top of page
検索
執筆者の写真Napple

AIに絵を描かせる実験1

更新日:5月24日

2024/3/29


 かつて荒巻義雄著「時の葦舟」の世界を諸星大次郎的映像で見てみたいと思った。できれば自分で描くことができないかと夢想したが、描けないまま時を過ごした。だが、今ならAIに描いてもらう事ができるのではと思いついた。


 そこで「時の葦舟」の最初の物語「白い環」の情景を文章化し、英訳したものをプロンプトとしてmage.spaceに投げてみた。


 

その1


「巨大内海に流れ込む河が作った谷間の町ソルティは対岸が鏡になった不思議な街だ。」とりあえずこの情景描写から固有名詞「ソルティ」を外し、これを諸星大次郎風に描くよう記述したものを英訳する。


The town is located in a valley created by a river flowing into a huge inland sea, and is a mysterious town where the opposite bank is a mirror. I want this to be drawn in the style of Daijiro Morohoshi.


 1発目にしてはそれなりの結果が得られた。AIは諸星大次郎の作風を知っているようだ。しかし、自分が想像していたイメージは断崖絶壁の街という風景である。そこでプロンプトを修正する。


 

その2


「町は巨大な内海に流れ込む川によって作られた谷に位置し、断崖絶壁の壁面を掘って街が作られていて、川を挟んだ対岸は鏡のような壁面で、こちらの町を写している。これを諸星大次郎風に描いてほしい。」


The town is located in a valley created by a river flowing into a huge inland sea, and the town was built by digging into the walls of a sheer cliff.The opposite bank across the river has a mirror-like wall that looks like a mirror image of the town. There is. I want this to be drawn in the style of Daijiro Morohoshi.


 うーん違う。断崖に近づきはしたが鏡のような対岸は描かれていない。またこれは中華的な景色だが、自分はペトラ遺跡のような断崖をイメージしている。そこでそうしたことをプロンプトへ盛り込んでゆく。


 

その3


「その街はペトラ遺跡のように断崖絶壁の壁面を掘って作られている。絶壁の底は川が流れ、川を挟んだ対岸は鏡のような壁面で対岸の街を写している。これを諸星大次郎風に描いてほしい。」


The city was built by digging into the walls of a steep cliff, much like the ruins of Petra. A river flows at the bottom of the cliff, and the mirror-like walls on the opposite bank reflect the city on the opposite bank. I want this to be drawn in the style of Daijiro Morohoshi.


 おおーだいぶ近くなってきた。これで対岸が鏡面のような世界だということはない。しかしこの世界は対岸にも街が存在する。対岸はツルツルだとプロンプトに加える。


 

その4


「その街はペトラ遺跡のように断崖絶壁の壁面を掘って作られている。絶壁の底は川が流れ、川を挟んだ対岸は鏡のようなツルツルの壁面で対岸の街を写している。これを諸星大次郎風に描いてほしい。」


The city was built by digging into the walls of a steep cliff, much like the ruins of Petra. A river flows at the bottom of the cliff, and on the other side of the river is a mirror-like smooth wall that reflects the city on the other side. I want this to be drawn in the style of Daijiro Morohoshi.


 相変わらず両岸に街がある。ツルツルの壁面は描かれない。川面に映る景色で要求に応えているのだろうか。まるで常識の枠を出る事ができないみたいだ。


 

その5


「街は巨大な内海に流れ込む川によって作られた谷に位置し、ペトラ遺跡のように断崖絶壁の壁面を掘って作られている。川を挟んだ対岸はツルツルの壁面で対岸の街を鏡のように映している。これを諸星大次郎風に描いてほしい。」


The city is located in a valley created by a river flowing into a huge inland sea, and was carved into the walls of a sheer cliff like the ruins of Petra. On the other side of the river, the smooth walls reflect the city on the other side. I want this to be drawn in the style of Daijiro Morohoshi.


 どうもうまく伝わらない。むしろイメージが離れてきた。どうすれば、ツルツルの対岸に街が映されている風景を描く事ができるだろう。


 

追記


 今日はここまでとしよう。とにかく描きたい情景を細かく記述して、表現したいタッチを伝えればかなり希望に近い映像を得る事ができる。その感じを体感する事ができた。


 自分が描くときの癖を、AIに伝える事ができれば、描きたいイメージを伝えると、まるで自分が描いたような絵が出来上がる時代が来る。これは純粋に絵を描くという喜びとはかけ離れているけれど、魅力的なことでもある。この場合、描きたいイメージをいかに文章化するかという別の面白みが生まれることになる。



閲覧数:53回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page