2019/3/7
学生時代、机や壁に固定してハンドルを回すスポングコーヒーミルを使っていた。いかにも珈琲ミルという形が美しかったが、力の伝達が均一にゆかず、豆を挽くのに結構難儀した。社会人になりカリタのダイヤミルN(ブラック)を愛用している。どっしりと重いので安定していて、大きな輪転になったハンドルは、力が均一に伝わり使いやすい。
手動ミルでコリコリ豆を挽くのも味わいのうちだが、ダイヤミルは引くのに結構時間がかかる。エスプレッソを入れるには、均一に細かく引く必要があり、頻繁に飲むとなると、手動ミルはしんどい。そこでかねてからの憧れの道具の一つでもある電動ミルを手に入れることにした。デザイン的には如何にも喫茶店においてありそうなカリタのナイスカットミルの赤が好みだが、エスプレッソ用の極細挽きができない。それにすでに販売終了していた。そこで多くの電動ミルの課題だった粉の飛散を防止する、静電除去装置を搭載している、カリタのネクストGを選んだ。
ネクストGは、セラミックの臼歯で、摩擦熱による風味の劣化を大胆にもモーターの回転数を従来の50%に抑えることで改善し、粒度も安定させている。コリコリと豆を挽き、はらはらと豆がカップにたまってゆく。ホッパーがスリムになったことで、雰囲気がずいぶん今風な感じだ。でもアーミーグリーンのボデーはアンティークな風合いがある。
ダイヤミル、ネクストG、お店で極細で挽いた豆を比較した。ダイヤミルと、ネクストGは手持ちの中煎りで、市販のエスプレッソ用は深入りのため色が濃い。
ダイヤミルは長らく設定を変えていないが、もう少し細かくすることができるかもしれない。結局ネクストGも一番細かい設定でも極細挽きにはなっていないようだ。
2ヶ月経って
飲む時に豆を挽いて淹れた珈琲が美味しい。そんなことはわかっていたけれど、手動のミルを使っていた頃は、挽くのが億劫で飲むのをためうことがあった。挽いた豆を買ってくることさえあった。電動ミルを手に入れてためらいは無くなった。挽き方を変えて何杯も飲み比べる実験を行うことができたのもネクストGがあったからだ。手に入れた珈琲道具の中で一番活躍している。もう挽いた豆を買うことはないだろう。
気になっていたエスプレッソ用の極細挽きも細挽きで十分に美味しい。朝の細挽き、午後の中挽きと、挽き具合を手軽に変えることができるのもとても助かっている。
キャニスターを開けるとほんのり焙煎した豆の香りがする。メジャーカップで一すくいしてホッパーに入れて豆を挽き始めると、芳醇な珈琲の香りが立ち込める。鼻を近づけると香りは具体的になってかえって苦味などが混じったきつい匂いになってしまうから、ほんのり立ち込める香りがいい。お湯を注ぐ時より、挽いた時の香りが心地いい。
珈琲を楽しみたいなら、電動ミルは必需品だ。