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ひと言の余韻

執筆者の写真: NappleNapple

更新日:2024年12月13日

2024/11/19


若い頃、母のひと言が私の価値観を形作るきっかけとなった。ある日、アパートの掲示板に「募金袋」と書かれた封筒がぶら下がっていた。それを見た私は、つい言ってしまった。


「誰が持っていくか分からないのに、お金を入れる人なんていないよね。」


すると母が、少し微笑んで言った。


「そんなこと言わずに、入れてあげなよ。もし誰かが持っていくとしたら、その人にはそれが必要なんだろうから。」


その一言を聞いた瞬間、ふっと視界が広がったような気がした。私は普段、損得を考えて物事を判断していたけれど、母の言葉にはもっと広い視野があった。


もちろん、買い物をして、少しでも安く買えれば嬉しいし、値切ることだってある。損をしたくないのは当然だ。けれど、母の言葉が心に残っている。


「もし損しても、誰かがそのおかげで助かるなら、それでいいじゃないか。」


そんな考え方が、どこかにひっそりと根付いている。損得を超えたところに、少しの余裕があるような気がする。



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