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執筆者の写真Napple

オーソン・スコット・カード

更新日:5月23日

2022/3/20


 彼の作品との出会いは「エンダーのゲーム」だった。

 友人に教えられ読んだ「エンダーのゲーム」は自分の立ち位置を捉えること、どうやって立ち向かって行ったらいいか、これからの人生への向き合い方を考えさせられた。次に読んだ「死者の代弁者」はさらにその思いを強めてくれ、一時期彼の作品を読み耽った。


私が出会ったオーソン・スコット・カードの作品

  1. 1978年:神の熱い眠り(ワーシング年代記シリーズ)

  2. 1978年:キャピトルの物語(ワーシング年代記シリーズ)

  3. 1979年:ソングマスター

  4. 1980年:無伴奏ソナタ(短編集)

  5. 1985年:エンダーのゲーム(エンダーシリーズ)

  6. 1986年:死者の代弁者 上下(エンダーシリーズ)

  7. 1987年:第七の封印

  8. 1988年:反逆の星

  9. 1989年:辺境の人々(短編集)

  10. 1991年:ゼノサイド 上下(エンダーシリーズ)

  11. 1992年:地球の記憶(帰郷を待つ星シリーズ)

  12. 1992年:地球の呼び声(帰郷を待つ星シリーズ)

  13. 1996年:エンダーの子どもたち 上下(エンダーシリーズ)

  14. 1999年:エンダーズ・シャドウ 上下(エンダーシリーズ)

 

日記に綴られたオーソン・スコット・カードにまつわる思い。


1989/2/11

 「エンダーのゲーム」を読み終える。僕はエンダーの考え方をしている自分を感じる・・・。


1995/8/9

 オーソン・スコット・カードの「神の熱い眠り」へ突入。がらっとムードが変わって、僕になじみ深く・優しく・思慮深いストーリーテリングが始まった。心地良さのうちにまた眠ってしまう。


1995/8/23

 オーソン・スコット・カード「ワーシング年代記(1)」を読み終える:実は期待したほど面白くなかった。カードの作品はそのストーリーテリングといい、感動場面といい僕の好みなのだが、今回は読み辛く、感動もなかった。それに僕の一番好きな「死者の代弁者」を訳者は糞みそにけなしている点も嫌だった。自分で小説を書こうと本気で思い始めてから感動できる作品に出会えなくなってしまっている。これは自分ならどう書くだろうという思いが絶えずあることと無縁ではないだろう。


1995/11/13

 三度目のオーソン・スコット・カード「エンダーのゲーム」を読み終える。一挙に読んでしまった。先日読み終えた「松風の家」に比べると全く異なるシチュエーション、ストーリー展開だ。でもいずれも面白かった。とはいえ、一回目に読んだときはもっと感動したような記憶がある。

1995/11/14

 短編の「エンダーのゲーム」を読み終える。やはり長編の醍醐味はない。「死者の代弁者」を読み始める。3回目である。


1995/11/17

 「死者の代弁者(上)」を読み終える:なんと悲しい物語をカードは描いたのだろう。


1995/11/18

 「死者の代弁者(下)」何度読んでも心にずっしりと来るものがある。僕もこうした癒しの感動があるものを書きたい。


 

2014/2/14

 「エンダーのゲーム」を読み終える。25年前に初めて読んだ時と変わらない興奮と感動を感じる。


2014/2/25

 「死者の代弁者上巻」を読み終える。4回目の読書。前回読んでからおよそ20年が経っている。深い感動は50を過ぎても感じる事が出来る。


2014/2/26

 「死者の代弁者下巻」を読み終える。上巻は数日かかったのに、下巻はあっという間に読み終えてしまった。


2014/4/6

 「ジェノサイド」を読み終えた。木目を読む奇異な少女の事以外何も覚えていなかった。カードの作品らしからぬ御都合主義な話の展開にも驚く。


 「エンダーの子どもたち」を読み始めるが何一つ記憶がない。


 

 彼の作品は何度も読み返している。何度も読み返したくなるものを持っているのだ。しかし、彼の作品を読み進むうちに、期待が上回るのか、だんだん萎んでいくのがわかる。とても寂しい気持ちになっていくのだ。


 彼は敬虔なモルモン教徒だ。「塩狩峠」の三浦綾子は敬虔なクリスチャンだ。宗教という裏付けを持った人の作品には、確固たる信念があるように思う。揺るぎないもの、強いもの、愛、自己犠牲。教訓的なメッセージがある。物語には深い感動があり、ストーリーを覚えている。内容を忘れてしまいがちな村上春樹吉本ばななとは趣が違う。もちろんそこに優劣などつけられないのだが。ただ現実に宗教的な活動に飲み込まれる経験をしたことで、蟠りが残るようになった。まだ自分の中で解決できていない出来事。


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