デカフェを試す。
デカフェとは
本来カフェインを含んでいる飲食物からカフェインを取り除いたり、通常はカフェインを添加する飲食物にカフェインの添加を行わないことで、カフェインを含まなくなったもののことを指す。ディカフェ、カフェインレス、カフェインフリーとも呼ぶ。単に「デカフェ」と呼ぶときには特にカフェインレス・コーヒーを指すことが多い。それ以外のカフェインを含む飲み物で、例えば茶やコーラなどにもデカフェのものが製造されている。
デカフェの製造法
基本的にはカフェインが比較的脂溶性が高いという性質を利用して抽出するものであり、水抽出法の場合も一旦、水に抽出された成分の中からカフェインのみを選択的に抽出除去する方法が採られる。
有機溶媒抽出:1906年にドイツで開発された、世界最初の脱カフェイン法である。蒸気で膨潤させたコーヒー生豆を抽出槽に充填し、そこに有機溶媒を通してカフェインを抽出する。十分な水分の存在下では、水と有機溶媒との間で成分の分配が起こるが、カフェインが比較的疎水性が高いため有機溶媒側に多く分配されることを利用して、選択的に抽出除去を行う。
水抽出:1941年に開発され、翌々年の1943年にはアメリカで特許取得されている。コーヒー生豆を充填した槽に水を通してカフェインを水溶性成分ごと抽出し、続いてこの抽出した水相から有機溶媒でカフェインを抽出除去する。カフェインを除いた後の水相は、残留する有機溶媒を除いた後で再び生豆の槽に循環され、有機溶媒で抽出されなかったカフェイン以外の水溶性成分が再び生豆に戻される。
超臨界二酸化炭素抽出:1974年に開発された、超臨界流体の状態にした二酸化炭素でカフェインを抽出するもの。比較的新しい方法である。
カフェインレスコーヒーノキ:脱カフェイン法では風味の損失が問題視されていることから、これに替わる方法として最初からカフェインを含まないコーヒーノキを育種する試みがなされている。
遺伝子組み換え:遺伝子組み換えによるカフェインレス・コーヒーノキは、2003年に奈良先端大の佐野浩教授らのグループによって初めて作製された。遺伝子工学の手法を用いて、カフェインの合成に必須なテオブロミン合成酵素の発現を抑制するようにデザインしたsiRNAを、アグロバクテリウムを使ってコーヒーノキに遺伝子導入することで、カフェインとその前駆体になるメチルキサンチン類の合成を抑えた。
育種:従来通りの交配による品種改良でカフェインレス・コーヒーノキを作ろうという試みも古くから続けられていたが成功例はほとんどなかった。しかし、2004年にブラジルのファズオリらの研究グループが1987年から継続していた品種改良によって、0.076%(生豆乾重量中)という極めてカフェイン含量の少ない品種の作製に成功したことを報告した。
日本では90%以上カフェインを除去した珈琲をデカフェまたはカフェインレスと呼ぶことが出来る。(Wikipedia参考)
実験
「カフェカルディ・ドリップコーヒー 有機デカフェ・エチオピア・モカ」で、デカフェとはどんなものかを実感しようと思う。注目点は風味と味である。
KD:カルディ・デカフェ珈琲について
生産国:エチオピア
種類:有機デカフェ・エチオピア・モカ
内容量:10g
焙煎:やや深煎り
挽き方:中挽き
方式:カルディ・ドリップ
賞味期限:2020/10/9
販売者:株式会社キャメル珈琲YA2
パック:窒素ガス充填パック
デカフェの方式:薬品を使わず天然水でカフェインを抜く技術を採用
結果
自家焙煎したエチオピア・イルガチャフィー(EI)、インスタント珈琲11種、コンビニ珈琲3種と比べた。
封を開けると、やや酸味のある発酵臭がする。
モカ香なのか判然としないが、特徴的な香りだ。
お湯を注ぐと、その香りはさらに強くなった。
味はエチオピア のモカだと知らされているせいか、そんな味だと思うのだが、苦味・甘味・酸味が渾然一体となり、ちょっと渋み・えぐみがある。
カフェインレスであることはわからない。
冷めると酸味が強くなり、喉越しに薬品ぽさを感じるのは気のせいだろうか。
追記
珈琲を飲んだから眠れないとか、飲んだからシャッキリしたということはない。だから、自分はカフェインの影響をあまり受けないのではないかと思っている。あえてカフェインレスの珈琲を飲む必要はないのだが、デカフェがどんな味なのか興味がある。デカフェの製造法を見ると物々しい感じがするし、今回のデカフェは薬品を使っていないが、有機溶剤に漬けたものなんか飲めるのだろうかという思いもある。風味はどうなっちゃうんだろうと興味津々、不安半分だった。さて、実際に飲んでみると、薬品は使っていないというのだがちょっと薬臭い気がする。それはデカフェだと知って飲むからで、知らなければ気が付かずにいるだろう程度のことであった。
ここ数日コンビニ珈琲やインスタント珈琲、デカフェ珈琲などを飲み比べているが、自己流のテイスティングシートでは優劣を示せない。それほど違いがないと言うことにもなるが、実際の感触では、やっぱり、焙煎して風味の良い時に淹れた珈琲が美味しい。のではあるが、だからと言って、やっぱり優劣はつけられない。珈琲の味の決め手は、どんな状況で飲んだか、誰と飲んだか、そうした外的要因に大きく左右される。
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