パナマは、南北アメリカと太平洋、大西洋の結節点に当たる地理的重要性からスペイン人の到達以来貿易や人の移動や国際政治において大きな役割を果たす場所となっており、その役割の重要性のため、中米地峡を貫くパナマ運河が通っている。また、近年はいわゆる「パナマ文書」で注目を浴びた。
豆について
国名:パナマ共和国
地域:ボケテ ハラミージョ ラ・エスメラルダ農園
品種:ゲイシャ
クロップ:2019
標高:1500m
パナマのバホ・ボケテ
ゲイシャは1930年代に採取された野生種で、香味が変わっていた。柑橘類や紅茶のような、珈琲らしからぬ香りを持っている。1963年にパナマに持ち込まれたが、収穫性が高い多品種への植え替えが進み忘れ去られていた。ところが2004年、農園の片隅に残っていたゲイシャの古木から採れた珈琲をコンテストに出したところ、個性的で上品な香りが高く評価され1位に輝いた。またそれまでの最高落札価格の記録を塗り替える快挙からゲイシャブームが始まった。
このゲイシャ種は粒が大きく、細長い外観をしており、カップは非常に秀逸なフローラルなアロマと柑橘類を 思わせるフレーバー、驚くほどすっきりした甘味を伴った酸味が特徴的。しかし、ゲイシャ種はあまりに生産性が低い為に長い間ほとんど注目されず、現在では非常に貴重な品種となっている。
結果
PG:パナマ・エスメラルダ・ゲイシャ1500
自家焙煎の中煎り、中細挽き、焙煎3日目。
豆を挽くと香ばしい香りが立つ。
コーノ式で飲む
蒸らしの膨らみはとてもよく膨らんだ。
一口飲むと爽やかな酸味がある。
喉越しに甘味があり、苦味と酸味と甘味のバランスが良い。
初めてパナマ・エスメラルダ農園のゲイシャを飲んだ時に感じたような酸味はなかったが、苦味と酸味と甘味のバランスが良く、オークションロットではないが、とても美味しい珈琲である。母も「やっぱりゲイシャはおいしいね」と喜んでくれた。
追記
お正月の珈琲にパナマ・エスメラルダ農園のゲイシャを選んだ。昨年飲んだ中で一番、もう一度飲みたいと思った珈琲だったからだ。大晦日にモカを味わい、新年にゲイシャを味わう。いわば「最古」と「最新」の二つの珈琲を、年を跨いで楽むことができた。
ゲイシャは浅煎りにしたかったが、電動焙煎機で焙煎したため、中煎である。それもちょっと深めの中煎りに仕上がった。電動焙煎機は自動で冷却までしてくれるから非常に便利だが、中煎りと深煎りの2パターンの焙煎モードしかないため、ちょっと煎りを浅くしたい時などには適さない。
ゲイシャ、モカ、星山の順で焙煎したところ、焙煎と焙煎の間に20分の冷却時間をとっているが、色合い、焙煎後の重量変化を見ると、1回目より2回目、2回目より3回目の焙煎が浅くなっているように思う。70回ほど焙煎機を使用してようやく、癖がわかってきた。次回ゲイシャを焙煎するときは、一番最後に焙煎しようと思う。
浅煎りにすると、もっとゲイシャらしい酸味が味わえると思うが、今回ぐらいの酸味が好みかもしれない。
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