を容赦なく殴り倒す。時代を反映した物語はスリリングだ。50年以上連載され、総発行部数3億越え御長寿の殺し屋。最終回の原稿は完成しており金庫にしまわれている。ともっともらしい都市伝説がある。

  1. 1968年 「シャミー1000」これは読んだことはないが、この絵を見たことがある。なんと色っぽい猫だろう。

  2. 1969年 「海のトリトン」テレビ版と漫画版の違いに驚く。一番覚えているのは主題歌だろう。「水平線の向こうにはあああー」

  3. 1969年 「ドラえもん」藤子不二雄の作品にはずいぶんお世話になった。ポケットから取り出すひみつ道具のことも知っている。でも、ドラえもんを子供時代に見た記憶がほとんどない。

  1. 1969年 「ムーミン」トーベ・ヤンソン原作1969年日本で漫画版が講談社から出版され、東京ムービーがテレビアニメーションを制作。これを見て育ったためムーミンといえば大塚構成デザインのキャラクターが一番しっくりくる。

  2. 1969年 「ペックスばんざい」これも読んだ記憶はないが、こんな感じの絵を見たことがある。子供向けの漫画とは異なるタッチなのだが、いかにも手塚さんらしい絵である。

  3. 1969年 「I.L」不思議なタイトルである。手塚さんとしてはI'll(私は〜であろう)とするつもりだったらしい、ところが出版社が間違えてしまった。そこで手塚さんがヒロインの名前をI.Lにすることでおさめたというアダルトファンタジー。

 1960年安保闘争。1964年東京オリンピック開催、東海道新幹線開業。1966年ビートルズ来日。1968年川端康成ノーベル文学賞を受賞、3億円強奪事件、新宿騒乱。1969年東大安田講堂攻防戦、公害白書が初めて発表され、闘争の時代・スポ根の時代が始まる。

 

1970年代

  1. 1970年 「不思議なメルモ」テレビ放映された時は唖然としてしまった。物語はとても素敵だった、ただ、とてもエッチなのだ。

  2. 1970年 「きりひと讃歌」犬のような姿になる人が登場する、外見による差別、人間の尊厳を問う問題作。

  3. 1970年 「アラバスター」「テツノのおっさん」という名前は覚えがないし、アラバスターも読んだ記憶がない。でもこのおっさんを知っている。

  1. 1970年 「子連れ狼」小池一夫原作・小島剛夕の作品はどれも素晴らしい。剛夕のタッチは真似ができない。

  2. 1970年 「人間昆虫記」十村十枝子は転身を繰り返しながらマスコミ界を渡ってゆく。

  3. 1971年 「鳥人体系」世界中で知能を持ち始めた鳥たちが、人類を脅かし始める。

  1. 1971年 「ルパン三世」ある時はルパンの敵であり、味方であり、恋人の峰不二子。目的のためなら躊躇いなく裏切り、欲望に忠実な悪女。泥棒や悪女に魅了されるのはなぜだろう。

  2. 1971年 「仮面ライダー」初代以降ほとんどご無沙汰していた仮面ライダー。生誕50周年記念の「仮面ライダーブラックサン」をみた。西島秀俊、中村倫也、中村梅雀、吉田羊、などなど豪華な出演陣に驚いた。差別問題に真っ向から取り組み現代の暗部を抉り出す。

  3. 1972年 「ブッダ」大阪北の阪急ファイブ5階の書店で立ち読みをして泣いた。社会人になって単行本を買って読んでまた泣いた。

  1. 1972年 「デビルマン」神話要素が惹きつける。鬼滅や呪術など最近のアニメは面白いけど残酷でグロテスクだと思ったが、すでに半世紀前からジャパニーズ漫画は残酷でエッチなのであった。

  2. 1972年 「レインボーマン」陰陽五行の木・火・土・金・水と日と月を加えた七つに変幻する。力を使い果たすと身体が勝手に座禅を組みだし、石化し仮死状態でもとの人間の姿に戻り、ハラハラした。

  3. 1972年 「人造人間キカイダー」ジローに対するハカイダー・サブロー。妙に心惹かれる悪役だった。多くの物語で悪役に惹かれる。それは私一人ではないらしい。世の多くが、悪役を結構好んでいる。これこそこの世のカラクリの一つに違いない。

  1. 1972年 「科学忍者隊ガッチャマン」タツノコプロ制作のSFアニメ。ここでもどうにも気になる悪役が登場する。ベルク・カッツェ

  2. 1972年 「マジンガーZ」初めて動き出すシーンでは迫力にドキドキした。ロケットパンチ、ブレストファイヤー、ルストハリケーン、アフロダイA、アシュラ男爵…ああ止まらない。 マジンガーZの格納庫を現状の技術と材料で建設したらどうなるか。真剣に格闘する姿が描かれた映画「前田建設ファンタジー営業部」は面白い。マジンガーZは初の巨大ロボットものと言うことだが、モビルスーツの先駆けであった。

  3. 1972年 「ザ・ムーン」ジョージ秋山の作品に衝撃を受けた。大富豪が巨額の費用を費やして作り上げた巨大ロボット。純粋な心を持った少年たちにその操作を預け、9人の少年少女が心を合わせた時に、ムーンは動く。

  1. 1973年 「新造人間キャシャーン」公害処理用ロボットが、落雷の衝撃を受け自我に目覚めた。彼は公害の元凶となっている人間を処理すべきと考えブライキング・ボスを自称してアンドロ軍団を作り世界征服を開始する。

  2. 1973年 「イナズマン」仮面ライダー、キカイダーと変身ブームが起きる中オイルショックとともに沈静化、そんな時代の物語。超能力を持つミュータントの物語

  3. 1973年 「ブラックジャック」スランプだった手塚さんの起死回生の作品が「ブラックジャック」であったことをのちに知った。

  1. 1973年 「三つ目が通る」古代文明の謎を絡め、三つ目族が登場する物語は、とてもスリリングで、悪魔的な写楽がいい。

  2. 1973年 「ワンサくん」放送終了から2か月後に旧虫プロダクションが倒産した。

  3. 1973年 「俺は直角」友人の家で一気読みした。父からの教え「武士道とは曲がることなく直角であるべし」を愚直に押し通す少年は清々しい。

  1. 1973年 「エースをねらえ!」山本鈴美香原作。テニスブームを巻き起こす。とにかくお蝶夫人の記憶が・・・。

  2. 1973年 「キューティーハニー」「あるときはほにゃらら、またあるときははにゃらら、しかしてその実態はへにゃらら・・・ハニーフラッシュ」と言ってに空中元素固定装置で変身するお尻の小さな女の子。庵野さんはゴジラもウルトラマンも仮面ライダーもキューティーハニーも映画にしちゃった。

  3. 1974年 「アルプスの少女ハイジ」実はちゃんと見たことがない

  1. 1974年 「宇宙戦艦ヤマト」「ターゲット・スコープ、オープン、電影クロスゲイジ明度20…エネルギー充填120%…対ショック、対閃光防御…波動砲発射」今も思い出すあの台詞。何もかもが懐かしい。同時間帯に放送されていたらしい「ハイジ」に気が付くこともなくヤマトにかぶりつきだった。アナライザーはいかにも松本零士的ロボットだと思う。iMacが登場するとスケルトン製品が溢れたが、宇宙戦艦ヤマトが登場した頃、松本零士的至る所にメーターのついたデザインが流行った。

  2. 1974年 「がきデカ」山上たつひこ作品。独特のギャグ感覚に酔う。

  1. 1974年 「バルボラ」退廃的な雰囲気がずしんと心に澱のように溜まった。

  2. 1975年 「嗚呼!!花の応援団」どおくまん原作。「役者やのー」「クエっクエっ」と言いながらどつき回す姿は、大学時代の運動部そのものだった。

  3. 1976年 「ユニコ」不思議と不定期に、どこかに載っているのを、なんとなく見ることができた。

  1. 1975年 「宇宙の騎士テッカマン」は身体能力を飛躍的に高める装置「テックセットシステム」で超人的能力を持つ「テッカマン」に変身するのだが。なんせ変身時に薔薇か有刺鉄線のようなもので全身を覆われとても痛そう。

  2. 1977年 「ヤッターマン」ドロンジョは金銀宝石を愛するドロンボー一味の女ボス。スタイル抜群で頭脳明晰な金髪碧眼の美女。口は悪く恩を仇で返すこともあるが根は情に篤く、さっぱりとした性格でいい話を聞いて涙を流す。

  3. 1977年 「銀河鉄道999」「青春の幻影」と呼ばれ、幾多の少年たちの運命を翻弄してきた謎大き美女メーテル。機械帝国を目論む母と、反機械化世界を目指す父の間で彼女は何を思うのか。善か悪かわからない底知れぬところこそが悪女の証かも知れない。

  1. 1978年 「クイーン・エメラルダス」「大宇宙の魔女」と恐れられる彼女だが、本当に勇気のある信念を持った男には優しいらしい。彼女がなぜ宇宙を旅しているのか誰も知らない。メーテルと姉妹なかも定かではない。松本零士は言葉使いが大袈裟で中身がない。でもいつの間にかうっとり聞いてしまう。

  2. 1978年 「うる星やつら」友人宅で見せてもらった「ビューティフルドリーマー」に蕩けてしまった。「うる星やつら」が始まった頃はテレビがなかった。結局この頃の作品は社会人になってからとっぷり見せてもらうことになる。小学館創業100年記念でリメイクされた。

  1. 1978年 「コブラ」ジャンポール・ベルモンドのような容姿で左腕にサイコガンを持つ男。発端はトータル・リコールのイメージに似ている。寺沢武一は絵が上手い。でもなんだこれはというデザインが出てくる。コブラも、レディもクリスタルボーイもかっこいいのに、なんか宇宙船がイマイチなのである。

  2. 1978年 「未来少年コナン」社会人になりたての頃、寮の友人の部屋で見せてもらって胸を熱くさせた。叛逆したダイスがラナをうばってインダストリアルを脱出。追いかけるコナン。ついに助け出したコナンとラナのボートに砲弾が当たる。沈没したボートにコナンの手枷が絡まってしまった。コナンを助けようと泳ぎ寄るラナ。ぐったりするコナンに息をおくるラナも気を失って・・・。ああー絶対絶命。

  1. 1978年 「ケイの凄春」道を踏み外しそうになるたびに、脇道にゆかぬよう、我が道をリセットしてくれる稀有な存在である。状況が違っても、いくら歳を重ねても、心の深みに届く思いは同じ様だ。何度も人生を生きてきた様な気になる。小池一夫作、小島剛夕画の本書は、巷の話題にはならなかった様だが、傑作だとおもう。

  2. 1979年 「ダーティペア」犯罪トラブルコンサルタント。事件を解決するが舞台となった星に壊滅的な被害を出す恐ろしいペア。高千穂遙のSF小説で安彦良和がイラストを手掛けている。クラッシャージョウと繋がりがあるあたりも面白い。アニメのキャラクターはうる星やつらテイストで一味違った良さがある。

  3. 1979年 「カリオストロの城」まだ若造だった頃、知ったかぶりをしてルパンの乗る車をMINIだと言い切ってしまった。あとで間違いに気づいて赤面した。そんなことはどうでもいい、素敵な物語だった。大野さんの音楽がまたいい。

  1. 1979年 「機動戦士ガンダム」テレビを持たなかった学生時代、友人の下宿でテレビを見た。モビルスーツ、スペースコロニー、ミノフスキー粒子、ニュータイプその世界観にハマったものの、テレビを持たない山男はその後についていけなかった。ガンダムについては語れるほどわからない。

  2. 1979年 「ドン・ドラキュラ」久しぶりに手塚さんらしい絵とドタバタ劇に喜んだ。

 1970年万博が開催され明るい未来を予見する中、よど号ハイジャック事件、三島由紀夫割腹自殺が立て続けに起こり、1972年連合赤軍によるあさま山荘事件が勃発、その凄惨さに学生運動への忌避感が高まった。同年冬季オリンピックが開催され、田中角栄が「日本列島改造論」を発表史上最年少総理になる。1973年第一次オイルショック。1975年沖縄国際海洋博開催。1976年ロッキード事件。1979年ウォークマンが発売。高度成長経済の機運の中一億総中流意識のもと、時代に乗り遅れまいとしていた。時代は活気を呈し、漫画は様々なジャンルの名作が誕生する。

 

1980年代

  1. 1980年 「めぞん一刻」数詞が入った名前の登場人物たち。要領が悪かったり、図々しかったり、明け透けだったり、どこかピントの外れた彼たちの日常は、不思議と疲れた心をほぐしてくれた。

  2. 1981年 「七色インコ」表の姿は役者だが、真の姿は泥棒であった。

  3. 1981年 「タッチ」主人公のいい加減さや、ほのぼのとしたストーリー展開の中、突然の大事件にショックを受ける。スポコンじゃない野球漫画。南の声にムネが騒ぐ。

  1. 1981年 「Dr.ストップアラレちゃん」物語に登場するガジェットや色々なオマージュがたまらない。鳥山明は欲しい物があるとそれを手に入れるまで、あるいは興味がなくなるまで絵に描き続ける癖があったという。画力が羨ましい。

  2. 1981年 「ストップ!!ひばりくん!」江口寿史の描く女の子は素敵だ。とんでもなく可愛い子が実は男だったというギャグ漫画は、いかに可愛く描くかという方向に力点が置かれ。ドキドキして行方を楽しみにしていたが、こだわりすぎて続けられなくなった。未完のまま放棄された作品もおおかった。でもどんなにいい加減だったとしても、作品は素晴らしい。

  3. 1982年 「プライム・ローズ」露出度全開の女戦士として戦う、おてんばで、跳ね返りな典型的な手塚流美少女が現れた。

  1. 1982年 「風の谷のナウシカ」閃光と虫笛でオ−ムを静め、テトと打ち解け、オ−ムの暴走を静め、しょう気を吸った兵士を助け、単騎でドルク兵をけ散らし、敵だった皇帝を昇天させ、ユパの壮絶な最後と、胸をしめあげ涙無くしては読めない。ところが、腐海は地球を汚染してしまった先人達によって作られた生態系で、毒のある生態系に人類すら改良が加えられていた。「青き衣をまとい金色の野に降り立ち、蒼き清浄の地に導く」という伝承は何だったのか。それでも生きてゆくのだと・・・虚しく悲しい結末を迎える。

  2. 1982年 「銀河英雄伝説」「清潔な専制」と「腐敗した民主主義」の対決を描いた群像叙事詩。現実世界も今まさに、民主主義はほころび、権威主義は専制となり暴虐を重ねている。ラインハルトのようなプーさんたちだったらなあ・・・。

  3. 1982年 「AKIRA」大友克洋は40年近く前、東京オリンピックが2020年に開催されるというという物語を描いた。現実に2020年世界はパンデミックに襲われながら翌年東京でオリンピックが開かれた。予言の書のような物語。芸能山城組が迫力の音楽でAKIRAの世界を拡張する。

  1. 1983年 「幻魔大戦」石森章太郎と平井和正共作の幻魔大戦は、とても重要なことが語られていると感じたのだが、地球に接近する髑髏模様の月の前に立ち尽くす圧倒的に不利な超能力者たちで物語は終わる。サイボーグ009の天使編もそうだった。その後が気になって仕方がない。だから、のちに石森さんと平井さんがそれぞれの幻魔大戦を紡ぎ始めた時、大喜びで読み始めた。複数のパラレルワールドが誕生し随所に重要なことの片鱗を見たが、話はどんどん膨らんで、どこまでついていけたかわからない。大友克洋は映画版への参加がきっかけでアニメーション制作に傾倒していったらしい。

  2. 1983年 「北斗の拳」ちゃんと読んだことがないのに、知った気になっている物語というのは結構ある。これはその一つ。「あたたたたったっー」「お前はもう死んでいる」と言うセリフを知っているだけかもしれない。

  3. 1983年 「西遊妖猿伝」諸星大二郎の西遊記をモチーフとした別の物語。独特の怪しい絵が不思議な雰囲気を出している。書店で見かけ読みたいと思いつつ機会を逃していた本というのは多い。諸星大二郎の「西遊妖猿伝」もその一つ。Appleブックで「大唐編」と「西城編」を読むことができた。なるほどこういう感じなんだ。異形の存在、価値観や世界観が転倒した、独特の怪しく不思議な大二郎ワールド。荒巻義雄の「時の葦舟」を諸星大二郎が漫画にしてくれたらと密かに願っている。

  1. 1984年 「ドラゴンボール」鳥山明の画力に惹かれて連載当時読んでいたが、アニメは再放送でみた。テレビのない生活が続く間放送された番組は見る機会がなく、ドラゴンボールも御多分に洩れずほとんど見ていない。

  2. 1985年 「シティーハンター」冴羽獠の愛車といえばMINI。素敵に描かれていたけど、実は車種の特定が難しい。色々混じってる感がある。そんな中でも気になるのは、ウッドステアリングのホーンキャップは飾り物で、ウインカーレバーにホーンボタンがついている。だから、クラクションはウインカーレーバーを押して鳴らして欲しかったのだが、思いっきりホーンキャップを押していた。ホーンキャップで鳴らす車種もあるみたいだから一概にはいえないんだけど・・・気になる。

  3. 1986年 「ちびまる子ちゃん」さくらももこ原作。気がつくと国民的アニメになっていた。

  1. 1986年 「F」「何人たりと俺の前は走らせねえ」ヤンチャな赤城群馬と天才的メカニック大石タモツがフォーミュラーレースの世界で繰り広げる群像劇は読み応えがある。FJ1600からF3へそしてF3000、F1へと駆け上ってゆく。モナコGPは圧巻。

  2. 1986年 「YAWARA!」素敵な物語だ。大友克洋の亜流とまで言われた浦沢直樹は、ここで大友の影響から脱しつつ江口寿史の影響を受け、その後「モンスター」「20世紀少年」と彼らしい絵に変貌してゆく。「漫勉」のプレゼンターでは漫画家が漫画を描いている瞬間を見せてくれた。

  3. 1986年 「天空の城ラピュタ」スタジオジブリ設立のきっかけとなった映画だそうである。オープニングから没入感があり何度でも見てしまう、忘れがたい映画であった。「りーて・らとばりーた・うるす・ありあろす・ばる・ねとりーる」この呪文、気がつくと口ずさんでいることがある。

  1. 1987年 「動物のお医者さん」原作笹木倫子。優しい物語が登場した。北大へ行きたくなりシベリアンハスキーを飼いたくなる物語。

  2. 1988年 「となりのトトロ」子供時代過ごした景色を思い出させてくれる。舗装されていない道、大人の自転車を漕ぐ子ども、田んぼを渡る風、ため池、農家の裏庭、みんな見たことがあるような景色だった。気になっていることがある。メイがトトロと初めて出会って名前を聞いた時、「トトロね」と聞き取るあたり、あんまり自然なので聞き流してしまうが、何度聞いても「トトロ」とは聞こえない。

  3. 1989年 「機動警察パトレイバー」メディアミックスの作品で、アニメ版と漫画版が存在する。基本設定は同じとのことだがずいぶん雰囲気が違う。個人的には2本の映画版が好みで、特に2作目はレイバーがほとんど活躍しないが独特の雰囲気が気に入っている。今もサウンドトラックを愛聴している。

  1. 1989年 「魔女の宅急便」初の他者原作の宮崎駿監督作品。異国の風景はどこかにありそうだが、スウェーデン、アイルランド、サンフランシスコ、リスボン、パリ、ナポリと様々な風景を織り交ぜた世界だった。トトロの3倍以上というジブリ初のヒット作となったが、実はトトロを配給した東映が興行的失敗でジブリ作品の配給を打ち切ったことで危機感を抱いた鈴木さんが日本テレビのバックアップと徳間書店、ヤマト運輸をスポンサーに抱き込み、テレビCMを打つことで成功に漕ぎ着けたのであった。

  2. 1989年 「ルードウィヒ・B」手塚治虫作品。ベートーベンの生涯を描く音楽作品で、「ブッダ」に続く伝記漫画。「グリンゴ」「ネオ・ファウスト」と共に死去により未完の作品となった。

  3. 1989年 「笑ゥせぇるすまん」謎のセールスマン喪黒福造が悩める現代人のちょっとした願望を叶えてやるが、約束を破ったり忠告を聞かなかった時に代償を負わせる。ブラックユーモア。

 バブルの時代に突入。モスクワ五輪ボイコット、竹の子族、ルービックキューブ、漫才ブームが到来する。ところが暗雲は近づいていた。1989年昭和が終わり、中国では天安門事件が起こり、ドイツではベルリンの壁が崩壊し、ジョンレノンが銃殺された。

 

1990年代

  1. 1991年 「思い出ぽろぽろ」高畑さんの監督作品。スタジオジブリがスタッフを社員にして作った初めての映画。物語の中で紅花を摘むシーンがある。そんなに長いシーンではないのだが、徹底的に調査研究したという高畑さんらしいエピソードを聞いたことがある。

  2. 1992年 「紅の豚」「宮崎駿の雑草ノート」に連載された「飛行艇時代」がベースとなっており、「誰かお金を出してくれたらこんな感じの映画を作ってやるわい」的なことを言っていたものが本当になってしまった。そして魔女宅に続くアニメ映画の興行成績日本記録を更新した。この作品以降宮崎監督作品は東宝系での公開となる。東映にとって逃した魚は大きかった。

  3. 1994年 「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」メディアミックス展開され漫画アニメ映画といずれも秀作揃いだった。映画はどんなふうに表現するのかと思っていたら、見事に漫画やアニメのテイストが表現され、佐藤健の剣心は色気があった。また国産時代劇とちょっと違った映像、剣戟が新鮮だった。

  1. 1994年 「あずみ」過酷な運命に立ち向かうひたすらな姿が心を打つ「あずみ」。「大量殺戮してきたあずみが、平穏な幸福で終わる結末は考えられない。だとしたら、いずれは幕府に殺処分される絶望的な未来しかない、そこまで描くのは読者も望まないだろう」という作者の言葉を知り愕然とした。

  2. 1994年 「オンユアマーク」CHAGE and ASKAのPVを宮崎さんが手掛け、世紀末未来SF風、新興宗教と警官と翼の生えた少女の物語と、何もかもが異色の組み合わせが新鮮だった。辻褄があっているのかわからない不思議な作りで、もう少し見たいというところで終わっている。行き詰まっていた「もののけ姫」制作中に企画が持ち込まれ気分転換に作られたというから驚いてしまう。

  3. 1995年 「頭文字<イニシャル>D」アニメ漫画共に、レースシーンが秀逸。普段ぼーっとしているけれど運転させると神技を見せる「藤原とうふ店」のハチロクを駆る主人公にドキドキワクワク。できぬことと知りながらドリフトをしてみたい誘惑に駆られる。

  1. 1995年 「耳をすませば」脚本こそ宮崎さんだが、監督は近藤喜文の作品。後に原作を通して読んだ宮崎さんが「ストーリーが違う」と怒ったと言うから面白い。「猫の恩返し」に登場するバロンが登場し、古楽器の演奏やプロポーズなど印象的なシーンが多い。

  2. 1995年 「攻殻機動隊」士郎正宗原作。押井守が映画「GHOST IN THE SHELL」、神山健治が「STAND ALONE COMPLEX」、黄瀬和哉と冲方丁が「ARISE」と、作風の異る多元宇宙で一つの作品が出来上がった感じがある。サイバーパンク、義体に宿るゴースト、アジアンテイストの音楽、クールな映像はどれも素晴らしい。個人的には神山健治の「笑い男事件」が好き。タチコマは攻殻機動隊に登場する多脚戦車である。思考戦車(シンク)とも呼ばれAIを搭載した複数のタチコマたちは、仕事を終えると全機でデータ共有し記録を共有するため個体差がなくなるはずなのに、個体差が生じると言う。機械に宿るゴーストを体現する存在。神山健治の作品ではタチコマがメインのストーリーも数話用意され、可愛らしい声と、とぼけた会話が絶妙で、クールな物語にほのぼのとした空気を提供した。アニメではブルーのタチコマだが、士郎正宗の原作ではデザインやカラーも違いフチコマと呼ばれている。

  1. 1995年 「新世紀エヴァンゲリオン」社会現象を起こしていた頃は見逃していた。Visor(ハンドヘルド・コンピューター)を入手した時に無料の小説が読めるようになり、エヴァンゲリオンから派生した物語をいくつか読むことができた。ところがこれは本編とは全く別の物語だった。映画化された頃ようやく本編を見ることができたが、序・破・Q・𝄇と見てまた違う世界を味わうことになる。パトスとか使徒とか死海文書とかルフランとかなんだか出てくる言葉がカッコよくて印象的で結局よくわからんのであった。

  2. 1996年 「名探偵コナン」20周年を超えてまだ劇場映画が制作される人気アニメ。工藤新一は20年以上毛利蘭を騙し続けている。原作者は青山剛昌

  3. 1996年 「天空のエスカフローネ」ファンタジックな物語と菅野ようこと溝口肇の音楽がいい。特に「DANCE OF CURSE」は「カルミナ・ブラーナ: 全世界の支配者なる運命の女神 - おお、運命の女神よ」やスターウォーズの「運命の闘い」を彷彿とさせて神々しく印象的だ。サンライズ作品

  1. 1997年 「もののけ姫」タイトルを初めてみたのは書店だった。数年後発表された映画は、書店で見たものとは全く違うものになっていた。宮崎さんは「アシタカ聶記」にするつもりだったが鈴木さんが「もののけ姫」を押し通したことによるらしい。シシ神、タタリ神、ダイダラボッチ、コダマ、猩猩、タタラ場など古の香りがする言葉使いが物語のイメージを作っている。

  2. 1997年 「ワンピース」1000話を超え2019年に「あと5年で終わる」と作者が発表している。面白いけれど、ハラハラドキドキが続きすぎてついてゆけなくなってしまった。魅力的な登場人物が多く、悪役もイカしている。そんな中で一番好きなのはチョッパー。

  3. 1998年 「バガボンド」井上雄彦の描く宮本武蔵である。吉川英治原作となっているが、どこが原作なんだと言うぐらい脚色されている。例えば佐々木小次郎がおしなのには驚いた。とはいえ本筋は変わらず物語の展開は面白い、そして絵がうまい。いつ頃からか見かけなくなり話は途中である。どうやら休刊らしい。学生時代に発足し、後に設立した有限会社放浪社は英名がVAGABOND.co.ltdであった。

  1. 1998年 「カウボーイビバップ」粋な会話、クールでスタイリッシュで、おしゃれなストーリー。菅野よう子の音楽も生かしていた。さらに予告編がこれまたいい。サンライズ作品

  2. 1998年 「ピアノの森」森の端に捨てられたピアノをおもちゃ代わりにして育った少年がいた。そのピアノの鍵盤が異常に重かったために才能が開花し、ついにはショパンコンクールに駆け登る。音楽を題材にした漫画は面白いものが多い。原作者は一色まこと

  3. 1999年 「20世紀少年」子供時代に遊びで描いた「予言の書」が大人になって現実のこととなる。とても素敵だが、それが人類滅亡では大変だ。浦沢直樹もウイルスの蔓延と万博を予言した形になった。「20世紀少年」で江口寿史の影響を脱し彼らしい絵に変貌してゆく。

 1990年衛星放送時代が始まるが、1991年バブルが崩壊し失われた10年が始まる。湾岸危機、価格破壊、就職氷河期。1995年阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件が勃発。時代は混沌とし始める。1998年アニマックスが放送を開始し、24時間漫画が見れるようになる。

 

2000年代

  1. 2000年 「犬夜叉」高橋留美子の作品だ。半妖、四魂の玉、奈落、風穴、因縁そうしたキーワードとうる星やつらに負けないはちゃめちゃと、めぞん一刻を思わせるしっとり感を併せ持った秀作。コミックで最初から最後までじっくり楽しませてもらった。

  2. 2000年 「ハチミツとクローバー」暴力的な漫画が多い中、こんなに優しい物語がある。恋愛に不器用な大学生達の報われない恋模様や、自分の才能や生き方について迷う若者達の姿は我がことの如く何度でも見てしまう。原作者は羽海野チカ(うみのちか)

  3. 2001年 「千と千尋の神隠し」今までの宮崎作品とはちょっと雰囲気が違う。主人公が美少女ではなくなった。

  1. 2001年 「のだめカンタービレ」ゴミ屋敷のなかでピアノを弾いている写真の鮮烈なイメージがきっかけとなり生まれたという「のだめカンタービレ」クラッシックを面白く楽しく見せてくれた。原作者は二ノ宮知子

  2. 2002年 「鋼の錬金術師」錬金術という魔法が使える世界の物語。魂を鎧に定着させ空洞の鎧が意志を持って動いてしまう。奇想天外なダークファンタジー。R.O.Dも鋼の錬金術師も産業革命期のヨーロッパが舞台みたい。実際は技術的に未熟だった時代なのに、物語では技術万能になって・・・。原作者は荒川弘

  3. 2003年 「R.O.D」本が好きで仕方がない登場人物たち。本への愛の表現が一人一人面白い。そんな登場人物たちが紙を武器にとんでもない活躍をする。どこかレトロなスチームパンク的な世界観もなかなかで、いい加減な名前で奇想天外なストーリー展開は面白かった。原作者は倉田英之

  1. 2004年 「ハウルの動く城」倍賞さんの主人公がおばあさんになったり若くなったりして、でもちゃんと主人公だってわかる。キムタクのハウル。三輪さんが荒地の魔女。最後のシーンは宮崎映画に登場する幾つかのキスシーンの中の一つ。

  2. 2004年 「ファンタジックチルドレン」なかむらたかし原作日本アニメーション制作。なんとなくレトロで懐かしい雰囲気。背景を山本二三が手掛けていた。謎が謎を呼び結局なんだかわからない。

  3. 2005年 「交響詩篇エウレカセブン」スタイリッシュな絵柄とタイトルに惹かれる。エウレカ、サクヤ、ニルバーシュ、ヴォダラク、ゲッコーステイト、聞いたことがあるようでない言葉が飛び交い、わからないのに懐かしい気がする。しかして、今持ってどんな物語なのかわからない。分からなくても見たくなるというものが確かに存在する。原作はBONES(アニメ制作会社)

  1. 2006年 「化物語」西尾維新原作、イラストVOFAN。「馬鹿な掛け合いに満ちた楽しげな小説を書きたかった」作者。その通りに会話がとんでもなく面白いというか、異常かもしれない。

  2. 2006年 「キングダム」原作原泰久独特の絵に最初馴染めなかったが、話が面白くつい見てしまう。実写版映画も話題となった。

  3. 2006年 「コードギアス反逆のルルーシュ」サンライズ制作。他人に命令を強制できる力「ギアス」を手に入れたアンチヒーローの物語。結末に圧倒された。

  1. 2006年 「デスノート」名前を書いた相手を死なせることができるという死神の落とした「デスノート」。神がかった力を手に入れたらどうするだろう。現実にもしこの力が存在したら、独裁者は怖くて迂闊なことはできないだろう。神の如き力は世界に平和をもたらすように思えるけれど、一人の人間に背負わせるにはあまりにも荷が重い。原作者は大場つぐみ小畑鍵作画

  2. 2006年 「涼宮ハルヒの憂鬱」谷川流原作京都アニメーション作品。日常に不満を抱き非日常を望んでいるハルヒは無自覚のうちに超常現象を起こしていた。

  3. 2007年 「坂道のアポロン」素敵な音楽漫画。音楽を司る美しい太陽神アポロンが坂道にいる。そんなタイトルから、キラキラとした未完成な若さとか躍動感を感じる。ジャズを絵で表現できてる感じがいい。菅野よう子が音楽を手掛けて素敵な音楽シーンを見せてくれた。ところがよう子さんジャズは好きではないと公言しているらしい。原作者は小玉ユキ

  1. 2007年 「電脳コイル」原作磯光雄、キャラクターデザイン本田雄。現実世界に電脳世界の情報を重ね合わせて見せる「電脳メガネ」が普及した近未来の地方都市を舞台にした都市伝説がらみの物語。

  2. 2007年 「夏目友人帳」緑川ゆき原作。友人帳は妖が見え、周囲から孤立していた祖母が妖怪たちと勝負し、負かした結果、奪った名を集めた契約書の束だった。

  3. 2008年 「刻刻」原作梶尾省太。時間を止める「石」を巡る不思議な物語。

  1. 2008年 「崖の上のポニョ」宮崎さんらしい物語。おおらかで、温かい。いつもより絵が子供っぽい。溢れた海で泳ぐのは古生物達というあたりはなんとも見事で素敵だ。どうしてこんな物語が紡げるんだろう。感心してしまう。

  2. 2009年 「シドニアの騎士」どこか素朴な感じのするラインが好ましかったが、アニメになるとそこが削がれてしまったのが残念。「ラブコメ的日常と、それが明日なくなるかもしれない緊張感とのバランスが絶妙」と誰かが言った。上手いことを言うなあと思う。原作者は弐瓶勉(にへいつとむ)」

  3. 2009年 「東のエデン」「攻殻機動隊SAC」で異彩を放った神山健治のオリジナルストーリー。口をギュッと食いしばっている感じのキャラクターは「ハチミツとクローバー」の羽海野チカ。音楽はパトレイバーを手がけた川井憲次とお膳立てがいい。素っ裸で登場した主人公は、国を動かすこともできる力を与えられる。この力をどう使うか、ハラハラドキドキしながら一緒になって見ている側も気持ちが巻き込まれてゆく。物語としてとてもいい感じ、万人に勧められる。でもどんなだったか話そうとするとむつかしい。

 コンピューターの2000年問題が騒がれたが大きな問題は起こらなかった。2001年アメリカ同時多発テロ。2005年郵政民営化。2007年日本でもYouTubeが開始され懐かしいアニメ作品なども無料で見ることができる環境が整ってゆく。2008年日本でiPhone発売、リーマンショックによる世界同時不況の発生。2009年政権交代が起こり民主党政権が発足。混迷の時代になり、複雑なストーリーの物語が多くなった。

 

2010年代

  1. 2010年 「進撃の巨人」設定に圧倒され最初魅了された。でも事実が明らかにされるほど、わからなくなってゆく。そして暗く辛い気持ちになり見なくなってしまった。ダビンチの編集長が「分からないことだらけの圧倒的な絶望感の中で、主人公たちが生き延びるために戦い続けることに魅力を感じ、またそこにリアリティがあるため怖い。怖いものは面白い」と評した。原作者は諫山創(いさやまはじめ)

  2. 2011年 「昭和元禄落語心中」落語を題材にした漫画ってどうなんだろうとおもっていたら、これが面白い。「死神」はなかなかの見応え聞き応えで、声優って落語を語らせても上手くて、ひきこまれてしまう。原作者は雲田はるこ

  3. 2011年 「魔法少女まどか☆マギカ」

  1. 2012年 「暗殺教室」ふざけた主人公だが、暗殺とはうらはらの、生きるため、生かすための力をたっぷり見せてくれた。生徒が一斉に先生に銃を突きつけるシーンが思い浮かびそのシーンが成り立つための世界設定やキャラクターを当てはめていったと作者が語っている。ショッキングなシーンを思いついたところからよくここまで感動的な物語を紡げたものだと驚いてしまう。エンドテーマのHello,Shooting-starが好き。原作者は松井優征(まついゆうせい)

  2. 2013年 「風立ちぬ」宮崎さんが本作を最後に長編アニメ製作からの引退を表明した作品。実はまだまだ引退じゃなかったけれど、最後の作品だと思って意気込んで見たせいか、今までの宮さんの映画で得られたカタルシスがなかった。

  3. 2014年 「魔法使いの嫁」異質で怖いけれど、どこか癒しがある、不思議な物語。エンドテーマに流れた環-cycle-が好き。それにしても、人間ならざる異形の魔法使いエインズワースは何者だったんだろう。原作者はヤマザキコレ

  1. 2014年 「いぬやしき」余命宣告された冴えない老人がとんでもないことに。出だしが暗く面白そうではなかったのだが、気がつくとぐいぐい引き込まれ、最後に拍手してしまった。作者奥浩哉(おくひろや)はとても緻密な絵を描き、動かない絵で動きを見せようとした映像表現がすごい。残酷な表現が多く戸惑いを感じる。ただ同じ作者の「GANTZ」は最後まで見ることができなかったが、「いぬやしき」はどうなるのか見ずにはいられなかった。

  2. 2015年 「ゆるキャン△」キャンプの楽しさを教えてくれた。学生時代の山登りは、歩くことが主体だったから、ゆったり野営する楽しみを、改めて教えられた。富士山の見える湖畔にテントを立て、飯を食べ、珈琲を飲みたい衝動に駆られる。近所がロケ地になったのも嬉しかった。原作者はあfろ(あふろ)

  3. 2016年 「鬼滅の刃」主人公の直向きさに惹かれたが暴力的だ。途中から残酷さについてゆけなくなった。昔から残酷な漫画はたくさんあるのだが、歳をとり子供達は大丈夫か?と不安な気持ちになる。映像は素敵だった。技を繰り出す時の表現なんか見事だと思った。原作者は吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)むつかしー名前である。

  1. 2016年 「映像研には手を出すな!」会話が楽しい。今までありそうでなかった感じ。「壁の修理とか大変そうなのに率先してやってくれるなんて凄い。」と言う友人に「自分が楽しいからやっているだけで、作業が大変だとか頭の中にはありません。ドリルが使えるだけで楽しいし、はしゃぐんです。小学生が清掃時間に掃除道具入れに駆け寄るのも、一番綺麗なほうきが使いたいからで、掃除がしたいからじゃない。」と返す友人。という会話が気に入っている。原作大童澄瞳(おおわらすみと)

  2. 2016年 「約束のネバーランド」とんでもない状況に安住の地はあるのかと最初ハラハラ。ところが物語は不思議な展開をする。残念なのはアニメ版。次第にダイジェスト的になってしまった。白井カイウ(原作)、出水ぽすか(作画)独特の絵のタッチが好き。

  3. 2017年 「ブルーピリオド」見ていると絵を無性に描きたくなる。描く基礎を教えてくれて、描く楽しさを感じさせてくれる。芸大に合格するためにどんなことが必要なのかを少し覗かせてくれた。原作者は山口つばさ


  1. 2017年 「正解するカド」まずタイトルに首を捻り、物語の始まりに度肝を抜かれた。どうしても覚えられない「ヤハクィザシュニナ」と名乗る存在が、重力制御、慣性制御、質量制御を行える力を人類に与えようとする。どんどん引き込まれてゆくのだが、広げた風呂敷がうまくおさまらない感じで残念。原作は東映アニメーションということで個人の作品ではなく、プロジェクトチームが作った作品。不思議なタイトルの物語はかなりあるけれど、これはまた格別。物語を見てもいまだにわからん。

  2. 2018年 「呪術廻戦」とても暴力的で、破壊的、スプラッター要素満載だが、主人公の純粋な人を助けようとする気持ちは素敵だ。巧みな会話「女たらしめ!失礼だな純愛だ」とか、時々挟まれる繊細な心のうちを感じさせる抒情的なシーンが美しい。不思議な異世界に引き込まれてゆく。エンドテーマの「give it back」もいい。原作者は芥見下下(あくたみげげ)

  3. 2019年 「スパイ・ファミリー」殺し屋のヨルさんは天然ボケ具合が魅力的。スパイと、超能力者と、殺し屋の物語は、殺伐としそうなのにほのぼのとしている。心の声が溢れ、うわべの姿とのギャップが面白い。現実の生活も実はこんなふうに、思っていることと、うわべがずれているんじゃないかと思うと複雑な気持ちになる。原作者は遠藤達哉

 2011年東日本大震災。地上デジタル放送へ完全移行。2012年東京スカイツリー開業。2015年TVerサービス開始でTV番組がネットでいつでも見ることができる環境が出現。2016年マイナンバー運用開始。YouTuberが仕事になり、インフルエンサーによるマーケティングが注目を集める。

 

2020年代

  1. 2020年 「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」心に響く。京アニのアニメーションは美しい映像と音楽に溢れていた。伝えたい気持ちは飾らない言葉でいい。そんなことを感じて「ツバキ文具店ー鎌倉代書屋物語」を思い出した。原作者は暁佳奈(あかつきかな)

  2. 2021年 「竜とそばかすの姫」中村佳穂さんの歌うグルーブ感ある音楽に引き込まれた。とにかく、そばかすの姫が歌うシーンが大好き。すごっくいいと思ったのだが、彼女のオリジナル曲があまりに違うのに驚く。

  3. 2021年 「ましろのおと」音楽作品。津軽三味線を演奏する若者がかっこいい。アニメは演奏シーンに見惚れてしまう。原作者は羅川真里茂(らがわまりも)調べなければ読み方も分からなかった。

  1. 2021年 「異世界おじさん」原作者の名前が「殆ど死んでいる」らしいのだが・・・。異世界ものが近年多く感じる中、着想と進行が独特で、今までになかった感じが面白い。

  2. 2022年 「リコリスリコイル」犯罪を未然に防ぐ秘密組織の少女部隊。銃弾を見切ることができる殺しの天才少女。聴覚で物や人の位置を把握できる悪党。ハードでスタイリッシュで時たま呑気。A-1Picture制作。キャラクターデザインいみぎむる。

  3. 2022年 「チェーンソーマン」何という発想だろう。あたまからチェーンソウが生えている。ジャパニーズアニメは残酷さやいやらしさにリミッターがないようだ。どこへ向かっているのだろう。大丈夫か?異常な感じがするけれど、青年期の原始的で欲望的な感情を思い起こされ、どこか真実をついている。原作者は藤本タツキ。

 2020年新型コロナによるパンデミック勃発。2022年ロシアがウクライナ侵攻を開始。AIの躍進が際立ち人工知能チャットボットChatGPTが登場。アメリカに陰りが見え、中国が躍進、世界の二極化が進む。日本は人口減少問題と超高齢社会が到来。

 

好きになれない漫画もあった


  1. 1976年 「こちら葛飾区亀有公園前派出所」2021年に『ゴルゴ13』に抜かれるまでは「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定されていた。長寿漫画で人気があるようなのだが、全く見ないわけではないのだが、積極的に見ようとしなかった。

  2. 1979年 「キン肉マン」やっぱり絵の好みが合わなかった。

  3. 1986年 「ジョジョの奇妙な冒険」2006年の文化庁による文化庁メディア芸術祭10周年記念アンケート企画、「日本のメディア芸術100選」にてマンガ部門で2位に選ばれている。2009年ルーブル美術館で荒木飛呂彦の原画展が開催さるなど海外でも人気が高い。しかしなぜか読む気になれなかった。絵に拒否反応があるようなないような。内容に興味が持てないようなそうでないような。

  4. 1990年 「スラムダンク」井上雄彦の「バガボンド」は読んだが、「スラムダンク」は読む気になれない。「黒子のバスケ」は面白いと思ったから題材としてのバスケットに興味が持てないわけでもなさそうだ。

  5. 1999年 「NARUTO」フランスで最も人気が高い漫画らしい。全くの食わず嫌い。「ONE PIECE」は嫌いではないが、「NARUTO」には触手が向かなかった。


食わず嫌い

  1. 2004年 「銀魂」

  2. 2014年 「僕のヒーローアカデミア」

  3. 2017年 「東京卍リベンジャーズ」

 

客観的データ


 2021年、公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所の発表によると、日本のマンガの推定販売額は、紙媒体と電子媒体を合わせた総額で前年比 10.3%増の6759億円。単行本新刊点数は13,420点で過去最高だったらしい。かくもたくさんの作品が誕生している中で、ここで取り上げた2021年の作品はたった3作品のみ。知らない作品がいかに多いことか。


 絵柄やコマ割りの繊細さ、ストーリーの面白さは日本独特のものがあるらしく、世界でも評価されている。作品の多様性は驚く。

  1. 学園漫画 ハチミツとクローバー

  2. ギャグ漫画 天才バカボン

  3. ファンタジー漫画 天空のエスカフローネ

  4. ダークファンタジー漫画 鋼の錬金術師

  5. SF漫画 鉄腕アトム

  6. ホラー漫画 猫目小僧

  7. 恋愛漫画 ケイの凄春

  8. ラブコメ漫画 うる星やつら

  9. スポーツ漫画 巨人の星

  10. 音楽漫画 ピアノの森

  11. 格闘漫画 北斗の拳

  12. 推理漫画 名探偵コナン

  13. 伝記漫画 ブッダ

  14. 少女漫画 リボンの騎士

 整理しようと試みたがどうにもうまく整理できそうにない。価値観もさまざまで、面白いし、エネルギッシュで、モラルを振り切り、エッチで、辛辣で、暴力的で、深淵で、千変万化のテーマには目がくらむ。

 

追記


 漫画に関わる思いを書こうと思った。たくさん描いてきたが、まだ十分ではないようだ。ここで語りきれない思いを、別のアングルで描いている。

  1. 手塚治虫」と「宮崎駿」は別に集めた。

  2. 時代を「サブカルチャー」を通じて俯瞰した。

  3. 漫画の国」日本についての考察。

  4. 漫画ではなく小説についての考察「忘れがたい物語」。


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2 Comments


napple
napple
Apr 28

2024/4/29


2024年のアニメ

  1. ブルージャイアント:観たいと思っていた。ついに見ることができた。そういう意味では期待が大きくハードルが高かったのだが予想を超えて良かった。演奏シーンが魅力的。

  2. ダンジョン飯:絵がイマイチ。でもシチュエーションが面白い。一体どんな飯かと思ったら、倒したモンスターを食べてしまう。しかも美味しそう。主人公はトンマな純粋野郎。

  3. すずめの戸締り:観たかった。期待以上に良かった。映像の美しさ、ストーリーの面白さ、エンディングの納得感。

  4. 怪獣8号:オープニングから掴まれてしまった。怪獣の後始末+モナーク。ど根性。カッコ悪い主人公。

  5. 勇気爆発バーンブレイバーン:圧倒的な不利。シリアスとコミカル。なんなのこれ。よくわからん。ズレてる。こいつもカッコ悪い主人公。



 最近の主人公は、どこかとぼけている。いやかっこよくない。そして変人がおおい。そこがまたなんともいい。

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napple
napple
Apr 28

2024/4/28


2023年のアニメ

  1. 推しの子:タイトル的に「推し」がそもそも趣味じゃないと撥ねていた。しかしYOASOBIの主題歌が気になってついつまみ食いしたらハマってしまった。主人公かと思ったら死んじゃって、芸能界の暗部が語られるかと思いきや、暖かいものが一言一言に溢れていた。

  2. 青のオーケストラ:音楽もののときめきがあったが、終わりに近づくほどだれて惜しい。

  3. シャングリラ・フロンティア:最初面白かったが戦闘ばっかりで飽きてしまう。

  4. 葬送のフリーレン:最初面白くない。ところが徐々に引き込まれ、ついには毎回ドキドキ、ほっこりしてしまう。

  5. MFゴースト:最初っから引き込まれた。相変わらずレースの見せ方が上手い。頭文字Dとの繋がりも嬉しい。

  6. 薬屋のひとりごと:舞台設定に最初戸惑いながらすぐに馴染んでしまう。謎解きも面白いが、主人公の変人ぶりが可愛い。





 2023年のアニメは豊作だった。「推しの子」「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」3作はストーリーの新鮮さに魅了され音楽にも惹かれた。「MFゴースト」はストーリーとしては二番煎じながらも、次がどうなるのか待ち遠しい作品だった。

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