なんだか危険な響きのする名前だが、ここで言うニトロとは、窒素ガスのことで、窒素ガスを封入した珈琲をニトロ珈琲、ナイトロ珈琲、窒素珈琲、ドラフト珈琲などと言う。黒ビールのような風合いと、まろやかな口当たりを試す。
ニトロ について
ニトロ珈琲の技術は、ギネスビールの技術を珈琲に応用している。窒素は二酸化炭素より溶ける率が低く、過度に泡立つことなく高気圧状態に保つことができる。この特性を利用して、コールドブリューコーヒーに窒素ガスを加えることで、まろやかな口あたりとクリーミーな味わいが生まれる。
ニトロ珈琲は、2012年アメリカ・ポートランドのコーヒーロースター「Stumptown Coffee社」が、ニューヨークのカフェ向けに缶入りのドラフト珈琲を販売し、サードウェーブ系で話題となったことから始まった。2016年スターバックスが全米500店で限定発売をしたのを機に大ブレイク。2019年日本でも飲めるようになった。
スターバックスではナイトロコールドブリューコーヒーといい、浜松では唯一浜松城公園店で飲むことができる。平日でも大勢のお客がいて、結構ナイトロを頼む人がいる。バリスタがにこやかに珈琲をグラスに注ぎながら「ナイトロ はよく飲まれるのですか?」と聞くので「初めてです」と答えると「淹れたてをすぐに飲んでみてください」とアドバイスしてくれた。早速グラスを口にすると、クリーミーな泡に包まれほんのり甘い珈琲が口中に広がった。
使用した機材
MOSAナイトロ コーヒーメーカー
MOSAナイトロコーヒーメーカー用 窒素ガスN2カートリッジ
ハリオフィルターインボトル
仕様
ナイトロコーヒーメーカー
ボトルサイズ:直径95×高さ214mm
ボトル重量:688g
耐冷温度:0℃
耐熱温度:70℃
耐圧:19気圧
使用満水量:500ml
N2カートリッジ
材質:スチール
内容物:窒素ガス(N2)(E941)
容量:10.4ml
重量:約24g(窒素 約2g)
耐冷温度:1℃
耐熱温度:50℃
MOSA モサ(Mosa Industrial Corporation)は、台湾に工場のある会社組織で、 自動車のエアバッグ用部品とソーダーメーカー、高圧ガスボンベの世界的大手メーカーである。ナイトロ コーヒーメーカーは多くのメーカーが出しており、ドラフトビールが出て来そうなものもある。そんな中で自宅で一人で味わうのにちょうど良さそうなのがMOSAだ。
モサという音から、モササウルスを連想するのだが、モササウルスはマース川のトカゲという意味で、マース川というのはフランスの川らしい。なぜ台湾のメーカーがモサというのか、興味があるが、まだわからない。
使用した豆
タンザニア・キリマンジャロAA+VSP深入り中挽き20g
最近は毎日のように、ハリオフィルターインボトルで水出し珈琲を作り冷蔵庫で冷やしている。おかげでペットボトルなど市販のリキッド珈琲は買わなくなった。今回のナイトロコールドブリューにはこの水出し珈琲を用る。
ニトロの入れ方
コールドブリューを作っておく
500mlのコールドブリューをボトルへ入れる
N2窒素ガスカートリッジを装着
ねじ込んで窒素を充填
10〜15回程度しっかりボトルを振る
ボトルを逆さまに持ちノズルをグラスの縁にあてる
ゆっくりレバーを引いて注ぐ
後始末
洗うところが多い
N2カートリッジの処分が面倒、使用済みを不燃ゴミに
結果
見かけは黒ビールという感じじゃないかな
一口めはクリーミーな滑らかさ
甘さも少し感じる
コールドブリューより柔らかい感じ
キメの細かい珈琲の泡は口当たりが滑らかになり、甘味を感じさせる。スターバックスと豆や焙煎度合いが違うけれど、ナイトロコールドブリューコーヒーと遜色ない珈琲ができた。自宅でナイトロが飲めるのは嬉しい。
母にはミルクとガムシロップを入れたナイトロカフェオレを淹れる。「テレビで見たことがある、肌の艶が良くなるんだよ」と喜んでくれた。昔、大阪万博でアイス珈琲を飲んだことを思い出したり、色々話題に欠かさない珈琲となった。
追記
時間が経つと泡が消えてしまうので、淹れたてが1番の珈琲だと思うのだが、スターバックスでナイトロを持ち帰る人がいた。持ち帰った人は、氷無しのアイスコーヒーになってしまっているのではないだろうか。
MOSAのナイトロ コーヒーメーカーはもちろんビールに用いてもいい。キメの細かい泡のビールが飲める、その他にもグリーンティーや紅茶などいろいろな飲み物で利用できる。毎回N2カートリッジ使い切りなので、500mlを一気に飲むことになる。またN2カートリッジが切れると作れないし、安くない消耗品なので、頻繁には飲めない。
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