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執筆者の写真Yukihiro Nakamura

ドミニカ・カリビアン・クイーン

更新日:2020年2月15日


 ドミニカは米州で最初にヨーロッパ人が恒久的に定住した土地であり、その後のスペインの侵略拠点となった。サント・ドミンゴは米州で最も早く建設された植民都市であり、それゆえ米州で初の大学、大聖堂、要塞が建設された。小アンティル諸島のドミニカ島にあるドミニカ国と区別するため「共和国」をつけて呼ばれる。


豆について

  1. 国名:ドミニカ共和国

  2. 地域:Barahona地区、Los Bolos

  3. 精製:ウォッシュド

  4. 乾燥方法:天日乾燥

  5. 規格:AAA

  6. スクリーン:18以上

  7. 品種:ティピカ

  8. クロップ:2017-2018

  9. 収穫:9月〜4月

  10. 標高:1000-1500m

ドミニカのバラオナ

 カリブ海のイスパニョーラ島、その約3分の2をドミニカ共和国西部が占めている。最も土質が良いと評価されているバラオナ地区のロス・ボロスの標高1000~1500m地帯に小規模の優良な農園が点在しており、18世紀初め、フランス領マルティニックよりティピカ種が持ち込まれ、受け継がれてきた。シェードツリー下の肥沃な土壌のもとで栽培され、丁寧に赤実だけを収穫し、水洗工程を経てしっかり天日乾燥を行なっている。その後、高い品質基準をクリアする為の選別工程を繰り返し行ない、「カリビアン・クイーン」が誕生する。カリブ海特有のバランスのとれた上品な味わいとフルボディ。今回の「カリビアン・クイーン」は、ドミニカコーヒーの中でも最高等級のAAAグレードで。現地で入念なハンドピックを繰り返し、大粒で良質な豆だけをAAAグレードとしている。

 

結果


DK:ドミニカ・カリビアン・クイーンAAA

  1. 自家焙煎の中煎り、中挽き、焙煎3日目。

  2. 豆を挽くと香りは微か。

  3. コーノ式で飲む。

  4. 蒸らしの膨らみはとてもよく膨らむ。

  5. 一口飲むと苦味がある。

  6. 喉越しに甘味がある。

  7. スッキリとした口当たりだ。

 カリブの女王という名前がいいなと思い購入したティピカ種。イスパニューラ島の約1000k南東にマルティーニ島がある。西に200kしか離れていないキューバのティピカ種はほぼ全滅したと聴くが、ドミニカ は生き延びたようだ。昨年のクロップを飲むことができる。カリブ沿いはメキシコのティピカ種。コスタリカコスタリカのカトゥーラ種を味わった。苦味の後にほんのり甘味があるあたり似ているだろうか、中南米の風合いなのだろう。

 

追記


 イスパニューラ島は北海道、樺太に続く23番目の大きさの島らしい。さほど大きくない島の西側3分の1がハイチ、東側3分の2がドミニカ共和国と、2カ国が同居している。当然一つの島で二つの国家が隣接していれば争い事も起きるだろう。事実何度もハイチから侵攻があり、ハイチからの侵略を恐れたドミニカは、保護を求めてスペイン植民地に逆戻りしたこともあるという。結局スペインという大きな悪よりハイチという小さな悪を選び独立する。

 ところが第1次世界大戦の頃、ドイツが手を伸ばすことを恐れたアメリカが、両国を占領してしまう。アメリカ占領のおかげで、経済基盤や政治を改善することができたようだが、軍部独裁にもつながった。独立した後もアメリカの影は色濃く残っているようだ。ドミニカ は比較的安定した社会だそうだが、ハイチは情勢が不安定で世界最貧国の一つだという。

 一杯の珈琲から遠い異国のことを垣間見る。同じ島国ながら日本は有難いことに一つの国家でまとまっている。隣国との歴史的な軋轢や、アメリカとのことなどに想いを馳せながら、ドミニカのバラオナ近郊をストリートビューで散策すると、鬱蒼としたジャングル、美しいビーチを楽しむことができた。


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