10月1日はコーヒーの日。庭に咲いた黄色い彼岸花と赤薔薇を、友人が焼いた花器に活け。自家焙煎した珈琲を淹れて、珈琲への思いに浸る。今日の珈琲はコロンビア・スプレモ中煎り中挽きをケメックスで。青年期に珈琲文化に接して以来、色々な影響を受け、思い出を紡いだ珈琲。先頃は、思いの向くまま、珈琲の世界を探求し、珈琲の美味しさを再発見することもできた。
珈琲豆の収穫年度は毎年10月1日を初日として計算する。ニュークロップはその年度に収穫された新しい珈琲豆を指し、前年度に収穫されたものをパーストクロップ。それ以外の年度に収穫されたものをオールドクロップと呼ぶ。基準となるのは10月1日である。そうしたこともあってだろう。全日本珈琲協会は1983年に10月1日を珈琲の日と決めている。国際珈琲機関が承認した最初の公式記念日が2015年10月1日だというから、少々驚いている。6世紀に飲料の原料として発見された珈琲が日本に入ってくるまでには千年の隔たりがあったけれど、急速に珈琲は日本人の生活に取り込まれ、日本独自の珈琲文化が花開いている。そして世界に先駆けて日本がコーヒーの日の制定をしていたのだ。もっとも世界中すべての国が10月1日をコーヒーの日というわけでもないようだ。
国際珈琲機関がコーヒーの日を制定した2015年、国連は国際社会の共通目標として持続可能な開発目標SDGsを打ち立てた。5年の時を経てようやく珈琲農園にもこうした理念が芽吹き始めた折も折、2020年まるで人類を試すようにパンデミックは起こった。世界はこれからどうなって行くのだろう。ミカフェート代表取締役の川島氏曰く。取引を行ってきたパナマの珈琲農園が、コロナの影響で中国企業に買収されたと言う。主にアメリカやオーストラリア向けの珈琲を輸出していた農園は、大口のキャンセルが決定打となり資金繰りが悪化したのだ。中米は収穫がほぼ終わった頃にコロナが広まったためまだ影響は少なかったものの、移動制限のため労働不足で収穫しきれず放置されている農園も多く、この先経営が厳しくなり離農する生産者が増えることが危惧されるという。温暖化や様々な要因で絶滅している品種も数多くある。世界は混沌として出口が見通せない。でもトラジャ珈琲のように、戦争で農園が放棄され森に呑まれてしまいながらも、再び復活させかつての名品を蘇らせてきたこともある。過酷な災難に見舞われながら、したたかに人類も珈琲も生き延びてきた。
人生に吹き荒れた荒波を思い返す。絶好調のまさにその時に、これでもかと打ちのめされることが幾度もあった。どうしてこんなことが起こるのだろう。人知を超えた出来事が降りかかってくる。尻尾を巻いて逃げた。でも、諦めきれなくて、むくむくと起き上がる。そんなことを繰り返してきた。リタイアして世界との関わりが薄い今、自分にできることは思いつかない。ただ、家族を守って静かに暮らす。そんな1日のはずなのに、珈琲と共に熱い血潮が体内を駆け巡ったコーヒーの日となった。
origanmeisterさん今日は天気も良さそうです。良い一日をお過ごしください。
今日はコーヒーの日なんですか。 丁度よかった。昨日友人から「Originarl Kamo COFFE モカの思い出」をいただいたところです。楽しみます。中秋の名月と重なりましたね。