2023/5/18
川村元気とのであいは「四月になれば彼女は」だった。
私が出会った川村元気の作品。
2016年:四月になれば彼女は
2019/8/18 星三つ、特に感想はなかった。
2023/11/26
感想がなかったのではなく何も書けなかったのだ。自分の感情を直視する気持ちになれなかった。サイモンとガーファンクルの同名曲の美しい調べと、映画「卒業」の切ない物語が想起されこの本を手にしたのだ。ところが期待した物語とは違っていた。婚約している男性の元に昔の彼女から手紙が届き、婚約者は家出をしてしまう。ハッピーエンドで終わるけれど「今一緒にいる人を本当に愛しているの」と問いかけられ、不穏な予感をはらんで寂しさがやってくる。
かつて愛していることを疑わなかった時代があった。でも愛そうとしていただけだったのかもしれない。自分には愛はなかったのだと現実を突きつけられ、愛することに自信をなくしてしまった者にとって、とって付けたようなハッピーエンドに思えたのだ。永遠に続く愛はないのだろうか。愛し続けることはできないのか。世のすべての伴侶たちはどうやって一緒に居続けているのだろう。答えを見出せなかった者には残酷な物語だ。
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