以前ロブスタ種はジャバ産を楽しんだ。今回はベトナム産である。ベトナムは今やブラジルに次ぐ世界第2位の出荷量を誇っている。ところが以前ロブスタをオーダーした頃、ジャバ・ロブスタばかりでベトナム・ロブスタが見当たらなかったのである。その理由はいまだにわからないが、今回ようやくベトナム産の生豆を500gを入手した。
豆について
生産国:ベトナム社会主義共和国
生産地:ラムドン省バオロク近郊
農 園:フューチャーファーム
標 高:700~800m
栽培種:カネフィラ種・ロブスタ在来種
プロセス:フルウォッシュト
クロップ:2019-20年
収穫時期:2019年12月頃
日本輸入:2020年7月
ベトナム・ホーチミンとダラットの中間のバオロクにある農園、フューチャーファームで栽培されたロブスタ豆。ベトナム・ロブスタとしては欠点豆が非常に少なく高品質。ストレートでも、ブレンドのアクセントとしてもおすすめ。とのこと。
焙煎
電動焙煎機(ホームロースター RT-01(KLRT-001B))で60gを深煎りに焙煎した。
テイスティング
自家焙煎の深煎り、中挽き、焙煎2日目。
豆を挽くと麦焦がしの香りがする。
コーノ式でドリップ。
蒸らしの膨らみは素晴らしい。
一口飲むと珈琲の麦茶割りのような感じがある。
酸味はほとんどない。
美味しい、そして懐かしさがある。ジャバ・ロブスタを呑んだ時感じた「遠い昔に味わったことがある、そんな漠然とした気持ちを抱かせる。」という気分を今また味わっている。
予定
HARIOが提唱する「ミルク出し珈琲」
ブレンド
追記
1990年代初めにはコーヒーをほとんど輸出していなかったベトナムが、2000年には世界第2位のコーヒー輸出国になれたのはなぜなのか、それは「とにかく低価格になるよう、(品質は無視して)大量に作る」という目標に向けて、その真面目さと能力の高さを発揮したからだった。そして、その目標を与えたのは、他ならぬ「コーヒー市場の悪しきメカニズム」だった。というのは、それまでコーヒーの世界市場における価格は、ほぼ10年ごとに大きく変動してきた。その大きな変動を避けるために1962年に「国際コーヒー協定」が結ばれて、国ごとに輸出割当量が設定され、供給過剰を抑制しようとした。この国際協定は、コーヒーの国際価格を高めに維持する上で、ある程度の有効性があった。ところがそれは、消費国からすれば高いコーヒー豆を買わされることを意味し、自由化の波がコーヒー市場にも押し寄せ、国際コーヒー協定に批判的なアメリカが協定から脱退したことがきっかけで、1989年に協定は崩壊してしまった。自由に輸出を増やせるようになったことや、低品質のコーヒー豆をそれなりに飲めるようにする技術革新が起こったことが、新参者であるベトナムにとって有利に働いた。しかし低価格・低品質のコーヒーを大増産したことで「コーヒー危機」を招いたとして、ベトナムは他のコーヒー輸出国から厳しい非難を受けた。
コーヒー危機の真っ只中で、ベトナムは過剰生産によって価格を暴落させたとして世界中から非難されたが、勤勉で優秀なベトナムのコーヒー農家からすれば、市場のシグナルに従って努力しただけで、本当の問題は、市場メカニズムの方にあると思っている。
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