2025/2/17
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カホンは、アフリカからペルーに連れてこられた奴隷たちが生み出した楽器だという。昔からあったのだろうが、実際に目にすることはなかった。その存在を知ったのは、随分と歳を重ねてからのことだった。
初めてカホンを見たとき、ギターの胴を叩いたときの音に似ていると思った。いつか叩いてみたいと思い、ようやく手に入れたのは、座って演奏するタイプではなく、ストラップをつけて携帯できる「ハンドカホン」だった。
カホンの演奏を聴くと、シンプルな構造ながら、叩く場所によって音色が変化し、驚くほど多彩な表現ができる。あんなふうに演奏してみたいと思う。
しかし、いざ叩いてみると想像以上に難しい。頭の中で思い描いたリズムをそのまま再現するのは簡単ではなく、耳から手指へのフィードバックが噛み合わず、バラバラになってしまう。一定のリズムを刻むだけでも、根気と体力が必要だ。どんな楽器も、練習と慣れが大切なのだと改めて思う。
それでも、初心者でも温かみのある豊かな音を生み出せるし、気分に合わせて自由に叩き、想いをそのまま奏でることができる。素朴でありながら奥深い楽器だと感じた。そしてふと、カホンを言葉を話すように叩けるような気がした。
2025218カホン
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