酒その2

2 日前
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2026/9/28

我が家はお酒に弱い家系で、両親も僕もお酒に馴染みが薄い。ビールは苦い、ワインは酸っぱい、ウイスキーは舌が痺れる。なんとか飲めるのは梅酒やお屠蘇、赤玉スイートワインのような甘いお酒だ。幾度かチャレンジして玉砕を繰り返し、その経験から、お酒の雰囲気は好きだが、お酒そのものは美味しくない。という感覚を育ててしまった。
学生時代バーテンのアルバイトで、お酒のことを知る機会があったけれど、何も学ばなかった。母と暮らすようになり、夕食にお酒を用意したが、酔った母が意識を失った日から、すっかりお酒を飲まなくなった。でも、母も僕もお酒を楽しめたらいいのにと思っていた。そんなある日「モヒート」に出会った。美味しかった。酔って倒れたり気分が悪くなることもなかった。お酒に対する今までの思い込みがすうっと薄れていった。
コーヒーもそうだった。雰囲気で好きだと思い込んでいた節がある。でもコーヒーについて何も知らない。好きなものは、ちょっと語りたくなるものでもある。そんな思いのまま歳をとり、ついに、色々試して少しは語れそうになって、ようやく理解したことがある。僕は味の違いがわからないということ。ただ、美味しいコーヒーは新鮮なコーヒーだということだった。
買ったけれど、飲み方がわからないまま棚に並んでいたカンパリを開ける日がやってきた。ちょっと調べればすぐにわかる。炭酸で割るだけでよかったのだ。お酒の良し悪しは、飲み比べたところでわからない。ただ、好き嫌いはわかる。美味しいと感じたものが一番だ。そして美味しいお酒は、食事を美味しくしてくれる。食事の時間を楽しくしてくれる。

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