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執筆者の写真Yukihiro Nakamura

珈琲豆 その1

更新日:2020年2月15日

 珈琲豆は知らないうちに随分様子が変わっていた。単一農園の単一品種からなる単一銘柄が手に入るなんて思いもよらなかった。日本産の豆もある。聞いたことのない銘柄が山のようにある。いい時代に「おうちカフェ」を発動できたと喜んでいる。とはいえ選り取り見取りだが、どれを選んだものか戸惑うばかりなので、まずはオーソドックスな珈琲豆について確認して、さらにスペシャリティーコーヒーが如何なるものか試そうと思う。


 

産地


 珈琲豆は世界の60カ国以上で生産されている。年間平均雨量1500mm〜2000mm、平均気温20℃前後の、霜の降りない地域が適しているため、赤道中心のコーヒーベルトと呼ばれる熱帯や亜熱帯地域で、標高200m〜2500mの高地で栽培されている。標高1500m以上の山の斜面で作られたものが良質といわれる。

 日本も100kg〜200kgと少量ながら奄美諸島の徳之島、沖縄、小笠原諸島などの限られた地域で露地栽培が行われ、長崎、熊本でハウス栽培が行われている。


 

収穫


 熟したコーヒーの実は赤く、外側から順に外皮、果肉、パーチメント(内果皮)、シルバースキン(銀皮)が種子(珈琲豆)を取り巻いている。青みがかった淡緑色の種子が生の珈琲豆である。通常楕円形の2粒の種子が向き合って入っており、お互いに接する面が平たく平豆(フラットビーン)と呼んでいる。稀に丸くなった種子が1粒の場合があり、これを丸豆(ピーベリー)というが、特に味に違いはない。

 果実を収穫して出荷するためには、外皮、果肉、パーチメント(内果皮)、シルバースキン(銀皮)を取り除く必要がある。この方法は乾燥式(ナチュラル、非水洗式)と水洗式の2種類がある。


 

乾燥式

  1. 摘み取った実を乾燥場に広げ1〜2週間天日干しをする

  2. 果実がカラカラと音がするまで自然乾燥したら脱穀機にかけ果肉、パーチメント、シルバースキンを取り除く

特徴

  • 柔らかな酸味とまろやかな苦味がある

  • 天候の影響を受けやすく、欠点豆や異物の混入度合いが高い

  • 主にブラジル、エチオピア、イエメンで行われている


 

水洗式

  1. 摘み取った実を水溝に流し込み、水に浮いた果実を取り除く

  2. 果肉除去機にかけて外皮と果肉を剥がす

  3. 水槽に入れて、水に浮いた果肉を取り除く

  4. 発酵槽に移して半日から1昼夜浸し、発酵させて豆についたゼラチン質を溶かす

  5. 水洗いをして数日天日干しをするか、乾燥機にかける

  6. 脱穀機でパーチメントを取り除く

特徴

  • 乾燥式に比べ美しく艶がある

  • 異物の混入も少ない

  • 発酵過程で発酵臭や特異な酸味を出すことがある

  • 乾燥式に比べやや酸味が優る

  • 主にコロンビア、メキシコ、グアテマラで行われている


 

分類


 珈琲豆は生産された国名、産地名、積載港名、山岳名などが名称につけられ、各生産国が独自の基準で行なった等級格付けを付けている。そうした符号の意味がわかると、ちょっとはわかった気になるかもしれない。


以下多くの国で使用されている基準

  1. ウォシュレット(水洗式)/アンウォシュレット(非水洗式)

  2. フラット(平豆)/ピーベリー(丸豆)

  3. スクリーン(豆の大きさ)

  4. 標高での分類

  5. 品質タイプでの分類(一定量のサンプル中に含まれる混入物、欠点豆の種類と数を欠点数に換算し、トータルで品質タイプを決定する)

  6. 味(カップテスト)による格付け


スクリーンナンバーと豆の大きさ

  • 豆の大きさと品質は必ずしも一致するわけではない

  • 生豆の大きさを揃える基準としている

  • コロンビア・スプレモは最高級品

  • サントスNo2・スクリーン18はブラジルの銘柄

標高による等級(ブラジル、コロンビア、タンザニア)

  • 一般に低地産より高地産の豆ほど高品質とされる

  • 高地は運搬費も嵩むため高価格となる

標高による等級(エル・サルバドル)


標高による等級(メキシコ)


山岳名のついた豆


 

焙煎

 

 火力で生豆の水分を抜くために、豆の外側も内側もムラなく均一に焼き上げる必要がある。うまく煎り上がると均一に大きく膨らみ表面にシワがなく、光沢が出る。焙煎の段階は8段階に分類される。

 トラジャママサ の浅煎りはミディアムロースト、中煎りはハイロースト、深煎りはフレンチローストだった、上の分類と照らし合わせると浅煎りではなく中煎りということになる。しかし1段しか違わないが浅煎りと中煎りは確かな違いがあった。浅煎りは煎る時間を短くすればいいようなものだが、ムラなくローストするのは難しいのかもしれない。


参考図書:珈琲の事典/伊藤博監修 成美堂出版 1996年



 

方針


  1. 自家焙煎で浅煎り、中煎り、深煎りをする時の注意点をお店で聞く。

  2. 今回調達した焙煎機はMEDIモードとDARKモードがあり、MEDIモードでハイローストぐらい、DARKモードでフルシティ~フレンチぐらいの焙煎度とのこと。ということは浅煎に近い中煎と深煎りができることになる。

  3. とりあえず自家焙煎できるようになるまで、同一種の浅煎り中煎り深煎りを試すべきか、中煎りで違う種類を試すか悩む。

  4. 今後は100gで購入したい。

  5. 4〜5月トラジャママサを試し、6月に焙煎機と一緒にコロンビア・スプレモ、ペルーの生豆がくる予定なので、5月はこの3種とは趣の違う豆を用意する。

  6. 4〜5月にかけて消費した豆は600g。1回7gで1日3回30日飲むとすると630gでほぼ計算通り。今月も600gほどを購入。焙煎機が手に入れば生豆で購入できるので多めに買っても保存が効き自由度が増しそうだ。

  7. 家庭で簡単にネルドリップに近い味わいが出せるコットンペーパーフィルターというものがあるらしいのでこれを使ってみようと思う。


疑問

  1. そもそも煎り具合はどうやって判定しているのだろう。見た感じの色で判断しているならば、それこそロースターによってまちまちで、浅煎りと中煎りの違いはどこかへ行ってしまいそうだ。

  2. 煎り具合もそうだが、テイスティングの結果など明確な測定方法と正確な数値情報があるのだろうか。人による判定に委ねられているのではないだろうか。ワインの判定はどうだろう。味の評価など人の判定に委ねられているような気がする。誰かがこうだと言えばそうなっちゃう感じはないのだろうか。


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