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執筆者の写真Yukihiro Nakamura

ジャンピング

更新日:4月1日

2024/3/25


 紅茶の美味しい入れ方を調べていると「ジャンピング」という言葉に出会う。


ジャンピングとは

 イギリスの紅茶研究家ガーバス・ハックスレー氏が出版した『Talking of tea』に記述されたお茶を入れた時の茶葉の挙動をいうらしい。


その挙動とは

 「沸かしたてのお湯で入れたグラスでは、すぐに約2/3の茶葉が上に浮かび、そして約3分後に全ての茶葉が底に沈むまで、茶葉は底から上へ、上から底へと循環する。」というもの。


ジャンピングの仕組み

 「湯を注ぐと乾燥して軽い茶葉が浮き上がり、 茶葉が湯を吸って沈む。 湯の中の酸素が茶葉にくっつき茶葉を浮かし、 酸素がはじけ茶葉が重くなり沈む」らしい。


そこで紅茶のおいし入れ方は

 「熱湯に空気を含ませるため、高い位置から勢いよく注ぎ、茶葉をジャンピング(対流運動)させます。 空気をたくさん含んだ熱湯を、丸く膨らんだタイプのティーポットに注ぐと、ジャンピングによって酸素が茶葉にいきわたり、おいしい紅茶になります。」と書かれた資料に出会う。



さらに

 ジャンピングしない紅茶で悩む人がいる。これに対する回答は茶葉の鮮度が重要だという。フレーバーティーなどは茶葉に付着物がありジャンピングしにくいこともあるようだ。



ところが

 これに異議を唱える解説にも出会う。全く否定しているわけではないが、ジャンピングが美味しい紅茶を入れる決め手ではないのだという。例えば沈み始めた茶葉が沈み切る前にまた浮かび上がったりすることがある、対流も一躍買っているかもしれないが、対流では説明がつかない。

 ただし、空気とか酸素というのは重要な要素らしい。酸素が多いお湯ほど紅茶の渋みが強くなる傾向があるらしい。ミルクティーを入れる場合はこの渋みがあったほうが良い。だから、水は沸騰させるとどんどん空気が抜けてゆくため、沸かし抜いて空気がほとんど抜けたお湯ではなく、沸かしたてのまだ空気をたくさん含んだお湯がいいということらしい。


 しかし丸く膨らんだタイプのティーポットとそうでないポットでどれほど違いが出るかは定かではないような気がする。


 

追記


 「ジャンピング」という紅茶用語は「ロイヤルミルクティー」同様、日本でしか通用しない紅茶用語で、世界中で、「ジャンピング」と呼ばれている現象を重要視している国は、日本以外にはないらしい。


 コーヒーをドリップした時にうまく蒸らすことができないと悩んだことを思い出す。うまく膨らまなかったのはコーヒー豆の鮮度が原因だった。ジャンピングも指標として役に立つかもしれないが、ジャンピングしないからといって気に病む必要はないのかもしれない。



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