top of page
執筆者の写真Yukihiro Nakamura

サン・ミゲル

更新日:2020年8月25日

 San Miguel:クルミのような香ばしい香り、爽やかな酸が広がり甘さへと変わる。余韻にチョコレートの風味が残るガテマラのブルボン。


豆について


SM:サン・ミゲル

  1. 生産国:ガテマラ共和国

  2. 生産地:アンティグア 

  3. 農 園:サン・ミゲル農園

  4. 品 種:ブルボン

  5. 標 高:1500〜1700m

  6. プロセス:ウォッシュト

  7. 原料豆輸送:リーファーコンテナ

  • フレーバー:くるみ、チョコレート、微かにオレンジ

  • 酸味:穏やか

COFFEE HUNTERS STORYより

 1989年、当時ガテマラに住んでいた僕の珈琲研究所時代の恩師に「珈琲の品質とは何かを一から勉強しなさい」と案内されたのが、アンティグア地区のサン・セバスティアン農園でした。この農園は、スペインから移住したサルバドール・ファジャ氏が1890年に開いてから、最高級のコーヒーを求めてファジャ家に営々と受け継がれてきた農園です。コストよりも品質第一を徹底したこの農園の珈琲栽培から多くを学びました。サン・セバスティアン農園の3代目アルトゥーロ・ファジャは、農業が大好きで研究熱心な生産者でした。そして一族のサン・セバスティアン農場を経営する傍ら、隣接する農地を購入してサン・ミゲル農園と名付けました。現在では息子のエストゥワルドが5代目のサン・セバスティアン農園の責任者となり、サン・ミゲル農園も経営しています。

 サン・ミゲル農園にもファジャ家の品質に対する伝統は息づいており、素晴らしいブルボンを市場に送り出してきましたが、残念ながらこれまで日本市場には紹介されていませんでした。2011年、サン・セバスティアン農園を訪れた僕は、以前から気になっていたサン・ミゲル農園の珈琲をテイスティングさせて欲しいとエストゥワルドに頼んだのです。その味わいは、さすがファジャ家の珈琲、本当に美味しいブルボンでした。その中でもエストゥワルドと一緒に特別に選別した珈琲を、日本の珈琲愛好家にお届けします。

 

結果


SM:サン・ミゲル

  1. MiCafetoの浅煎り(焙煎度3/10)

  2. 中細挽き

  3. ボトルを開けると圧縮された空気と共に香ばしい香りがする

  4. 豆を挽くと深みのある香ばしい香り

  5. コーノ式で飲む

  6. 蒸らしの膨らみはとてもよく膨らむ

  7. 一口飲むと爽やかな酸味が甘味へ変わる

  8. 喉越しもよくコクがありチョコレートのような風味が残る

 とても美味しい。豆を挽くとクルミのような香ばしい香りがして、ドリップを始めるとさらに良い香りが漂った。口に含むと爽やかな酸が広がり、それはやがて甘さへと変わり、チョコレートの風味が余韻として残る。まさに解説の通りである。

 1年前スペシャリティーコーヒーのガテマラを飲んだ時、まだ実験を始めたばかりで珈琲の味の違いがよくわからない頃だったから、酸味の後の甘みがわからないとしている。実際はサン・ミゲルに似た評価をしていたのだが、ガテマラの良さをわからずじまいだったようだ。さらにブレンド実験用に手に入れたガテマラは、オールドクロップだったせいか個性が弱く特筆すべき点が見当たらなかった。今回改めてガテマラのおいしさを認識した。母も気に入ったようで、ゲイシャよりも美味しいという。丁寧に選別され、適切な焙煎を施した珈琲は誠に美味しい。


 サン・セバスティアン農園というのは、川島さんにとって特別の農園らしい。


閲覧数:108回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page