2023/2/16
夢枕獏との出会いは「陰陽師」だった。
私が出会った夢枕獏の作品。
1988年 陰陽師
1989年 上弦の月を喰べる獅子
安倍晴明の物語は、幼い頃父がスライド映写機で見せてくれた「葛の葉狐」が最初の出会いだった。BGMにベートーベンの「月光」が使われていたため、幼い頃は「月光」を「葛の葉狐」のテーマと思い込むほどに、印象の強かった物語だった。成長して幼い頃の記憶を手がかりに「葛の葉狐」をもう一度見たいと探し「陰陽師」を見つけた。しかしそこに幼い頃見聞きした物語は登場しない。その後映画にもなり、陰陽師という生業と、稀代の陰陽師士安倍晴明が一般的になり、葛の葉狐の影は薄れていった。そういった意味で、夢枕獏は期待外れだったのだ。名前が素敵なので期待した分、期待したものではなかった落胆があった。それを挽回したくて「上弦の月を喰べる獅子」を読むのだが、その後読んでいないところを見ると。そういうことだったのだ。
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