ミャンマーは、東南アジアのインドシナ半島西部に位置する共和制国家。独立した1948年から1989年までビルマと呼ばれていた。多民族国家で、人口の6割をビルマ族が占め、ビルマ語が公用語である。ほかにカレン族、カチン族、カヤー族、ラカイン族、チン族、モン族、シャン族、北東部に中国系のコーカン族などの少数民族がおり、独自の言語を持つ民族も多く、多民族のためのロヒンギャ虐殺など問題も多い。
豆について
国名:ミャンマー連邦共和国
地域:ミャンマー マンダレー地方 ピン・ルー・ウィン県
精製:ウォッシュ
乾燥方法:サンドライ
品種:SL-34
クロップ:2016-2017
標高:1070m
ミヤンマーのマンダレー地方
SL-34:ケニアのスコット農業研究所が地元の農園と共同でコーヒーの研究調査を行い、ナイロビのカベテ地区にあるロアショ農園にあった一本の木から選別・栽培された種子に、SL-34という品種名がつけられた。これまでSL-34は、1890年代にフランス領レユニオン島から宣教師により持ち込まれたブルボン種、いわゆる「フレンチミッション」が起源だと言われてきた。しかし、遺伝子解析による最近の研究ではSL-34がティピカ種であることを示しており、そうなると起源についてもこれまでの定説とは違うのではないかという声も上がっている。SL-34は標高が高くかつ降雨量の多い地域での栽培に順応し、優れた風味特性に加え、SL-28とは異なり収穫量も多いということでケニアでは広く栽培されている。この品種がミヤンマーでも栽培されているということだ。
現在ミャンマーは急速に経済が発展している。アジアンスペシャリティーと呼ばれる、アラビカコーヒー「SEIZAN」が登場した。ミャンマーは2016年アメリカ・アトランタにて行われたSCAAエキスポにおいて高評価を博し、今や世界中から注目される生産国となっている。現地有力業者で高品質な珈琲を提供することで知られるMCG社より珈琲が輸入され、フルーティーなフレーバーを感じつつも後味はクリーンで、非常にバランスのとれたカップとなっている。 高品質を誇る「Qグレードコーヒー」である。
結果
MS:ミャンマー・星山〜Seizan〜
自家焙煎の中煎り、中挽き、焙煎2日目。
豆を挽くと独特な香りがある。
コーノ式で飲む。
蒸らしの膨らみはふっくらと膨らむ。
いつもと少し違うロブスタ系の香りがする。
一口飲むと苦味が一番。
喉越しスッキリ、あっさりで甘味、酸味はあまりない。
SL34を調べると甘味、ボディ、きれいな酸味が特徴であるとあるのだが、どうも今回自分で焙煎した豆は、こうした特徴ではなく、甘味、酸味の薄い苦味の強い味に感じる。ともするとロブスタの味わいに似ている気さえする。
甘さ控えめで酸味の後に苦味のあるケニヤ・マサイAAの品種が「主にSL28、SL34」と混合であったのに対し、星山はSL34単一品種である。明らかに味の違いを感じる。
追記
ミヤンマーの「ジーニアス・珈琲」を展開する珈琲メーカー、アウン・ネイ・リン・トゥンはASEANビジネス・アワード2019で「持続可能な社会的企業」賞を受賞した。そんなニュースも目にしてミヤンマーの珈琲豆に興味が湧き、星山という和名にも惹かれて飲んでみようと思いたった。品種を調べると、SL34であることも面白いと思った。この豆はブルボン系と説明しているところもあるが、最近はティピカ系かもしれないと言われ、いずれかはっきりしない。面白い位置づけの豆であった。
ただ飲んでみてちょっと気になったことがある。これは本当にミヤンマーの星山なのかという恐ろしいことだ。なぜこんなことを思ったかというと、味がロブスターぽくて、SL34の特徴と違うように感じたためだ。もう一つ、豆がなんであるか調べる方法がなく、送り手を信じるしかないということ。もし送り手が、小分けするときに間違っても、確認のしようがないということだ。今回6種類の豆を1カ所の豆屋さんに依頼した。6個の同じ袋に豆が入れられ、別々のラベルが貼られている。生豆を比較すると、色合いや香りがそれぞれ違い、別々の豆であるようだ。どのような手順を踏んでパッケージをしているかわからないが、ラベルを貼るときに入れ替わることもあるだろう。そんなことを考えてしまうと、今まで購入した豆全てに言えることなので、ちょっと困ってしまう。
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