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執筆者の写真Yukihiro Nakamura

メッシュ その1

更新日:2020年2月15日

 

 メッシュとは挽いた珈琲豆の粒の大きさ「粒度」のことである。粒度によって湯と接触する面積が変わり、珈琲の抽出成分が変わる。

  1. メッシュが細かければ粉の表面積は大きくなり、抽出される成分も多くなる。抽出された珈琲は濃度が濃くなり、苦味も強くなる。

  2. メッシュが粗ければ粉の表面積は少なくなり、抽出される成分も少なくなる。当然濃度は薄くなり、苦味は弱まり、酸味が顔を出す。

  3. メッシュにばらつきがあると、抽出もばらつき、狙った味を出すのが難しくなる。

求めるメッシュや均一さは豆を挽くミルの性能に依存すため、使用しているミルのメッシュの状態を調べることにした。

 左がカリタの手動ミル:ダイヤミルN、右が電動ミル:ネクストGである。極細挽きにする場合に手前の乳鉢と乳棒を使用する。今回の実験では乳鉢は使用していない。

 

実験方法


  1. ダイヤミルN:中挽きで珈琲豆10gを挽く

  2. ネクストG:細挽き、中挽き、粗挽きで珈琲豆各々10gを挽く

  3. 挽いた珈琲豆をふるいにかけ微粉を分ける

  4. 目的のメッシュと微粉の大きさを測る

  5. 各メッシュに対し100cc、90℃の湯でカッピングテストを行う


 

結果


実験に使用した珈琲豆:ケニヤ・マサイAA中煎り

ダイヤミルN中挽き/ネクストG細挽き/中挽き/粗挽き

 写真の中段が目的のメッシュの珈琲豆で、下段がふるいにかけて分けた微粉である。微粉の発生量はわずかな差だが細挽きほど多く、粗挽きほど少ない。粉砕すると微粉が作られるのは仕方ないことだが、結構な量の微粉が発生している。

ダイヤミルN中挽き/ネクストG細挽き/中挽き/粗挽き

 微粉のサイズはメッシュサイズにかかわらずいずれも0.1mm-0.3mm程度の大きさで粒ぞろいがいい。目的のメッシュサイズは拡大して見ると結構ばらついた感じである。

ダイヤミルN中挽き/ネクストG細挽き/中挽き/粗挽き


 カッピングテスト結果

DN:ダイヤミルN/NG:ネクストG

 カッピングは目的のメッシュと微粉を混ぜてテストを行った。若干粗挽きの方が苦味が弱く細挽きの方が苦味が強く感じられた程度で、その分酸味が逆転している気がするのだが、全体として大きな違いは感じ取れなかった。前回おこなった挽き方を変えた場合の違いではドリップで確認しているため大きく味の違いを感じている。透過式で珈琲を抽出する場合は、メッシュの差が大きく出るが、浸漬式ではある程度の時間浸してしまうと抽出量の差がわかりにくくなるのだと思う。

 

追記


 今回の実験は電動ミルの性能確認がメインであった。粉の大きさには必ずある程度のばらつきが存在し、目的のメッシュサイズを中心とした正規分布となる。だいぶ味の違いがわかるようになってきたが、今回の実験ではほとんど違いがわからなかった。ネクストGの細挽きから粗挽きまでのメッシュがどんな状態であるかが分かっただけである。金属フィルターでドリップするときは、ふるいにかけて微粉を取り除く必要があるが、ペーパーやネルドリップの場合は分けなくても飲むことができる。現段階では想像だが、ふるいにかけた方がスッキリした味になる気がする。いっそのこと豆を挽かずに抽出した場合どうなるかなども試してみようと思う。


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