2021/12/15
コロンビアのゲイシャをMakuakeのプロジェクトで入手した。
コロナ禍で行き先が無くなり、危機に瀕していたコロンビアのコーヒー生産者のためのクラウドファウンディング。「ラム・バレル・ブレンド200g」と「ゲイシャ豆200g」がセットのプロジェクトを応援した。
豆について
CG:コロンビア・コルメナ・ゲイシャ
生産国:コロンビア
生産地:カルダス県、リサラルダ県
農 園:ラ・コメルナ農園
標 高:1850m
栽培種:アラビカ種ゲイシャ
クロップ:2021年
収 穫:2021年8月
ラ・コルメナ農園
コロンビアのカルダス県とリサラルダ県にまたがる標高1850m, 面積7ヘクタールの農園で、山頂に位置し外部から農薬の影響を受けず、きれいな水をふんだんに使い栽培をしている。シェードツリーとしてバナナ・グアモ・モリンガ等を植樹しコーヒー栽培に最適な環境を作り、日本の技術を使い限りなく農薬を使用せず、ごく自然に近い形でコーヒー作りに取り組んでいる。
手持ちの電動焙煎器は浅煎りができないため中煎りである。気が向けば手動焙煎器で浅煎りにしてみようと思う。
結果
電動焙煎機による自家焙煎の中煎り、中挽き、焙煎4日目。
二人分20gの豆を挽くとフルーティーな香りが立つ。
MUGENでドリップ
蒸らしで良く膨らみ美味しそうだ。
一口目フルーティーな香りが広がり美味い。
爽やかな酸味とほんのりとした甘味がある。
喉越しは爽やか、適度な苦味が心地よい。
二口目ゲイシャらしい複雑ないろいろな味が広がる。
飲み終わった後も、フルーティーな香りが残る。
もう一杯飲みたいと思う珈琲。
フレーバー
強く感じられる:柑橘系のフルーティーさ
味わいの強さ:5/10
酸味:7/10
甘味:7/10
苦味:3/10
焙煎度:中煎り
中煎りだが、ゲイシャ独特の酸味と甘みを感じることができるおいしいコーヒーに仕上がった。やっぱりゲイシャは美味しい。
年々生産が難しくなっているという話を耳にするが、今年もこうしてゲイシャを味わうことができた。遠く異国の地で農場の人たちはどんな暮らしをしているのだろう。コロナをどう乗り切っているのだろう。来年も収穫できることを祈っている。
追記
振り返ると、いろいろなゲイシャを楽しむことができた。
パナマ・ブルーハ・ゲイシャ 1杯単価323¥浅煎り焙煎済み
パナマ・エスメラルダ・ゲイシャ 1杯単価114¥/143¥浅煎り自家焙煎
コロンビア・クマラル・ゲイシャ 1杯単価213¥浅煎り焙煎済み
コロンビア・コルメナ・ゲイシャ 1杯単価188¥中煎り自家焙煎
エチオピア・グジ・ゲイシャ 1杯単価800¥中煎り焙煎ドリップ
1はコーヒーハンターのパナマ産でコントロールされた誠においしい焙煎であった。2はゲイシャ種を世に知らしめたパナマのエスメラルダ農園産を自宅の手動焙煎器で浅煎りにしたクロップ違いの2種。自分で焙煎したためプロとは比べ物にならないが、ゲイシャ特有の味わいを楽しむことができた。3は浜松の焙煎珈琲店で入手したコロンビア・クマラル産で2018年のカップオブエクセレンス1位を獲得したもの。美味しいのだがとても味が濃く少しえぐみに感じた。4が今回のコロンビア・コルメナ産を自家焙煎の中煎りにしたもの。5は天竜のジャズ喫茶マイルストーンで飲んだエチオピア産のゲイシャ中煎り800¥。これもゲイシャらしい酸味と甘みを味わうことができた。エチオピア産ということから原種に近そうな感じがする。一見高そうだが豆で購入すると1杯単価100¥と最も安い。自分で色々試すことができたのはパナマ産2種とコロンビア産2種。パナマのゲイシャは香りと酸味が素晴らしい。コロンビアのゲイシャも良い香りでバランスが良いが、飲み比べるとパナマより弱い感じがする。1杯単価の違いは豆の違いというよりプロの焙煎か自家焙煎かの違い。いかに焙煎に技術が必要かと言うことでもあると思う。とはいえ、自家焙煎も十分にゲイシャの味わいを引き出し美味しく楽しむことができると感じている。
自家焙煎について
最初はフライパンで焙煎してみた。うまくできず素人には無理かなと諦めていた。それでも諦めきれずプロのような焙煎器ではないけれど市販の手動焙煎器と電動焙煎器を使ってみたところ、それなりに焙煎することができた。難しそうに感じていたが、やってみると案外できるものだ。ポイントは焦げるのを怖がらずに爆ぜる音を聞き逃さないことだ。今は月2〜3回のペースで焙煎している。
自分で焙煎するメリット
好みに応じた焙煎ができる。
同じ珈琲豆をいろいろな焙煎で楽しめる。
味に一番影響する焙煎鮮度を自分でコントロールできる。
焙煎済みの豆より生豆の方が長く保存できる。
焙煎済みの豆より生豆の方が安価に手に入れることができる。
種類が豊富で産地やクロップ・輸送条件などの情報が得やすい。
失敗もまた楽しい。
自家焙煎のデメリット
手間がかかり面倒といえば面倒だが、電動焙煎器はさして手間もかからない。実は楽しみでもある。
つまり、デメリットはほとんど思いつかない。
強いて言えばもっと美味しい焙煎ができるのではないかと考えてしまう事。
焙煎して適度な時間寝かせた鮮度の高い珈琲は、いつ焙煎したかわからない珈琲に比べ格段に美味しい。焙煎することが面倒でなければ、自家焙煎することで間違いなく美味しい珈琲を飲むことができると思う。
ハリオ コーヒーロースター・レトロ RCR-50は細かな調整はできないが焙煎の深さを自分でコントロールできる点で電動焙煎器より優れている。アルコールランプに火をつけてコリコリとハンドルを回し、目の前で豆がローストされてゆくのを見るのは楽しい。火を止めるタイミングさえ間違わなければ美味しい焙煎ができる。ただこのタイミングが難しく、浅煎りのつもりが中煎り・深煎りになったり、焦って早まると生ということもある。生と浅煎りの境で味が大きく変わるから面白いのだけど、美味しく仕上げるには何度も失敗した。焙煎度を見極める手がかりは音と匂いと色で、この焙煎器は透明だから実に色の変化が見やすい、一目瞭然なのだが、毎回同じように焙煎できないのも手動のなせる技だろう。というのも火を止めるだけでは余熱で焙煎が進んでしまうため、豆を取り出して冷やしてやる必要がある。シリンダーから取り出すときにもたもたしていると焙煎が進んでしまうし、火傷をしたり、チャフが飛び散るのがたまにきずである。その点、電動焙煎器は自動で冷却もしてくれるしチャフも飛び散らず、安定した焙煎ができる。
ホームロースター RT-01は中煎りと深煎りの2通りの焙煎ができる。生豆60gを投入して20分で焙煎して冷却してくれる。手間いらずなのに美味しく仕上がり失敗がない。1回に焙煎できる量も鮮度を保ったコーヒーを味わう上でちょうど良い分量だと思う。改訂版は浅煎りもできるようになった。微妙な調整はできないが、安心して生豆を仕入れて楽しむことができ重宝している。とにかくスイッチを押せば20分で焙煎できて、チャフを取り除く以外はメンテナンスフリーという手軽さから、ほとんど電動焙煎器を使っている。
自家焙煎の楽しみ
どんな珈琲を飲もうかと調べるのがまず楽しい。今やネットで注文できるのもありがたい。送られてくる生豆の梱包も千差万別でおもしろく、どんな大きさや色合いや香りがするだろうとワクワクしながら封を開けると異国の匂いがする。生豆を秤で測り焙煎を始めると独特の焦げた香りが部屋中に充満する。数日の間、焙煎の匂いが部屋のあちこちに漂っているのもなんだか嬉しい。珈琲を淹れるまでの一つ一つが面白くて、移りゆく香りに癒される。飲み頃まで待つのはちょっとつらい。どうしてもすぐに飲みたくなってしまう。そこをグッと堪えて待ち、そして母のために珈琲を淹れる。一緒にほっこりしながら一杯の珈琲を味わう。「おいしいね」と母が言う。珈琲の味が何倍も美味しくなる魔法の言葉だ。
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