2021年3月17日、HARIOが「V60 1回抽出ドリッパー MUGEN」を発表した。蒸らし不要のドリッパーだという。どう言うものなのか確かめた。
製品情報
品番:VDMU-02-TB
カラー:透明ブラック
製品サイズ:幅 142 × 奥行 116 × 高 94mm
材質:本体/AS樹脂、ホルダー/ポリプロピレン
特徴
リブがなくドリッパーにペーパーが張りつき星型の『溝』を伝ってゆっくりとコーヒーが抽出されるため蒸らしを必要としない。ホルダーはフックにかけることができ、取り外すこともできる。
実験方法
比較したドリッパーと比較方法
条件
使用した豆の焙煎具合:アンデスマウンテン中煎り焙煎3日後
挽き具合と量:中挽き10g
使用したドリップペーパー:V60ペーパーフィルター
抽出するお湯の条件:88℃のお湯120mlで抽出
確認項目
抽出時間
濃度
pH
味
結果
味の違いはわからない。
結論
HARIO MUGENは手軽に美味しいコーヒーを淹れられる。
追記
V60とMUGENの違いはリブがあるかないかである。現物を比べると、V60のリブはかなりの高さがありペーパーがドリッパーに張り付きにくいがMUGENの溝は細く張り付いてしまう。確かにこれは全く別物だ。
ケメックスのドリッパーもリブが無くドリッパーに紙が張り付く構造だ。厚めのドリップペーパーと相まってゆっくり抽出される。だから蒸らすことを気にせず、ドバッとお湯を注いで淹れることができるのだろう。スイッチやクレバーは、抽出口を塞いで暫くお湯を溜める事で、蒸らしを気にせずお湯を一気に注ぐことができる。
実際にMUGENにお湯を注ぐ時、ドバッとお湯を注ぐというわけではなく、軽く回しながら静かにお湯を注ぐから、最初のうちは蒸らしになっていて豆が膨らんでくる。だだそこで止めずにお湯を注ぎ続けると言うわけだ。今回の実験では抽出時間も、濃度も、収率もほとんどV60と違いがなかった。V60は淹れる人がドリップ速度を調節することで味を作ることのできるドリッパー。MUGENは技術に関わりなく誰でも美味しいコーヒーが淹れられるドリッパー。と言うことのようだ。
MUGENはいいドリッパーだ。でもコーノ式でようやくコーヒーを淹れられるようになり、ほんの僅かな技術というか、勘所を手に入れた嬉しさがまさって、手間をかけた方が美味しいような気がする。きっとこれは勘違いなのだが、せっかく身についた勘所を錆びつかせないために、コーノ式のドリップをこれからも使うだろう。
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