アップル・スペシャル・イベントのコーヒーコーナーで使用されたケメックス。3カップ用はドリッパーの勾配がきつく、独特の緊張感あるシルエットだ。すっきりと美しいこのドリッパーはコーノ式とどう違うだろう。
ケメックスについて
CHEMEX コーヒーメーカーは思いの外に古く1942年に誕生している。三角フラスコと漏斗を合体させた特徴的なフォルムは、ピーターシュラムボーム博士が、実験室にあったフラスコをコーヒーメーカーとして使っていたことから生みだされたという。シンプルな美しさが評価され、MoMaにパーマネントコレクションとして永久展示されている。職人が1点1点丁寧に製作している手吹きガラスで作られたタイプは、青緑がかった美しいガラスの色合い、丸みを帯びた注ぎ口のデザイン、ずっしりとした重さなど、マシンメイドとは違う雰囲気を感じることができる。専用のボンデッドフィルターは、通常のフィルターに比べて20~30%の強度があり、 濾過の際に渋みの原因となる酸味と油分を取り除きすっきりとした珈琲に仕上がる。(Wikipediaを参考)
使用した機材
CHEMEXハンドブロウ 3カップ用 ドリップ式
ボンデッドフィルターペーパー 3カップ用
電動ミル:KalitaネクストG
使用した豆
コロンビアスプレモ中煎り中挽き10g
ケメックスの淹れ方
本体にお湯を注いで温める
お湯を捨てる
専用フィルターを折りドリッパーにセットする
豆を入れる
90℃前後のお湯を注ぎ30秒ほど蒸らす
蒸らしが終わったら円を描くようにお湯を注ぐ
ケメックス3カップ用に珈琲粉を一人分入れた時、勾配がきついためコーノ式に一人分入れた時より表面積が小さく深さができる。そのお陰でしっかり蒸らすことができるようにおもう。フィルターペーパーは分厚く和紙を思わせる。コーン型に折り、半分は1重、半分はペーパーが3重になる。この偏りが抽出に関係しているかわからないが、ドリップを開始すると滴下速度はゆっくりした感じで、じっくり抽出される。ウッドの首飾りは伊達ではなく、珈琲を淹れてかなり熱くなったサーバーを持つのに不可欠のパーツである。かなり厚みがあるが、それでも結構熱くなる。
後始末
首が細く深いことやウッドと皮を濡らさないようにすると洗いづらい
結果
一口ですっきりしていることを感じる。
甘さ・酸味・苦味のバランスがよくあっさりしている。
飲み終えた後も口残りがない。
コーノ式より軽い。
すっきりであっさりとしているけれど、薄いわけではない。好感の持てる珈琲だ。しばらく病みつきになるかもしれない。ただ、ペーパーを折る手間や、洗う手間を思うと、しばらく飲んで満足すると、コーノ式に戻る気がする。
追記
HARIOネルドリップポット ウッドネックに似ていると思ったけれど、並べるとちっとも似ていない。HARIOよりガラスは分厚くドッシリとしている。ドリップペーパーが分厚くしっかりしているため、勾配がきつくリブがなくても問題ないようだ。ちょっと厚めのガラスは安心感があり、手にしっとりと馴染み、気がつくと撫で回している。
写真はケメックスとハリオネルドリップ、折る前のケメックス用ドリップペーパーとv60 1-2人用漂白ドリップペーパーである。とにかく折る前のペーパーがでかい。
この図はセバスチャン・ラシヌー/チュング・レング・トラン共著「コーヒーは楽しい!」に載っている図を自分流に書き取ったものである。確かにエアロプレスはボディ感あるしっかりした珈琲で、ケメックスが一番すっきりとした珈琲を飲ませてくれた。コーノ式はV60あたりだろう。
この本は専門知識の表現が他の珈琲本と違っていて気に入っている。2017年5月28日初版なので内容も新しく参考になった。
Commentaires