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執筆者の写真Yukihiro Nakamura

東ティモール・レテフォホ

更新日:2020年2月15日

 東ティモールは2002年インドネシアから独立した新しい国だ。珈琲栽培は古くポルトガル統治時代から続き唯一の輸出品でもある。今回入手したのはPWJ:ピースウィンズジャパンが管理委託するサスティナブルなスペシャリティー珈琲だった。


豆について

  1. 国名:東ティモール民主共和国

  2. 地域:エルメラ県レテフォホ

  3. 精製:ウォッシュド・100%天日乾燥

  4. 品種:アラビカ・ティピカ他

  5. クロップ:2018-2019/16UP

  6. 収穫時期:5月〜9月

  7. 標高:1450〜1850m

 東ティモール最高峰ラメラウ山をのぞむ山の中腹にレテフォホ村がある。一時期珈琲農園は手入れができず荒れ果て、ジャングルに戻ってしまったが、世界各国のNGOが援助を開始しフェアトレード珈琲として復活した。日本のNGO PWJも、2003年から珈琲生産者支援を開始。8世帯から始まった取り組みも今では400世帯近くにまで広がっている。それまで東ティモールの生産者たちは、珈琲の品質管理という概念がなく、自然のまま木についている赤い実を摘み取り、仲買人に売るだけだった。PWJはただ摘み取るだけでなく、チェリーの選別からパーチメントまでのプロセシング技術を伝えた。強い個性はないが、穏やかな自然の甘味と上質でクリーンなカップが「レテフォホ」の最大の魅力である。

 フェアトレードとは、貧困に苦しむ発展途上国の人々の手による生産物を、市場価格の変動によらず、公正な価格で長期間にわたって安定的に買い取り、生産者の自立を支えることを目的とした、国際的な運動スローガン。

 

結果


EL:東ティモール・レテフォホ

  1. 自家焙煎の中煎り、中挽き、焙煎2日目。

  2. 豆を挽くとナッツの香り

  3. コーノ式で飲む

  4. 蒸らしの膨らみはよく膨らんだ

  5. 一口飲むと甘味と苦味がやってくる

  6. 喉越しは思いの外複雑で、酸味は少ない

  7. 苦味にロブスタに似た感じがある。

 東ティモールが独立前のインドネシアにはTM:トラジャ・ママサ、BL:ブルーリントン(マンデリン)、CK:コピ・ルアク、JR:ジャワ・ロブスタなど多彩な珈琲がある。

 今まで飲んだテイスティングノートを見ると同じインドネシアの珈琲でも随分味が違っている。インドネシアはたくさんの島国で、珈琲も島によって味が違うのだろう。東ティモール・レテフォホもインドネシアの珈琲とは違う味だ。

 

追記


 ハイブリド・デ・ティモールまたはティモール種と呼ばれる品種がある。ロブスタ種とアラビカ種の自然交配種で、さび病耐性が高いので、東ティモールでさび病が蔓延したときにも生き残った品種だ。ロブスタとアラビカのハイブリットはどんな味だろう。そんなことから東ティモール産の珈琲を飲みたいと思ったのだ。惜しいことに今回入手できたのはアラビカ・ティピカでハイブリッドではなかったが、いつか味わってみたい。



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