2023/8/29
雷が鳴り瞬断の後ネットが繋がらなくなった。WiーFiも使えない。Bluetooth接続のスマートキーは問題ないが、HomePodはただの置き物になり、HomeKitが全滅、温度も確認できず、リモートゲームにも参加できない。WiーFiルーターの寿命は4~5年らしい。AirMacは2011年から使い始め12年になる。処理速度やセキュリティー面でも交換すべき時期は過ぎていた。これはネットに繋がらなくてあたふたした顛末記。
シンプルで美しいAirMac
2023年になって起こったAirMacの問題を振り返る
4月26日:少し前からAirMacのTimeCapsule機能にエラーが出てハードディスクが認識できなくなっている。Appleサポートに相談するとAirMacの寿命であると告げられる。代替え品はタワーAirMacとなるがAppleとしては販売終了。AirMacの推奨代替え品はない。ルーターとして信頼できるメーカーを尋ねるとBUFFALOかIODataという。WiーFiルーターとTimeCapsuleの両方を利用できる機材はなさそうだ。
4月28日:iPhoneのWiーFi接続が遅く感じられ、セキュリティーも改善したい。 TimeCapsule機能は別途考えるか諦め、WiーFiルーターを買い換えて高速化できれば、メモ帳や写真の同期が早くなるかもしれない。とは思うものの何がいいかわからない。WiーFiルーターに求める全体像が見えていないからだ。とりあえずAirMacが使えているから差し迫った感じではなかった。
7月11日:ASAHIネットの設定を変更した。 2000年にプロバイダとして利用し始め23年になる。思えば長いお付き合いだ。繋がっていることが当たり前で、特に連絡することはほとんどない。最近「ASAHIネットは、料金は安いが沢山繋げるために絞っているせいで速度が出ない」という話を聞いてちょっと残念な気持ち。
8月23日:午前10時ごろ雷が鳴り瞬断が発生した。そしてインターネットに繋がらなくなった。ルーターがエラーを表示している。いつもなら再起動すれば回復するのだが今回は何度再起動しても回復しない。モデムをリセットしても結果は同じだった。問題はAirMacだ。改めてWiーFiルーターについて調べると2022年9月に6GHz帯が開放され、WiーFi6Eの3バンド対応が2023年4月19日に発表、5月にWiーFi6E対応製品が発売された。WiーFi7も取り沙汰されているが製品が出るのは2025年以降らしい。とにかく4月28日に調べた時とは状況が変わり新製品が出て価格も変わっている。俄然WiーFi6Eを使ってみたいと思う様になる。
8月24日:ASAHIネットのカスタマーサポートへ接続設定ガイドを依頼した。1週間ほどかかるらしい。ASAHIネットはプロバイダー契約のみで、通信回線はフレッツ光ネクストファミリーコースipv6接続を、安くなるということで東名という会社を経由して利用している。今や回線もプロバイダーもルーターもセットでお安くなる時代に、何もかもがバラバラだ。新しいルーターに変えれば幾分速度が改善するだろうが、通信速度の改善は大元の回線を変える必要がある。フレッツ光クロスにするといいのだが、居住している地域はまだ10G高速通信の対象になっていない。また回線を変えるとなると契約をNTTに戻す必要がある。なにかと悩ましい。
8月31日:悩んだ結果BUFFALOのWXR−11000 XE12/Nを購入。プロバイダの接続設定ガイドも届き、ネットワークの再構築を開始する。
BUFFALO WXR−11000 XE12/Nは繋げますっていう感じがする
WXR−11000 XE12/Nの設定
1.インターネットの設定
設定がうまく行かずチャットで問い合わせた。するとこちらの環境を問い合わせる長文が返ってきた。回答を準備しているうちにチャットが切れてしまい、チャットを再開すると最初からの応答になった。これでは埒が開かないので電話で問い合わせた。
ルーターのスイッチをオートからマニュアルに切り替える。
PPPoEクライアント機能を選択。
プロバイダのIDとパスワードを設定。
担当者と話をすると、あっという間にインターネットに繋がった。
2.デバイスのWiーFi接続
iPhoneやiPad、iMac、AppleTVは設定画面ですぐに接続できた。AppleWatchは自動的に切り替わったが、ショートカットが使えないところを見るとちゃんと接続できているわけでは無いようだ。HomePodは何をやってもうまくいかず買い換えることになる。NatureやNetatmoはリセットしてルーターを変更。Eliteは電力会社のIDとパスワードを再設定した。エアコンと洗濯機と炊飯器はiPhoneを2.4Gのルーター接続にしてから各アプリでルーターを接続。サイドスイッチは一旦アクセサリを削除してからアクセサリに追加しなおす。接続を開始して全てが繋がるまで1週間かかった。
WXR−11000 XE12/Nの問題点と対処
1.ネットワークの安定性
ネットワークを構築した当初、すぐにネットワークから外れてしまうデバイスがあった。一月経っても今ひとつ安定しない。接続が切れた場合、ルーターのコンセントを抜いて5分後に差し込むと回復するが、一度で回復しない場合もあり二回同様の操作を行うとおおむね回復する。ネットワークを構築してからすでに4〜5回こうしたことが起きている。回復方法はわかったが、原因がわからない。
接続が切れるのは主にNature Remo mini(スマートリモコン)、Nature Remo E lite(電力モニタ)、Panasonicの炊飯器の3機種で、たまにNetatmo(気象観測器)も繋がらなくなる。その他のデバイスは問題がない様に見える。
ルーターはリビング中央の壁際に床から1.8mの見通しの良いところに置いた。接続しているデバイスは15個。一番遠いもので6m。おおむね遮蔽物のない見通しの良い状態。ただし寝室のみ壁を隔てた通信となる。電子レンジはルーターから7m離れた壁一枚隔てたところで使用。ルーターとデバイスの間に水槽などの遮蔽物はない。
メーカーに相談すると「中継機として利用しない場合はEasyMeshを無効にする。セキュリティが原因となっている可能性がある場合はネット脅威ブロッカーの無効も効果がある。ネット脅威ブロッカーを無効にしても、ルーターの基本的なセキュリティに問題はない。」ということだった。確認するとEasyMeshは最初から無効になっており、ネット脅威ブロッカーはまだ設定していなかった。
あれこれ調べて対策して、雷対策と再起動のためにサージ吸収素子内蔵、スイッチ付きコンセントを噛ませたりもした。不思議なことだが、日が経つにつれて安定してきた。二月経過した頃には問題は起きなくなった。
2.管理上の問題
ルーターのデバイスコントロールで不審なデバイスが接続されていないか確認している。現在15個デバイスを接続しているがMACアドレスがデバイスと異なるものがある。数として合っているので、不審者が接続しているわけではない様だがどういうことかわからない。メーカーに問い合わせると、デバイス側でアドレスのランダム化を行なっていることが原因だった。
動的にIPアドレスを割り当てるDHCPは知っていた。これに対しMACアドレスはデバイス固有の値だと思い込んでいた。ところが2020年のiOS14以降ランダムなアドレスを利用することができる様になった。そして初期設定がONとなっている。この設定をOFFにすればデバイスコントロールに表示されるアドレスを一致させることができるのだが、本来プライバシー保護のための機能なので確認したい時にOFFにして通常はONとする。
AirMacではIPアドレスかMACアドレスで確認していた。WXR-11000XE12/Nのデバイスコントロールは、デバイスに名前をつけることができ一目瞭然で確認できるようになった。
WXR-11000XE12/N仕様
メーカー:BUFFALO
無線LANインターフェース
伝送方式 CCK、DSSS、OFDM、OFDMA、MIMO
周波数範囲(チャンネル)
6GHz:
191~283ch(5955~6415MHz)
5GHz:
W52 36/40/44/48ch(5180~5240MHz)
W53 52/56/60/64ch(5260~5320MHz)
W56 100/104/108/112/116/120/124/128/132/136/140ch(5500~5700MHz)
W56(新電波法対応) 144ch(5720MHz)
2.4GHz:
1~13ch(2412~2472MHz)
準拠規格(最大転送速度)
6GHz:
IEEE 802.11ax:4803Mbps (160MHz 4x4)
IEEE 802.11a:54Mbps
5GHz:
IEEE 802.11ax:4803Mbps (160MHz 4x4)
IEEE 802.11ac:3466Mbps (160MHz 4x4)
IEEE 802.11n: 600Mbps (40MHz 4x4)
IEEE 802.11a: 54Mbps
2.4GHz:
IEEE 802.11ax: 1147Mbps (40MHz 4x4)
IEEE 802.11n : 600Mbps (40MHz 4x4)
IEEE 802.11g : 54Mbps
IEEE 802.11b : 11Mbps
セキュリティー
WPA3 Personal
WPA2 Personal
WPA/WPA2 Personal
WPA2/WPA3 Personal
WEP(128-bit / 64-bit)
Any接続拒否
プライバシーセパレーター
MACアクセス制限(最大登録許可台数:64台)
アンテナ 外部アンテナ:
5GHz/2.4GHz共通アンテナ:4 本 指向性
6GHz専用アンテナ:4 本 指向性
アクセスモード インフラストラクチャーモード、中継機能
有線LANインターフェース
伝送速度 LANポート:
10G/5G/2.5G/1G/100Mbps×1(AUTO-MDIX)
1G/100M/10Mbps×3(AUTO-MDIX)
INTERNETポート:
10G/5G/2.5G/1G/100Mbps×1(AUTO-MDIX)
半二重通信(Half-Duplex)には未対応
端子形状 RJ-45型 8極
WAN側IP取得方法 手動 / DHCP / PPPoE / DHCPv6-PD / IPv6(IPoE/IPv4 over IPv6)
IPv4 over IPv6での通信はOCNバーチャルコネクト、v6プラス、IPv6オプション、transix、クロスパス、v6 コネクトに対応。
セキュリティー:ステートフルパケットインスペクション(SPI)、パケットフィルタリング、VPNマルチパススルー(PPTP)
その他機能:回線自動判別切替機能
USBインターフェース
インターフェース USB 3.2 (Gen1)
端子形状 USB Type-A×1
電源:AC100V 50/60Hz
消費電力:43.0W(最大)
外形寸法(幅×高さ×奥行)300×195×75mm
質量:約1515g
使用感
インターネット回線は変わっていないが、ルーターが変わったことで明らかに通信速度の改善があった。顕著なのは寝室の通信速度だ。ルーターとの間に壁があるために従来は通信速度が出なかった。それがルーターを変えたことでたとえばiPnone6s Plusの通信速度は2倍以上になった。
左が昔のiPnone6s Plusの通信状態、中央がルーターを交換した結果である。さらに右はiPhone15 Pro Maxで6GHz帯を使用した場合で、寝室でもiPnone6s Plusのさらに倍の高速通信が実現した。写真やメモ帳の同期も以前は結構時間がかかったが今はすぐに同期する。デバイス間のコピーペーストもストレスを感じず、時間帯にもよるがだいたいサクサク利用することができる。
左上iPhone15ProMax/中央上iPadPro/右上iPhone6sPlus/左下iMacPro/中央下iPhoneX
午後3時ごろの測定iPhone15ProMax/iPadPro/iPhoneXはルータのすぐ側、iPhone6sPlusは寝室/iMacProはロフトでの測定である。iPhone15ProMaxはどこでもいつでも高速通信ができる。iPadProもいい感じ。iPhone6sPlusは寝室にも関わらず健闘している。iPhoneXの結果には驚いている。これはこのデバイスに限ったことなのか、iPhoneX全体に言えることなのか。同じ場所で通信してiPhone15ProMaxとiPhoneXでこんなに差が出るなんて。今まで体感的にもiPhoneXの通信が遅いと感じていたのはこういうことだったのかと納得する。
8月にルーターが壊れ、新しい環境が安定するまで2ヶ月、思いの外時間がかかった。問い合わせをすることも頻繁で、一度に問題が解決するとは限らず、ネットに繋げないと調べるのにも苦労する。使えるようになると当たり前になってしまうが、つかえないとへこんでしまう。なにはともあれ苦労した甲斐はあった。
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