2023/2/18
江戸川乱歩に出会ったのは「江戸川乱歩傑作選」だった。
私が出会った江戸川乱歩の作品
江戸川乱歩傑作選
1923年 二銭銅貨
1924年 二癈人
1925年 D坂の殺人事件
1925年 心理試験
1925年 赤い部屋
1925年 屋根裏の散歩者
1925年 人間椅子
1926年 鏡地獄
1929年 芋虫
日記に綴られた江戸川乱歩にまつわる思い。
1995年8月30日
江戸川乱歩の短編集を読んでいる。米さんが推薦した本だ、なるほど楽しい。一つの事件を誰かが明快な推理で解決する。まさにそうなのだと思わせるのだが、もう一人が現われて全く違った推理をしそれこそが本当の結果だったという形(どんでん返し)、一つのスタイルと言ってよいだろう。それもミステリアスで奇怪でつい引き込まれてしまう。文体は少し古く江戸弁というのだろうかだがすぐに慣れてしまう。本文にもある通り「・・の雄弁な話振りを聞いていますと、それらの犯罪物語は、まるで、けばけばしい極彩色の絵巻物のように、底知れぬ魅力をもって・・の眼前にまざまざと浮かんでくるのでした」とは乱歩の作品その物のことを言っているようである。そして犯罪というダークな側面を扱っているにもかかわらず、謎解きを主体とすることで能天気なまでに明るい大らかさを形成しており、ダークで破壊的なパワーは感じさせない救いがある。
明智小五郎、怪人二十面相、少年探偵団。懐かしい。子供時代の学習雑誌や、テレビドラマ、いろいろなところで馴染んできた江戸川乱歩作品。明智小五郎もの以外では「二銭銅貨」の謎解きが面白かった。そして極付は「人間椅子」のエログロナンセンス。
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