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働いて見えた景色

執筆者の写真: NappleNapple

更新日:2024年12月13日

2024/11/23


 高校生の頃、ギターが欲しくて初めてアルバイトをした。大学生になると、山登りの道具や旅費を稼ぐためにいろいろなアルバイトをした。社会人になり、仕事に責任を感じ始めた頃、学生時代のアルバイトはきつかったけれど、どこか気楽だったことを思い出した。そして、仕事の面白さと苦しさが蘇る。やってきた事を書き出してみると、記憶の引き出しが次々に開いていく。他にもいろいろとあったかもしれないが、おおよそこんな感じだろう。



  1. 葵カントリー:ゴルフキャディー

  2. ドカチン:鳳駅前の女子便所の穴掘り

  3. 電池工場:三洋電池工場での作業

  4. 警備員:西京極球場での駐車場整理

  5. 郵便局:大阪中央郵便局で年賀状仕分け

  6. 公園局:植木の運搬と植え付け

  7. 引越しのサカイ:楽器運搬や家具の移動

  8. 整形工場:プラスチック製品の射出成形

  9. 組立工場:浄化装置の製造

  10. 酒場仕事:スナック「キャルハウス」

  11. 大学図書館:資料整理と学生証発行

  12. 機材運搬:マネキンの配送と設置

  13. 家電配送:天満のナニワでエアコンやテレビの設置

  14. 製品開発:ローランドでの技術者勤務

  15. 配線工事:警備装置の取り付け

  16. 会社発足:有限会社放浪社を設立

  17. 仕事を終えて:生き抜くことが立派な仕事だと思えてくる


 

1. ゴルフキャディー

初めてのアルバイトは、ゴルフバッグを担ぎながら客の後ろをついて歩く仕事だった。慣れてくると「ピンまでの距離は?」などと聞かれるようになり、生意気にもキャディーらしい受け答えをするようになった。休憩所の麦茶と塩分補給タブレットの味が忘れられない。一つ年上のお姉さんがアルバイト仲間にいたが、話すこともできず、ただ憧れるばかりだった。そうして、1週間の汗の結晶で買ったフォークギターが、初めて「自分の力で手に入れたもの」だった。


2. ドカチン

土方仕事は鳳駅前のニチイ改修工事が印象深い。一日中女子便所の穴を掘るという地味で辛い作業だったが、どこか面白みもあった。完成後のトイレを見に行き、「この穴を掘ったのは俺だ」と感慨深い気持ちになったのを覚えている。


3. 電池工場

三洋電池工場の仕事は24時間で1万円という破格の報酬が目当てだった。当時アルバイトは下宿のすぐそばにあった学生相談所で見つけた。早朝から張り出される斡旋カードに多くの学生が群がり、まるで五木寛之の「青春の門」に描かれていそうな風景だった。


4. 警備員

西京極球場での警備の仕事は最初駐車場の交通整理だった。ところがこれが阪急ブレーブスの優勝決定戦だったため、試合終了直前にグランドへ守備が移された。そして興奮したファンがグラウンドへなだれ込むのを食い止めるという予想外の展開となった。


 

 アルバイトは常に「短期決戦」のようなものだった。だからこそ、一つ一つに全力を注げたのかもしれない。だが、就職し「一生」を見据えた仕事となると、一生懸命だけでは持たなくなる。無理を重ねた結果、病気に倒れることもあった。そして気づいた。「力を抜くことこそが長続きの秘訣」なのだと。



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