2021/7/7
Amazonプライムデーで25%オフになっていたので思わずポチったAirPodsProが届いた。
待ちに待った空間オーディオを試せる。AirPodsProの蓋を開けるとiPhoneに設定画面が現れた。一回設定すればiCloudで繋がった全てのデバイスでAirPodsProを利用することができる。相変わらず惚れ惚れするほど簡単だ。
イヤーチップのフィット状態を調べる
iPhoneの「設定→Bluetooth→AirPosProの情報→イヤーチップ装着テスト」を選択すると上記左図のテスト画面が現れる。AirPodsProを装着してテストを開始すると中央のような注意が表示された。サイズが合っていないらしい。きつめにAirPodsProを耳に押し込んで再度テストを行うと、あら不思議音が全然違う、低音が効いていてクリアーで広がりのある音場が再生され、右図の良好ですという結果が得られた。隙間なく密着することが重要だったのだ。イヤーチップを交換することなく利用できることもわかった。
空間オーディオの世界を体験
空間オーディオのプレイリストを再生した。マービンゲイの「What's Going on」がモノラルで再生され、次にステレオになって迫力のある聴き慣れたサウンドが響く。それがドルビーアトモスに切り替わると、今まで掛かっていたカーテンが開けられたような、音の広がりがやってきた。ああ!これが空間オーディオなんだ。あれ?この感覚は無指向性スピーカーを聞いた時の感覚に似ている。そんなことを思いながら、ノラジョーンズ、ビリーアイリッシュ、テイラースゥイフト、ビートルズを聞く。とても心地よくて、以前から聞いていたように。その音の鳴り方に慣れていく。
ドルビーアトモスのバッジが表示されていないから対応ではないようだが、ウルトラQのメインタイトルを聞いて嬉しくなった。音の中にいるみたい。あのギュルギュルと渦巻流れるタイトルに包まれているようだ。
聞き比べ
その1:AirPod vs AirPodsPro
耳へのフィットが違うからだろうか全然違う。まず低音がAitPodは全然出ていなかった。高音のクリアーさも違う。なんで早くAirPodsProにしなかったかなーと思ってしまう。
その2:iMac+AirPodsPro vs iPhone+AirPodsPro
違うはずはないと思いつつ聞き比べると、 iPhone+AirPodsProの方が臨場感がある。iMacはDACを通してヘッドホンで聴くとほぼ同じような臨場感を味わうことができた。Mac+DAC+真空管アンプ+スピーカーで聴くとドルビーアトモスに切り替わったときに「ぎゅっと音が狭くなったよう」に聞こえるのが不思議だ。ヘッドホンやAirPodsProで聴くのとオープンスペースで聞く違いだろうか。
現時点でAppleの空間オーディオと呼ばれる多次元サウンドを、手持ちの機材で楽しむには iPhone+AirPodsProが合っているようだ。
そもそもドルビーアトモスとは如何なる技術なのか?
ドルビーアトモスは「従来のサラウンド技術とは違い、音を3次元空間の中に“オブジェクト”として配置して、その位置情報とタイミングを音源に付け加える。 これにより3次元空間の中で音が縦横無尽に駆け巡り、その場に自分がいるような臨場感を味わえる。」というものだ。 例えば、飛行機の音が移動する場合を例にすると、 サラウンドは全chそれぞれの位置に合うように飛行機音の位相差、音量をほかの音とミキシングして各chを作成する。ch構成に応じて5.1ch用、7.1ch用、9.1ch用などそれぞれのchに合うように作成される。実はこれを再生する時に色々な問題が起こる。 再生する環境によって、広さが違うためスピーカーの位置関係も異なる。 その結果、各スピーカーに対する出力も変える必要がある。また、7.1chのサラウンド環境を持っているとすれば、元データが5.1chなら足りない2ch分を補間処理する必要があった。これに対してDolby Atmosは音声オブジェクトという概念を用意し、例えば、飛行機という音源の3次元的位置情報を収録する。 このおかげで各chに合わせたミキシング処理が不要となる。再生する時に音声オブジェクト情報からリアルタイムで各chに合わせた音を作成し再生できてしまうわけだ。 再生する側は環境情報、スピーカー情報で自動的に最適化できる。音のデジタルデータ化と演算処理の高速化によって実現した方法である。以前AIとAudioについて考察した「再生中の音をAIにフィードバックして、AIがリアルタイムに音源ソースの編集を行うことで、再生をしている環境に適した音像をコントロールすることも可能になるに違いない。」という夢想が実現し始めている。
思うこと
空間オーディオについて:「米ドルビーラボラトリーズが開発した独自のサラウンド技術であるドルビーアトモスをベースにした機能で、左右に加えて高さ方向も含んだ立体的な音空間を音楽リスナーに提供できる。」ということなのだが、高さ方向の立体的な音空間というのがいまいちしっくりわからない。まだ完全にドルビーアトモスを利用できているわけではないようだ。ダイナミックヘッドトラッキングの対応待ちというところか。
AppleMusicの音質について:格段に音質が良くなっている。ほとんどの曲がロスレスになったおかげだろう。今まで聞こえていなかった音が聞こえる。冨田勲の「亡き王女のためのパヴァーヌ」など、曲の奥の方でなんか音がしていたのにようやく気づいた。多くの曲が澄んだクリアーな音になっている。ああピアノの音ってこんなに伸びやかだっただろうか。ことの始めで思い描いたことがようやく実現した。
HomePodについて:ロスレスでもドルビーアトモスでも再生されないが、これはまた別の次元で良い音を聞かせてくれている。スピーカー1本なのでステレオ音場ではないのだが、不思議な音場を作り出している。無指向性スピーカーに似ているが、アクティブに音をセンシングしてコントロールしている点で大きな違いがある。そこには一種の音の空間が存在していて、聴く位置で音の迫力が変わる。かつて高校生の頃自宅に巨大なホーンを持ったオーディオルームを作ることを夢見ていたことを思い出す。今やそうしたものを作らなくても素晴らしい音場体験をすることができる。
音量について:「音量を自動調整」をオンにしていたが、鳴り始めの音が大きく、すこしするとボリュームが絞られる感じに調整されるのが気持ち悪く、オフにした。
デジタルノイズについて:ロスレスが利用できるようになってしばらく、曲によってデジタルノイズのような不快な雑音が発生することがあった。ところが日を追うごとにそうした雑音がなくなってきたように思う。あくまでも体感的な感じで実際がどうかはわからない。
ノイズキャンセリングについて:AirPodsProは、アクティブノイズキャンセリング、外部音取り込みモード、オフの3つのノイズコントロールモードがある。周囲の音をどの程度聞き取りたいかに応じて、モードを切り替えることができる。アクティブノイズキャンセリングでは、外向きのマイクが外部の音を検知し、その音と釣り合うアンチノイズ機能によって、外部の音が耳に届く前に打ち消される。内向きのマイクは耳の内側の不要な音を聞き取り、それもアンチノイズ機能で取り除いてくれる。さてさて、素晴らしい機能だが、切り替えてみてもさほど違いがわからんのは何故だろう?
更なる楽しみ
Appleによると「Apple Music は今秋から、空間オーディオのダイナミックヘッドトラッキングに対応いたします。ダイナミックヘッドトラッキングを使えるようになれば、空間オーディオの没入感がさらに高まります。頭の向きに合わせてダイナミックに調整してサウンドを届けるので、臨場感のある音楽を楽しめます。空間オーディオのダイナミックヘッドトラッキングは、対応モデルの iPhone や iPad で AirPods Pro や AirPods Max を使って体験できます。」と言っている。まだまだお楽しみは終わらない。
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