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執筆者の写真Yukihiro Nakamura

珈琲考 第5回

更新日:2021年6月21日


 巷の味の表現って大袈裟な気がする。とりあえず5回目のまとめ。


もやもやすること

  • 「弾けるジャスミンのようなテイストから始まり、そしてよりフルーティなフレーバーに進展、深いコクもある」などと言われても、どう言うことかわかりにくい。かすかにそんな風味があるかなと思いつつ、これがそういうことなのと、首を傾げる。珈琲の味や風味を別のもので表現する方法が果たして分かり易いだろうかと疑問に感じる。特に「チョコレートや蜂蜜のよう」と言う甘さの表現は納得し難い。

  • フルーティーとは酸味がある、後味がすっきりしている、紅茶のようと言うようなことを言い、コクがあるとは油分が多いとか、苦味が強い時に使うようだ。酸味とか苦味という言葉にネガティブなイメージがあり、フルーティーなどの言葉で表現するようになったらしい。最初に提唱された意見が通り、表現は定着してしまったのだ。

  • 珈琲を選ぶとき頼りになるのが説明書きである。珈琲を飲む時も説明書を念頭に味見して、確かにナッツの香りがするとか、花の香りがするなど、これがそう言うことかと味わう。説明書きのような味や風味が感じられないと、自分はまだまだなのだと恐れ入る。でも飲み比べる数を増やすほどに、オヤっと思う。味の差はとても繊細で、ロットや焙煎違もあるだろうが、説明書きの味を感じないことは多い。

  • きらびやかでゴージャスな説明書きは、飲んでみたいと言う欲求を刺激するから、珈琲の販売には大いに効果があるところだが、どれほどの人がその言葉を納得しているだろう。そもそも珈琲の味や香りを別のものの味や香りで代弁させること自体変な感じがする。珈琲そのものの味の表現ってできないものだろうか。今の表現方法がそこら中で使われているのは、大勢がこれがベストだと思っていることになるけれど。それにしても、言葉と味の差は大きい。

  • 珈琲の味を自分が誰かに伝えようとした場合、結局似たようなことを言うことになると思う。ほかの表現方法が見当たらない。珈琲の美味しさを伝えたいと思えば思うほど、いろいろな修飾語をつけてしまう。もやもやする。


味見の一連のこと

  • 1口目を口に含む、苦い、酸い、甘い、大方この3種類のいずれかがやってくる。

  • 香りを嗅ぐのを忘れていたことに気付くが、すでに香りに麻痺していてわからない。

  • 2口目を口にして、別の味を探す、苦味の奥に甘味があるとか、酸味はないとか思う。

  • 3口目を口にして、ほかの味はないかを探り、コクがあるとかすっきりとかを思う。

  • 4口目を口にして、ようやくこの珈琲はこんな感じだと納得させる。

  • 5口目からはもう味を探ることをやめ、ただごくんと飲む。


美味しさのこと

  • 珈琲の味は地域でかなり似た傾向がある。例えばアフリカは甘く、南米は苦い。

  • 同じ豆も焙煎で味が変わる。浅煎りは酸味、中煎りは中庸、深煎りは苦味傾向。

  • 品種による違いは、ゲイシャ種が顕著に違いを感じる。

  • 珈琲の味は、違うといえば違うし、違わないといえば違わない。

  • 珈琲には、美味しい珈琲と、そうでない珈琲がある。

 珈琲の味の違いは好みの違いで、どれが一番とか言えない。とにかくおいしい珈琲を飲みたい。新鮮で焙煎してから香りが一番良い時期に、飲む直前に挽いて淹れた珈琲がおいしいのは間違い無いが、どこでどんな状況で飲むかも大きなファクターだ。煮詰まった珈琲でさえ、美味しく感じるシチュエーションはある。コーヒーは嗜好品なのだと独りごちる。


評価一覧

  1. TM:トラジャ・ママサ

  2. MH:モカ・ハラー(モカ)

  3. BL:ブルー・リントン(マンデリン)

  4. BR:ブラジル

  5. GT:ガテマラ

  6. PM:ニカラグア・パカマラ

  7. HK:ハワイ・コナEXファンシー

  8. BM:ブルーマウンテンNo1

  9. CG:コロンビア・クマラル(ゲイシャ)

  10. PG:パナマ・エスメラルダ(ゲイシャ)

  11. KL:コピ・ルアク

  12. CS:コロンビア・スプレモ

  13. PE:ペルー・オーガニック

  14. BR:ブルンジ・ルバガバガ

  15. EM:エメラルドマウンテン

  16. KM:ケニヤ・マサイ

  17. JR:ジャバ・ロブスタ

  18. TK:タンザニア ・キリマンジャロ

  19. TT:タンザニア ・タメリ(キリマンジャロ)

  20. IM:インド・モンスーン

  21. EA:エクアドル・アンデスマウンテン

  22. EL:東ティモール・レテフォホ

  23. NS:ニカラグア・サンタナ

  24. CS:コスタリカ・セントタラス

  25. MH:メキシコ・ハニーオアハカ

  26. RS:ルワンダ・スカイヒル

  27. EI:エチオピア ・イルガチャフィー(モカ)

  28. EG:エチオピア ・ゲラ

  29. CP:コロンビア・ポパヤン

  30. BK:ブルンジ・カヤンザ

  31. CA:カスカラ

 おうちカフェを発動してからテイスティングノートをつけた一覧。30種類+1。総合得点が高いもの=美味しい珈琲となるよう試みたのだが、そうはならなかった。

 もう一度飲みたい珈琲のNo.1はパナマ・エスメラルダ農園のゲイシャである。母もまた飲みたいと言っている。コロンビアの豆とロブスタ種は常設したいと思っている。とはいえ、いずれの珈琲豆も迷うばかり。数種類ストックして適当にローテションできればこんな幸せなことはない。珈琲専門店やスタバやブルーボトルの珈琲に負けないくらい美味しい。そもそも試したどれ一つとして美味しくない珈琲はなかった。でも、その美味しさを語る言葉はまだ見つからない。

 

今後の計画


 試したい事やりたい事は尽きない。

  1. 喫茶店を振り返る

  2. ナイトロ コールドブリューを試す。

  3. Hamamatsu Local Coffee Fes.に行く。

  4. 濃度と収率と味の関係を探る。

  5. インスタントを飲み比べる

  6. デカフェを試す

  7. 代用珈琲を試す

  8. 日本産の珈琲を試す。

  9. ブレンド、バリエーション珈琲、ラテアート・・・

ベネズエラの珈琲が見つからない。流通していないのだろうか。


おうちカフェ特製誕生祝いセット

 

追記


 巷はニュースに溢れている。2019年秋

  • 2019年に行われた調査によると、野生種のコーヒーのうち60%が、森林伐採や気候変動、菌類病原体や害虫の悪化によって絶滅の危機にあるという。

  • ミャンマーで「ジーニアス・珈琲」を展開する珈琲メーカー、アウン・ネイ・リン・トゥンは東南アジア諸国連合(ASEAN)ビジネス・アワード2019で「持続可能な社会的企業」賞を受賞した。

  • ベトナム産の珈琲豆の輸入量が急増し、ブラジルに肉薄する勢いだという。

  • 2019年11月1日有楽町にゲイシャ珈琲専門店GESHARY COFFEE(ゲシャリー珈琲) 日比谷店がグランドオープンした。

  • Atomoは、世界初の人工珈琲を実験室で発明したという。栄養価や風味、そしてカフェインなど、本物の珈琲の良いところをすべて再現していると話した。

  • 2017年末に創業、アプリでしか注文できず、デリバリーでの営業が基本というLuckin Coffee(ラッキン珈琲)が中国で爆発的なスピードで成長している。

  • シェフでタレントでもある、アルトン・ブラウンによると、珈琲に塩を入れると、珈琲の苦みを減らすだけでなく、貯水タンクからの水のかび臭さも取り除いてくれる。

  • FrankOneは、クラウドファンディングのキャンペーンに成功して販売が開始された珈琲メーカーだ。今まで、コロンビアで珈琲メーカーを作った人はいなかった。FrankOneの名称は、コロンビアで初めてコーヒーの貿易を行ったフランク・デ・パウラ・サンタンデルにちなんでいる。上から挽いた豆を入れて、お湯を注ぎ、ちょっとかき混ぜて、好みに応じて30〜50秒後にボタンを押す。するとポンプが起動して、メッシュフィルターから下に押し出し珈琲ができる。クローバーに似ている。

  • 珈琲と日本茶を掛け合わせた「コーヒーチャ(珈茶)」猿田彦珈琲の超限定メニューがある。

  • ローソンが、2019年10月22日から全国で展開していく新たな珈琲では、焙煎の方法を見直し、リニューアルした珈琲をより良く楽しんでもらうため、ホット珈琲専用の“ふた”を新たに開発したという。今回のリニューアルでは「香り」を重視。

  • つらい失恋をやわらげるための、まるで処方箋のようなアイテム失恋珈琲誕生。人気珈琲店による絶品珈琲と、佳作エッセイを組み合わせたセット。

  • 2022年AGFが鹿児島・徳島の国産珈琲を発売するらしい。


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