2018年3月22日
生演奏以外は、なんらかの方法で録音されたソースを再生して聞くことになる。ソースを再生するときに、デジタル音源であるおかげで、AIを活用したAudioの可能性が見えてくる。
演奏者、演奏した楽器、録音した場所、録音した日時、録音した機材、録音した時の天気、等の情報を元に名演奏をディープラーニングしたAIに、録音時に極力忠実な再生をデジタルソースレベルで編集させるのである。かつてはイコライザーやフィルターで、物理的に行ってきたことを、ソフトウエアにより直接データをエディットするのだ。同様の観点で、音源に最も適した再生という課題で再生することも可能になるだろう。
写真データに日付や位置情報がもはや当たり前に付随しているように、音声データにもこうした情報が付随され、再生時にその情報を元に、適正な再生を行うことが、これからできるようになるのではないだろうか。
音楽の作り手は、忠実に原音を再現するシステムを必要とし、音楽の聞き手は、気持ち良い音が聞きたい、そうした要求をAIが叶えてくれる。
さらに、再生中の音をAIにフィードバックして、AIがリアルタイムに音源ソースの編集を行うことで、再生をしている環境に適した音像をコントロールすることも可能になるに違いない。
面白い時代がやってくる。
AIが急速に進化している。
物語の世界で
鉄腕アトムやエイトマンに電子頭脳が登場。
ロボット三原則誕生。
宇宙大作戦でカーク船長がコンピュータに話しかける。
2001年宇宙の旅でHALが人殺しをする。
謎の円盤UFOで磁気テープ装置がコンピューターのイメージになる。
穿孔テープが吐き出される感じがコンピュータぽい時代。
スカイネットが人類抹殺を企てる。
現実世界で
チューリングマシン提唱
ENIAC誕生
アメリカの少年がガレージでコンピュータを製作。
NECがパーソナルコンピューターを発表。
プログラマブル電卓が登場。
巷にコンピューターショップが登場。
ホットドッグプレスがアップルコンピューターを紹介する記事を掲載。
情報研究室で「CP/Mとデータベース」を卒論のテーマにする。
APPLEIIを手に入れる。
コマンド入力からGUIへ。
コンピューターが言葉を喋り音声を認識し始める。
AIが猫を識別できるようになる。
株の売買がAIに任される。
現実世界と物語の中のコンピューターは隔世の感があった。
鉄腕アトムに登場した電子頭脳はAIに近いものだと思うが、
現在のAIよりも進んだ頭脳だった。
その後物語に登場するコンピューターは、
現実を反映して一旦バカになってゆく。
そして、最近、鉄腕アトムの電子頭脳に近付き、超えてゆくだろう。
楽しみなことだ。
AIによる音の加工は原音再生とは相反しているように思える。しかし原音再生を実現するために特性を操作して録音し、再生においてもイコライジングを行うのだから、音の加工をしている事実に違いはない。厳密な意味での原音再生はありえず、いかに原音に近い再生を実現するかに尽きる。そうなると人間には一生かかっても不可能な量の音の聞き込みができるAIだからできる音の加工は我々に幸せをもたらしてくれるのではないかな。