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執筆者の写真Yukihiro Nakamura

水出し珈琲

更新日:2020年2月15日


ティーサーバーの水出珈琲、自作ウォータードリップの水出珈琲、お店の水出珈琲を飲み比べた。


感想

  1. ティーサーバーの水出し珈琲は2時間では色が薄く5時間浸したが、自作ウォータードリップ5時間よりまだ色が薄い。豆の比率を多くしたが、ポットの中の浸り方にむらがあったようだ。味は薄いこともなく。しっかりした苦味や、喉越しの甘み、コクを感じる。えぐみは感じない。ウォータードリップよりアッサリしている気がするが、これは色が浅い分あっさりして感じるのかもしれない。

  2. 自作ウォータードリップも冷やすことで、味がすっきりとしえぐみは感じなくなった。喉越しにほんのりと甘みを感じる。今回は前回の倍以上の時間をかけてドリップしているため濃厚な抽出になっている。それは苦くなるのではなくコクが出ている感じで、水出し珈琲はじっくり時間をかけた方が美味しい。

  3. お店の水出珈琲はアイスとホットを選べる。今回はアイスでいただく。すっきりとして飲みやすく、喉越しでほのかな甘みを感じる。深煎りなのでしっかりした苦味があるが、強くなくえぐみも感じない。氷のおかげで味が引き締まっている。


今回の結論

  • お店で飲んだ水出し珈琲と自宅で淹れた水出し珈琲に大した差を感じなかった。豆の選択、焙煎具合、挽き具合、豆の量、水の量、抽出時間と異なる要素はあるが、ドリップに技術が不要なので自宅でも同じように淹れられるのだろう。また、ウォータードリッパーとティーサーバーで淹れた味の差もほとんど感じられなかった。

  • お店で氷を入れてよく冷えた水出し珈琲をいただいたことで気づいた。初めてウォータードリップの水出し珈琲を入れた時は、常温のまま淹れ、常温のまま味見をしたのであるが、冷やさずに飲むと味に締まりがなくボヤけた感じになるのである。案の定、自家製の水出し珈琲をしっかり冷やして飲むと、キリッと味が締まって美味しくなった。氷があると体裁は良いが、飲み終わりが水っぽくなるため、氷は入れずに冷蔵庫で冷やして飲むほうが最後まで美味しく飲める。

  • 水出し珈琲を温めると、これもすっきりとして美味しい。喉越しの甘みが若干弱くなるだろうか。ただ温めても香りは立たない、香りはコーヒー豆に熱が加わった時に立つことがわかる。温かいか冷たいかいずれかの方が、味がキリッとする。生ぬるいといろいろな味が中途半端な気がする。

  • ウォータードリップに比べてティーサーバーは手間がかからないが、いずれの場合も水出しで飲むためには長時間水に浸す必要がある。熱を加えないため出し過ぎで不味くなることもないのか、むしろ時間をかけてじっくり淹れて良いように思う。もちろん限度はあるだろう。水出し珈琲はすっきりとした味で、飲みやすい。残念なことは香りが立たないことだ。やっぱり珈琲はあの香りに誘われ飲みたくなる。


 

以下は今回の実験の詳細と補足情報である。


1ティーサーバーを使った水出し珈琲 

機材

  • HARIO茶茶・なつめ 4杯用 CHR-4N

珈琲を淹れる

  • 中挽き40gに水200ccをいれ冷蔵庫に保存する。

  • 2時間経過した段階で味見をすると薄い。

  • 5時間経過するまで置いた。

お茶・紅茶用に購入したものだったが、美味しい水出し珈琲が淹れられた。フレンチプレスでも同じように淹れることができるだろう。待つことを厭わなければドリップのように技術を必要とせず簡単に美味しい珈琲を楽しめる。

 

2自作ウォータドリップ 

機材

珈琲を淹れる

  • 前回同様中引き20gに水120ccで抽出を開始。

抽出部の豆の詰め方で抽出部を水が通過する時間が極端に変わり、今回は珈琲が淹るまで5時間かかった。冷蔵庫に入れて抽出した珈琲を冷やしたため、飲むまでにさらに時間がかかる。さすがに5時間見惚れることはないけれど、何度見ても見飽きない。ついつい雫が滴るのに見とれていた。

 

3喫茶店の水出し珈琲 

機材

  • Kalitaの業務用珈琲水出し器3台

  • 1台で10人分ぐらいいっぺんに入れられそうな大きなもの

珈琲を淹れる

  • 水タンクには氷が入っている。

  • 水の滴下速度は自家製に比べると数倍い早く感じる。

  • 豆は深煎で中挽きか粗挽きみたい。

  • 抽出部は底に石のようなものが敷いてあるらしい。

  • 抽出部とサーバーの間に螺旋状のガラス管があるがどんな効果があるのだろう。

業務用珈琲水出し器はKalitaのカタログを見ると、ガラス器が水出し10人用ゴールドS45087に似ているが、こちらは螺旋ガラス器がない。スタンドの構成は水出し器15人用45011に似ており、両方を合体したような構成である。裏にKalitaのウォータードリップムービング45067が置かれていた。鹿威しのようなギミックがあるはずだが、お店の機材は取り外されていた。業務用珈琲水出し器と比べとても小さい。ウォータードリッパーが置かれているだけで店の雰囲気が素敵になる。

 

雑学


たった20分で作る水出しドリッパー


 リヴィーズの「電動水出しコーヒーメーカー」は、1滴ずつ水をたらして抽出する方法ではなく、ポンプを使って水を循環させてドリップする。コーヒー粉に何度も水を循環させることで、短時間で水出しコーヒーが完成し、コーヒー豆の量も約30%削減とのこと。


 じっくり腰を据えて出すのが水出し珈琲の良さなんじゃないのと思いつつ、何時間も待つのも実際はしんどいから、これもありかなと、まるで水出しパーコレーターである。こうして新しい装置は誕生する。


 

追記


 戦前のオランダ領インドネシアでは、苦味やえぐ味の強いロブスタ種のコーヒーが栽培されていたため、水による抽出法が考案されたと言われている。カフェイン等の刺激成分が少なく口当たりがよい。深いコクがあり、酸化もしにくく冷蔵庫での保存がきく。

 特に水をコーヒー粉に点滴するウォータードリッパーは見るからに楽しい。ガラスポットに粉と水を入れて冷蔵庫に一晩おいて濾過しても同じように作れるから、わざわざ点滴する必要はないのだが、捨てがたい魅力がある。


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