2023/2/15
矢野徹との出会いはロバート・A・ハインライン「宇宙の戦士」の翻訳だった。
私が出会った矢野徹の作品。
1963年 人間以上(シオドア・スタージョン著)翻訳
1969年 月は無慈悲な夜の女王(ロバート・A・ハインライン著)翻訳
1970年 カムイの剣
1972年 デューン砂の惑星(フランク・ハーバート著)翻訳
1977年 悪徳なんかこわくない(ロバート・A・ハインライン著)翻訳
1977年 宇宙の戦士(ロバート・A・ハインライン著)翻訳
1978年 愛に時間を(ロバート・A・ハインライン著)翻訳
1984年 獣の数字(ロバート・A・ハインライン著)翻訳
1988年 ウロボロス・サークル(ロバート・A・ハインライン著)翻訳
矢野さんにはずいぶんお世話になった気がした。でもオリジナル作品は「カムイの剣」を読むにとどまっている。改めて調べるとハインラインやハーバート、スタージョンの翻訳で出会っている。どうりで彼と出会っている気がしながら、いまいちピンとこなかったわけだ。残念な気がしたのはハインラインで一番好きな「夏への扉」が矢野さんの翻訳でなかったことだ。「夏への扉」は面白いが文体が古臭い。矢野さんの翻訳だったらもう少し読みやすかったのではないかと思ったわけだ。
矢野さんは海外SFファンの第一号と言われ、日本のSF黎明期に多くの翻訳を残している。彼の翻訳で出会った作品はSFばかりだったから、彼の原作小説が冒険時代劇だったことは意外だった。また「ウイザードリィ」に熱中し、その顛末を「ウイザードリィ日記」に書き上げている。ウルティマ奮戦記「EXODUS:ULTIMA3」を書いたものとして親しみを覚える。
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