2021/11/24
彼の作品との出会いは映画「2001年宇宙の旅」だった。
スタンリー・キューブリック監督は素晴らしい映画を作った。映像の素晴らしさは、いまだに色褪せない。CGのない時代によくあそこまで造れたものだと思う。あまりに素晴らしかったから、木星から無限宇宙の彼方へ展開するシーンにどうしてもケチをつけたくなる。CGが使える今ならどんな表現になるか見てみたい気もする。でもあれはあれでよかったのだろう。映像もさることながら音楽も秀逸で、リヒャルト・シュトラウス「ツァラトゥストラはかく語りき」は圧巻だった。この映画の映像、空気感、音楽が若き自分に与えた影響は計り知れない。この作品はクラークとキューブリックがアイデアを出し合いそれぞれ映画と小説を書いたものらしい。
私が出会ったクラークの作品。
1953年:幼年期の終り
1979年:楽園の泉
1988年:星々の揺籃(ジェントリー・リーと共著)
1993年:神の鉄槌
1968年:2001年宇宙の旅 2001
1982年:2010年宇宙の旅 2010
1987年:2061年宇宙の旅 2061
1997年:3001年終局への旅 3001
2000年:失われた宇宙の旅2001
1973年:宇宙のランデヴー
1989年:宇宙のランデヴー 2(ジェントリー・リーと共著)
1991年:宇宙のランデヴー 3 (ジェントリー・リーと共著)
1993年:宇宙のランデヴー 4(ジェントリー・リーと共著)
人類の進化、宇宙エレベーター、海洋SF、惑星衝突パニック、未知との遭遇と、多岐にわたるクラークの作品は、豊富な化学知識に裏付けられ現実社会との接点も多く示唆に富んでいる。ところが、結末がよく分からん、あれは一体なんだったんだろうと謎を残して終わることも多い。目の付け所のいい問題提起がなされるけれど、壮大なテーマに決着をつけるには一人の想像では及ばなかった。そんな感じがある。
クラークとアシモフは、もし「最高のSF作家は誰か?」と聞かれたら互いの名を答える「アシモフ - クラーク協定(Asimov-Clarke Treaty of Park Avenue)」を結んでいたらしい。素敵な関係だと思う。でもハインラインはこのことについてどう思っていたんだろう。
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