2種類のゲイシャを飲むことができ、幸せな一時を過ごした。
コロンビア・クマラル(2018年カップ・オブ・エクセレンス第1位のゲイシャ)
パナマ・ラ・エスメラルダ農園のゲイシャ
豆について
ゲイシャ(Geisha)は、エチオピア南西部カファ地方のゲシャ村で1931年に発見された、比較的新しい珈琲豆の品種である。ケニア、タンザニアを経由して、1953年にコスタリカの農学研究所 CATIE へ持ち込まれたが、当時の栽培地は標高が低かったため味が悪く、長らく見捨てられた状態が続いた。しかし2000年になってから、パナマのボケテ地区の冷涼な渓谷にあるエスメラルダ農園で隔離されながら栽培されたゲイシャが、見事な実をつけるようになった。エスメラルダ農園はスウェーデン人が開いた古い農園で、1964年にバンク・オブ・アメリカの社長ルドルフ・ピーターソンが買い取り、息子のプライス、孫のダニエルが受け継いだ。ゲイシャの栽培に成功したのはダニエルの代になってからだった。エスメラルダ農園のゲイシャは、2004年に”カップ・オブ・エクセレンス”と並ぶ、コーヒーの国際品評会“ベスト・オブ・パナマ”で当時の落札最高額の世界記録を更新して優勝し、一躍脚光を浴びるようになった。この国際品評会には日本の輸入業者も来ており「ゲイシャ」の名が定着した。その後、エスメラルダ農園のゲイシャは、「ベスト・オブ・パナマ」「SCAAカッピングパビリオン」「レインフォーレスト・アライアンス・カッピング・フォー・クォリティ」といった各種の品評会で1位を獲得している。現在ゲイシャは、原産地と環境条件が似たパナマ、コスタリカ、コロンビアといった中南米で主に栽培が行なわれている。
味は蜜柑やレモンといった柑橘類あるいはネクタリンやパッションフルーツといったフルーティな酸味と甘みがあり、蜂蜜やチョコレートのような残り感を持つものもある。そして、ジャスミンやベルガモットのようなフローラルな強い風味を持つ。精製はナチュラルとウォッシュドの二種類がある。ゲイシャならではの香りを引き立たせるため浅煎りで出されることが多い。ゲイシャはアラビカ種の一種で、木は非常に高く成長し、葉は細長い。果実と種も他の種に比べると細長く、赤いオリーブ状の実をした大型長粒種である。一般に栽培は難しく他の種に比べて収量も半分程度しかないため希少性が高い。産地は中南米が多く、特にパナマ産は最高級品として人気が高い。価格は日本の店頭での豆売りでは2012年に販売されたコスタリカ産が226グラム6,000円、2016年に販売されたパナマ産が250グラム10,800円と非常に高価である。
(Wikipediaより)
コロンビア・クマラルは2018年”カップ・オブ・エクセレンス”で第1位となった、コロンビアのクマラル農場のゲイシャ種で、ジャスミンを思わせる香りとシロップのような甘みとのこと。2kg限定販売で1パック150g中煎りを手に入れることができた。「生産国において栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ない生豆で、適切な輸送と保管により、劣化のない状態で焙煎されて、欠点豆の混入が見られない焙煎豆であること。」までが実現したまさにスペシャリティーコーヒー。あとは適切な抽出がなされれば完璧だ。
もう一つはゲイシャの本家とも言えるパナマ・ラ・エスメラルダ農園のゲイシャ200g生豆である。エスメラルダ農園はパナマ西部バルー火山の山すそに広がる、平均標高1,500m以上の豊かな降雨に恵まれた土地で。農園内に天然林が保護されているなど、自然環境に囲まれている。農薬を使わず、完熟実だけを手摘みし、収穫後の加工も細心の注意を払って行われたコーヒー豆。フローラルなアロマと柑橘類を思わすフレーバー、驚くほどすっきりとした甘味を伴った酸味が特徴的という。浅煎りは難しいので中煎りで味わう。
焙煎
コロンビア・クマラルはお店で既に中煎りの焙煎済みである。確かめてはいないが、前回と同じであれば焙煎5日目を届けてくれているだろう。
パナマ・ラ・エスメラルダ農園のゲイシャは生豆で購入したため自家焙煎を行なう。
パナマ・ラ・エスメラルダ農園ゲイシャの焙煎
焙煎時の香りは他の珈琲豆と際立った違いは感じられない。
結果
コロンビア・クマラル
焙煎5日後を頂く
豆を挽くと爽やかな香りが一瞬ふわっと鼻先を掠める
ペーパードリップで飲む
蒸らしの膨らみは程よい膨らみ具合。
一口飲むとなんともいえない香りがする。
酸味、甘み、苦味、コクのバランスが良くキレがある。
喉越しで甘味がフワッと広がる。
母は今まで飲んだ珈琲の中で一番美味しいと言う。
パナマ・ラ・エスメラルダ
焙煎翌日を頂く
豆を挽くと花の香りが立ち込めた。
ペーパードリップで飲む。
蒸らしの膨らみは抜群で、気持ちが良いぐらい膨らんだ。
一口飲むと花のような香りが抜けてゆく。
酸味が際立っている。
酸味の奥に甘味と苦味がある。
母は味は珈琲なのに香りがお花のようだと言って喜んだ。
PM:パカマラ/HK:ハワイコナ /BM:ブルーマウンテン
CK:コロンビアクマラル/GS:パナマゲイシャ
追記
どちらも甲乙付け難く、とても美味しい。そして、同じゲイシャ種でもずいぶん違うものだと思う。パナマのゲイシャは香りと酸味が素晴らしい。コロンビアのゲイシャも良い香りでバランスが良いが、飲み比べると特徴が薄いかもしれない。母もどちらも美味しくて、どちらがいいとはいえないけれど、パナマのゲイシャが印象に残ったようだ。
2019年10月16日
クラシカル・コーヒー・ロースター・カフェでブレンドを飲む。分厚いトーストとサラダが付いていた。アメリカンな雰囲気のお店。
カフェ・ボイスオブCBで珈琲を飲む。アルティックとターンテーブルでジャズを聞かせてくれる。店内はいろいろなものが置いてあって楽しい。ネルドリップで深煎りを飲む。
マイルストーンにてゲイシャを飲む。喫茶店でゲイシャを飲むのは初めてだ。エチオピアのゲイシャだった。浅煎りではないといっていた。中煎りだったろうか。自家焙煎ネルドリップである。ゲイシャ特有の酸味と複雑な後味が広がる。マイルストーンは天龍の山の中にありちょっと遠い。マッキントッシュとJBLでジャズを聞かせてくれる。
自分で淹れた珈琲は何かと評価しやすいが、お店で飲む珈琲はとやかく言いづらい。どこも美味しいのだ。でもその場で記録をつけるのをためらい、後で思い出すと、どんな味だったか、銘柄さえ思い出せない。そして、お店の人のウンチクが、自分の知っていることと違ったりすると、余計なことを言いそうで。黙っている。