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執筆者の写真Yukihiro Nakamura

ドリップ条件

更新日:2020年2月15日


ドリップ条件を変えた時の香りと味を比べる。


テスト方法

  1. 基準となる温度や時間を設定

  2. 基準を最初に評価し評価項目の各項目にポイント3を設定

  3. 抽出温度/抽出時間/豆の量/豆の挽き具合の1項目を変えて比較

  4. 基準に対して0〜5で評価

基準

  1. 蒸らし時間 30秒(今回蒸らし時間は固定とした)

  2. 抽出温度 95℃

  3. 抽出時間 1分30秒

  4. 豆の量 10g

  5. 豆の挽き具合 中挽き

評価項目

  1. フレグランス 粉の香り

  2. アロマ 抽出液から立ち上る香り

  3. フレーバー 飲むときに味と同時に感じる香り

  4. マウスフィール 口あたり

  5. 酸味 酸味

  6. ボディ(コク) 口に含んだ時に感じる舌触り味の厚み複雑さ

  7. アフターテイスト 飲んだ後の余韻の長さ

  8. バランス フレーバー、酸味、ボディの調和具合

使用した機材

  1. コーノ式名門ドリッパー(アクリル樹脂)

  2. KONO MD-45 円すいペーパーフィルター 1~4人用

使用した豆

  1. KALDIのリッチブレンド

  2. 深煎りロースト

結果

  1. 豆の量と挽き方による味の違いは大きいが、好みや気分で選べるため好都合。

  2. 温度は今ぐらいの季節であれば沸騰したお湯をドリップケトルへ移した時が丁度良い温度になっている。

  3. 時間は腹で数えた目安でだいたい良かったが、雑味を淹れないために、お湯が落ちきる前にドリッパーを外すタイミングが大体1分30秒から2分であった。

  4. つまり特別のことをしなくても、素直にドリップすれば美味しい珈琲が飲めるということだ。


以下に実験の詳細を示す。表の黄色は基準設定を示す。

 

実験1 抽出温度を変えた場合の違い


着目点

  1. 沸騰直後のお湯は苦味が強くなるか?

  2. 85℃を下回ると香りが弱まるか?

結果


 95℃が総合的にポイントが高いが、実は70℃ぐらいまで大きな差は感じない。ケトルに沸騰したお湯を注いだ段階で95℃程度になり、室温20℃の中では、テストを行うたびに約10℃湯温が下がる。60℃までは沸かした湯が順次冷めてゆくままに試験を行った。20℃は水道水による結果である。さすがにアロマもなく、同じ条件でドリップすると抽出量が足りない。100℃も試す予定だったが、ドリップケトルに移した段階で温度が下がるため100℃での試験は断念した。このため沸騰直後のお湯が苦味が強いという確認はできなかった。煮沸抽出した場合に確かめたい。

 アロマよりフレグランスの方が強く感じたため基準でもフレグランスを4にした。アロマとフレーバーは似た感じだったため同じとした。

 

実験2 ドリップ時間を変えた場合の違い


着目点

  1. ドリップ時間が短いと酸味がちになるか?

  2. 長いと苦味がちになるか?

  3. さらに長いと雑味えぐみが出るか?

結果


 高々30秒の差だが、ドリップ時間が長い方が、濃くなる。ただし、酸味は30秒の差では違いを感じなかった。これはテストに用いた豆が深煎りで酸味より苦味が強いためではないかと思う。また10gは透過時間も短いため30秒長く待つと、ほとんど出きった感じになり雑味、えぐみが増えたように感じる。

 

実験3 豆の量を変えた場合の違い


着目点

  1. 豆の量で味の濃さの違いはどう変わるか?

  2. 1杯の適量は何gか?

結果


 写真は10gの分量。この分量ではすぐにお湯が通り蒸すのが難しい。20gにすると、蒸すことができたかなという感じ。明らかに豆の量が多いと、香りもテイストも強くなった。10gはすっきりした味わい。20gはどっかりとした味わい。どちらが美味しいか、1杯の適量は何gかという疑問に対して、その日どちらを飲みたいかという選択になる。

 

実験4 挽き方を変えた場合の違い


着目点

  1. 豆の挽き方で味はどれほど変わるのか?

結果

挽き方で大きく違うのはドリップ速度。

  1. 粗挽きはお湯の透過速度が早く、1分30秒経った段階で落ちきった。

  2. 中挽きはドリッパーに湯が少し残り丁度良い。

  3. 細引きは1分30秒ではたっぷり湯がドリッパーに残り、もっと時間が必要。

 味の違いも大きく、今回のテイスティングでは粗挽きに最も甘みがあり、雑味は感じない。これもいいかなと思う。

カリタのネクストGで挽いた粗挽き・中挽き・細挽きの状態。今回の実験は、淹れる直前に目的に応じた粗さで何度も挽くため、電動ミルが活躍した。今後、美味しい珈琲を淹れるために、飲む時に焙煎して粉砕することを思うと電動は楽で良い。


 

追記


 基準の温度や時間、豆の量、挽き方、淹れ方はネットや書籍にあった美味しいドリップコーヒーの淹れ方を参考にして決めた。


 温度計が正しいかわからないため2種類で測定を行なった。測定開始まもない間は数℃の差があったため、どちらが正しいのかわからなかったが、しばらくすると、差はなくなった。温度計はしばらく慣らす時間が必要なのだろう。しかし十分慣らした後でも沸騰するお湯の温度が100℃ではなかった。気圧のせいかもしれないが概ね1気圧であった。


 特別のことをしなくても、素直にドリップすれば美味しい珈琲が飲めるという結論は、いつものことだが、実験して納得。


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