2022/7/1
Jos’e川島良彰著マイナビ出版を読む。
珈琲時間で「人生を豊かにしたい人のための珈琲」という本を川島さんが執筆中だという記事を見てから楽しみにしていた本が、今日届いた。200ページをあっという間に読んでしまった。アナウンスがあった時から脱稿の日付、サインの日付、発行の日付を見ると大急ぎで世に出てきたのだ。
珈琲時間でアナウンス:2022/3/24
脱稿の日付:2022/5/28
サインの日付:2022/6/27
発行の日付:2022/6/30
届いて読んだ日:2022/7/1
つまみ読み
心に引っかかったところ。
熟度のこと
P30 珈琲は収穫してから熟成はしない。熟す実の部分を取り除いた種だから当然と言えば当然かもしれない。
リーファーコンテナの有効性
P42 船便は長期間温度変化が激しくドライコンテナに乗せられた生豆は劣化してしまうが、温度管理されたリーファーコンテナはこれを防ぐことができる。でも輸送期間が短い場合、例えばグアテマラからの輸送程度ではその差はほとんどわからない。
焙煎後何日後がうまいか
P53 翌日が飲み頃とは、あああーそうなんだ。と今更に驚く新事実。今日この時まで、焙煎後1週間ほど経ってからが飲み頃だと思っていた。
適量
P56 私は1杯10グラムで淹れている。本書では1杯に20グラムを推奨している。実際私も最初の頃は20gで淹れていた。しかし味が濃くえぐみを感じたため10gに落ち着いたのだった。「コーヒーハンター」では「通常は一杯分を立てるのに8gから10g」と記述している。実際は銘柄や焙煎具合によって適量は変わるのも事実。ただ、本書では淹れる量に応じて豆の量を減らすよう説いている、これは理に適っていると思う。
SCAA
P79 最初SCAA(アメリカ・スペシャルティー珈琲協会)に権威を感じていたが、氏の話を聞くうちにそうとばかりも言えないと思い始めている。
ハンドピックは間違い
P116 見事に欠点豆の除去を「ハンドピック」と言うと思っていた。「ハンドソーティング」が正しい。
ブルボン種発祥の間違い
P145 もともとこの島に持ち込まれたのがティピカではなかった!えーそうなの?ブルボンはティピカの突然変異じゃなかったの?「コーヒーハンター」にはそう書いてるけど・・・???
収穫時期について
P148 「初摘みコーヒー」などと言うコーヒーが出てたとしても、最初の収穫の品質は期待できない。一番摘みのお茶とか、一番搾りとか言う感じでよさそうに思ってしまうけど、そうじゃないんだ。
追記
待ちに待っていた本だ。コーヒーの味の感じ方について語ってくれることを期待して読み進んだ。随所に語られているけれど。「珈琲の味や風味を別のもので表現する方法が果たして分かり易いだろうかと疑問」の答えは見出せなかった。でもそんなことはどうでも良くなってくる。川島氏の本は実体験が語られ、聞き齧った知識ではないところがいい。
最後に
かつてNHKのザ・ヒューマン「コーヒーで世界を変える 川島良彰」で語られたキューバのティピカがいよいよ本格的に動き出すようだ。
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