2018年11月11日
恩田陸著「蜜蜂と遠雷」を読んで是非見たいと思ったのが昨年だった。そしていよいよ第10回浜松国際ピアノコンクールが11月7日に始まり25日まで繰り広げられる。1次予選は5日間で95名から24名が選ばれ、2次予選では12名が、3次予選で6名が選ばれる。本選はピアノ協奏曲を東京交響楽団と共演し優勝者が決まる。18日間の長丁場だ。友人と私は第1次予選の3日目に出かけた。最も若い出場者は14歳の八木大輔くん日本人である。最年長は30歳で6名。出場資格が「1988年1月1日以降に出生した者」とあるため、30歳以下が最低条件。しかし誰でも応募できるわけではない、ピアノ専門家を含む著名な音楽家2名の推薦状が必要だ。37カ国1地域382名の応募があった。その中から予備審査で21カ国1地域95名が選ばれた。日本人出場者が25名と一番多く、次いで韓国18名、ロシア14名、中国13名、他の国は1名から4名。南米、アフリカ、インドからの参加者はいない。平均年齢は23才。参加者マップ
開演のブザーが鳴り、一度場内が暗くなる。ピアノにスポットライトが当たる。シーンと静まった中をコツコツと靴音を響かせ演奏者が登場し、ピアノに向き合いしばし沈黙。第一音が会場に鳴り響いたその瞬間、ゾクリと鳥肌がたった。
SUN Youl 韓国 18才
OTA Shion 日本 18才
NAKAGAWA Mayaka 日本 25才
LI Ying 中国 21才
NOH Heeseong 韓国 20才
PARK Yeon-Min 韓国 28才
Dmytro CHONI ウクライナ 25才
Alexei TARTAKOVSKY アメリカ/ロシア 29才
Alexander BERNSTEIN アメリカ 30才
私達が聞いた演奏者は9名、同じピアノなのに演奏者が変わると違う音がする。時にピアノを変え音色も変わった。現代音楽的な作品や超絶技巧曲が目立つ。中でもOTA Shionさんの曲はおどろおどろしく、背後に怨念の暗雲が立ち込めたような気がした。流石にここに登場する人は皆上手い。でも難しい曲を弾きこなしている人と、そこからもう一歩先の何か言葉にできない味わいを醸し出している人がいるように感じた。スローテンポでゆったり演奏したLI Yingさんの演奏が心に残る。
2019/10/27
恩田陸著「祝祭と予感」を読む
「蜜蜂と遠雷」に登場した人々のサイドストーリーが6つの短編で語られる。久しぶりに旧知にあったような懐かしさと、そんなことがあったのという温かい気持ちが湧いてくる。最後の短編に風間塵とユウジ・フォン=フォフマンの出会いが描かれていた。とても短くて印象的な物語。「蜜蜂と遠雷」を読んだものにしかわからない温かいストーリー。
2019年10月6日
映画「蜜蜂と遠雷」を見た。原作を持つ映画としてはどうしても文句をつけたくなる。でも、松岡茉優演じる栄伝亜夜の、瞳に宿った不思議な雰囲気には惹きつけるものがあった。特に風間塵と月夜の晩に連弾をした時は見入ってしまった。つい文句が口を突いてくるけれど、悪い映画ではなかった気がする。
2018年11月24日
本選の結果が発表された。
6th Prize YASUNAMI Takashi
5th Prize MUKAWA Keigo
4th Prize IMADA Atsushi
3rd Prize LEE Hyuk
2nd Prize USHIDA Tomoharu
1st Prize Can CAKMUR
なんとなくいいなと思った髪がカールしたトルコのジャンさんが1位だった。もう一人いいなと思った日本の牛田さんが2位だった。ずいぶん盛況だったように感じる。素敵なコンクールだった。参加者のみんなにエールを送りたい。
2018年11月20日
第3次予選審査結果が発表された。
Can CAKMUR トルコ 21才
IMADA Atsushi 日本 28才
LEE Hyuk 韓国 18才
MUKAWA Keigo 日本 25才
USHIDA Tomoharu 日本 19才
YASUNAMI Takashi 日本 26才
3次予選は弦楽四重奏とのアンサンブル曲もあり、皆素晴らしい演奏だった。予選通過者6名中4名が日本人で、そのうちの2名が静岡の人だった。
2018年11月17日
第2次予選審査結果が発表された。応援していた二人は通らなかった。残念だ。2次予選を通過した12名は全員男性だった。