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執筆者の写真Yukihiro Nakamura

コピ・ルアク

更新日:2020年2月15日


 コピ・ルアク100g生豆を手に入れた。おうちカフェ計画を始めた時、コピ・ルアクは幻の珈琲だったけれど、ようやく本物にたどり着くことができた。どうすれば手に入るかもわからず、手探りだったが、インターネットは便利な道具だ。検索窓に「うんち珈琲」と書いて調べると。ありとあらゆる知りたかったことが現れる。あとは芋づる式にどんどんたぐってゆけばよかった。

 


 「映画「かもめ食堂」にもその名が出てくるコピ・ルアク。発見されたのはインドネシアがオランダの植民地だった1600年頃。ありとあらゆるものが取り上げられ。珈琲が飲みたくても飲めなかったインドネシアの人々は、ジャコウ猫の排泄物にコーヒー豆を見つけて飲んでみた。すると思いがけないことに今までにない味と香りがすることに気づき、インドネシア人の間で瞬く間に広がり密かに飲まれるようになった。それから300年、オランダから独立した時に公開され世界を驚かせた。

(LUWAK LUWAKの解説より)

 ついに手に入れたコピ・ルアク、天然物かな。


 

焙煎


 焙煎はゲイシャより短い時間で仕上がった。豆が全体に小さいようだが、色々な豆が混ざっている。そのせいか焦げてしまう豆、なかなか色がつかない豆がある。焙煎中の香りは他の豆とさほど違わないが、単一豆の焙煎とはようすが違う。

 ちょっと緊張しつつ50gを焙煎する。

 見るからに色々な豆が混ざっている。焙煎した豆は今までとどこか香りが違う。


 

結果


  1. 焙煎2日目を頂く

  2. 豆を挽くと少し今までと違う香りがする

  3. ペーパードリップで飲む

  4. 蒸らしの膨らみはまあまあといったところ

  5. 一口飲むとほんのり独特な香りがする

  6. 酸味、甘味、苦味、コクは揃っていて落ち着いた感じ

  7. 母は「へー、これがねえ、美味しい」とにっこり笑った

PM:パカマラ/HK:ハワイコナ /BM:ブルーマウンテン

CK:コロンビアクマラル/GS:パナマゲイシャ/KL:コピ・ルアク


 オランダ領であったトラジャ地域で栽培された珈琲豆は高品質で、オランダ王室御用達だった。しかし第二次大戦が始まると栽培どころではなく農園は荒れ果て、トラジャ珈琲は死滅したと思われたため幻の珈琲と呼ばれた。コピ・ルアクも幻の珈琲と呼ばれていたため、ちゃんと調べずに、そのフレーズだけを聞いてトラジャとコピ・ルアクを混同した時代があった。勘違いに気づかないまま、喫茶店でトラジャを見つけ「これがうんち珈琲ですか?」と訳知り顔にお店の人に聞いてしまった。勘違いの多い人生を歩んできた。


 勘違いしていた頃や、映画のシーンや、ドリップが苦手だった事や、最近飲んだ珈琲のことを思いながら。豆に指をちょっと触れて「コピ・ルアック」とおまじないを唱えてドリップする。「ルアク」と発音する時「ルアック」とりきんで苦笑い。不思議な香りをたのしみ。味はどちらかと言うと薄い感じだけど。ここへたどり着くまでの様々なことが味に重なって、コピ・ルアクはまさに幻の珈琲の味がした。

 

追記


 ホームロースターやミルは簡単に掃除ができる。実際オイルやチャフが溜まるからロースターは毎回洗い、ミルは適当に分解掃除をしている。さて、業務用焙煎機は、気軽に洗うことはできないだろう。ミルも頻繁に掃除することはなさそうだ。毎日様々な豆を焙煎して、次々と豆を挽くと、色々な豆の匂いやオイルがロースターやミルに染み付いていく。そうした匂いや脂分は、お店独特のものが溜まってゆき、新たに豆を焙煎するたびにその色合いを深め、同時にその色合いが、豆に移るのではないだろうか。それがどれほど味に影響するものかわからないが、気になる。きっと焙煎機の違いや焙煎手法の違いだけでなく、どんな豆を焙煎してきたかと言う歴史のようなものが焙煎店の独特な味になるのだろう。




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