2022/2/6
COFFEE HUNTERSの福袋で入手したモンテカルロス農園のゲイシャ。
蕩けるようにまろやかな口当たりと、白砂の海岸に打ち寄せる波間を思わせる透明なみずみずしさ。八朔やストーンフルーツなどのフレーバーが繊細かつ上品に華を添える。時間とともに酸が開き、オレンジを思わせるジューシーな味わいへと変化していく。
MG:モンテカルロス・ゲイシャ
生産国:エル・サルバドル共和国
生産地:アワチャパン県アパネカ地方
農 園:モンテカルロス農園
農園主:カルロス・パトレス
標 高:1,750m
栽培種:アラビカ種ゲイシャ
プロセス:ウォッシュト
輸 送:リーファーコンテナ
賞味期限:2022/12/21
強く感じられるフレーバー:はっさく、プルーン
微かに感じられるフレーバー:アーモンド、キャンディ、チェリー
味わいの強さ:4/10
酸味:6/10
苦味:3/10
甘み:8/10
焙煎度:3/10
COFFEE HUNTERS STORYより
グアテマラ国境に接するアワチャバン県アバネカ地区は、高品質なコーヒーの産地として知られています。その中でもひときわ輝くのが、1880年代からコーヒー栽培に携わる一族の末裔、カルロス・パトレスのモンテカルロス農園です。独立峰の火山を縦に4等分して、ブルボン、パカマラ、カトゥーラ、カトゥアイを植えている広大で急峻なこの農園を、カルロスはいつも四輪駆動のバギーで移動し、コーヒー樹にとって常に最適な状態で管理しています。ゲイシャを世界的に有名にした、パナマのエスメラルダ農園のオーナーとカルロスは古くからの親友で、数年前に純正の種子を譲り受けたのをきっかけに、モンテカルロス農園でゲイシャの栽培に取り組みました。エスメラルダのゲイシャがもてはやされて以降、世界中の農園で環境適性も考えずに金儲け目的でゲイシャ栽培が始まり、日本でも高いだけで価値のないゲイシャや、明らかにゲイシャではないコーヒーがゲイシャとして市場に出回るようになったのは、非常に嘆かわしい限りです。これは経験豊かなカルロスが、慎重に選んだ畑で育てたゲイシャです。エスメラルダと同じ遺伝子を持つこのゲイシャが、土壌も環境も違うこの農園でどんな特性を出しているかお楽しみください。
感想
開封すると、ふくよかな香り。
二人分20gの豆を挽くと香ばしいナッツの香りが加わった。
MUGENでドリップすると、フルーティーな感じ。
蒸らしも良く膨らみ美味しそうだ。
一口目フルーティーな香りが広がる。
美味い。
爽やかな酸味とほんのりとした甘味。
喉越しは爽やか。
二口目ゲイシャらしい複雑ないろいろな味が広がる。
飲み終わった後も、フルーティーな香りが残る。
もう一杯飲みたいと思う珈琲。
モンテカルロス農園のゲイシャもとても美味しい珈琲だ。種としてはエスメラルダ農園のゲイシャと遺伝的同一種だ。そう思いながら飲むからだろう似ている気がする。
二つの農園は約1,000km、飛行機だと7時間、車なら24時間の距離にある。日本なら東京から北海道、あるいは九州といった距離。十分に遠いが、パナマとエル・サルバドルの間にはコスタリカ、ニカラグア、ホンジュラスと珈琲栽培が盛んな3つもの国があることを思うと近いようにも思う。
今までに飲んだゲイシャは7種類
パナマ・ブルーハ・ゲイシャ 1杯単価323¥浅煎り焙煎済み パナマ・エスメラルダ・ゲイシャ 1杯単価114¥/143¥浅煎り自家焙煎 コロンビア・クマラル・ゲイシャ 1杯単価213¥浅煎り焙煎済み コロンビア・コルメナ・ゲイシャ 1杯単価188¥中煎り自家焙煎 エチオピア・グジ・ゲイシャ 1杯単価800¥中煎り焙煎ドリップ セルバ・ネグラ・ゲイシャ 1杯単価279¥浅煎り焙煎済み モンテカルロス・ゲイシャ 1杯単価132¥浅煎り焙煎済み
パナマ、コロンビア、エルサルバドルはいずれも中南米だ。焙煎はプロと自分、抽出は全て自分で行なっている。唯一原産地のエチオピア産はお店で飲み全てプロのコントロールで淹れた一杯だった。ゲイシャならどれでもおいしいというわけではないだろうし、同じゲイシャでも環境で味が変わるのは当然だとおもう。ではあろうけれど、飲み比べた7種類の違いは微妙だ。どれも美味しい。第一印象は酸味と甘味、そして味が濃いという点で似ている。たまに味の濃さがえぐみに感じられることがある。これは豆の量や温度・抽出時間で味の濃さやえぐみが変わるから、淹れ方が原因だと思う。いずれにしてもゲイシャ以外のコーヒーとは一線を画す違いがあり、飲み心地はどれも鮮烈で爽やか、もう一杯飲みたいと思う旨さがあった。ゲイシャのことを知ってから初めて飲むまでに時間がかかった。だから出会える機会はあまりないのではないかと思っていた。ところが振り返ると思いのほかチャンスに恵まれた。これからも機会があれば是非味わって見たい珈琲だ。
追記
福袋はゲイシャ以外銘柄が分からない3本セットだった。蓋を開けるとサン・ミゲルと、ピンク・ブルボンが入っていた。どちらも飲みたいと思っていた豆である。サン・ミゲルは初めて飲んだミカフェートでおいしさを実感した珈琲だった。ピンク・ブルボンは母の日の珈琲でピンク・ブルボン・クイーンズを飲んだことがある。農園が違うから別物だがどんな味か楽しみだ。ミカフェートも昨年末に値上げがあったが、福袋ということで格安に購入できた。
新年に入手した4本のCOFFEE HUNTERSは、3本がエル・サルバドル産、品種は2本がゲイシャ、2本がブルボンだった。
新年の4本
セルバ・ネグラ・ゲイシャ エル・サルバドル共和国 モンテカルロス・ゲイシャ エル・サルバドル共和国 ピンク・ブルボン エル・サルバドル共和国 サン・ミゲル(ブルボン) グアテマラ共和国
いくつかある中でこれらを選択したのは好みであることはもちろんだが、ミカフェートの押しでもある。コーヒーハンターの川島さんがコーヒーの勉強を開始したところがエル・サルバドルだったことと大いに関わりがあるだろう。彼のことを知るまではエル・サルバドルのコーヒーを意識したこともなかった。ミカフェートの珈琲は美味しさもさることながら、COFFEE HUNTERS STORYで語られる、川島さんがどんなふうに珈琲に出会ったかというストーリーが楽しみで、珈琲についての理解も深めてくれる。
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