珈琲の歴史を遡り本日はトルコ珈琲を試す。母の目の前でくつくつと煮出すと真っ黒でドロドロの珈琲が出来上がった。母には茶漉しで漉しながら珈琲を淹れ、ミルクを入れた。おっかなビックリしながら一口飲んだ母は「美味しいまた飲みたい」と言った。
イブリックについて
イスタンブールに世界最古のカフェ「カーネス」ができたのが1554年。ここで飲まれていたのが珈琲の元祖、ターキッシュ珈琲とかオリエンタル珈琲と呼ばれるトルコ珈琲である。2013年ユネスコの無形文化遺産にも登録された。イブリック(ジェズヴェ)と呼ばれる銅または真鍮製の長い柄の付いた鍋を用いて淹れる。まったりとした味わいで珈琲の個性を余すところなく楽しめる飲み方である。
使用した機材
カリタイブリック300
電動ミル:KalitaネクストG
イワタニカセットガスJr.シリーズCB-JRB-2
イワタニカセットガスジュニア(ガスボンベ)
石綿金網
乳鉢
乳棒
使用した豆
トラジャママサ 深煎り(焙煎22日目)細挽き14gを乳鉢に入れて極細挽きにする
トルココーヒーの淹れ方
珈琲14g、水120cc、砂糖12gをイブリックに入れる
弱火にかける
スプーンでかき混ぜながら泡が立ってきたら火から下ろす
かき混ぜ、再び火にかけることを3回ほど繰り返し珈琲を煮出す
出来上がったら小ぶりのカップ(フィンジャン)に注ぐ
珈琲豆が沈んでから上澄みを飲む
好みによってカルダモンで風味をつけることがある
結果
とても濃厚な美味しい珈琲となった
甘さの奥に苦味、えぐみ、渋みなどがある
全てひっくるめて濃厚さを作っている
追記
「強火や長時間加熱は過剰抽出や酸化のためコーヒーがまずくなる」という情報が頭にこびりついていて、煮沸法で淹れる珈琲は美味しくなりようがないように思っていたから、トルコ珈琲の美味しさに驚いている。えぐみや渋みも旨味のうちなのだ。
水の代わりに牛乳を使っても良いとあったが、牛乳を煮沸すると想像するだけでも始末が悪そうだ。水で淹れてミルクを加えるのがおすすめ。
珈琲豆は挽きが荒いと浮いてしまうため、しっとりするくらい細かく挽いたものを使用する。今回は細挽きした豆を乳鉢と乳棒で細かく挽いてみた。またしても中学時代の実験道具が役に立った。これはこれで良いのだが、実際に飲む時は、漉さずに入れるとどうしても豆カスが舌に触り飲み心地が悪くなる。茶漉しで入れるのを許してほしい。
好みでカルダモン(おろし生姜で代用)、シナモン、塩などを入れたというので、試しに小分けにして色々なスパイスを試したところ、どれもなかなか良いのであった。
おろし生姜は喉越しに生姜の味が新鮮で美味しい
シナモンパウダーは飲む時の香りが良い、若干珈琲の香りが殺されるが美味しい
クレージーソルトはハーブの香りが楽しい
余談だが、イブリックの座りが悪かったため石綿金網をひいて加熱を行なった。その結果少しも熱が伝わらず沸騰しない。おかしいなと思いつつ、石綿金網を外して直にイブリックをあぶるとすぐさま沸騰した。
小鍋やミルクパンでも淹れられそうである。熱伝導率の良い口が狭い小さめの鍋ならどんな鍋でも美味しいトルコ珈琲が淹れられるとおもう。炭の上にイブリックを置いて淹れる風景を見たことがある。
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