1966年5月1日
小学生のころ父がステレオを購入した。家具調の佇まいで、華奢な4本足が付いていた。中央にラジオ、左右にスピーカーがついていて。中央の天部が開きレコードをかけることができた。ラジオのチューニング状態を緑色のマジックアイが表示してくれた。ステレオの具合を可視化した表示もあった気がする。FMラジオとレコードを聴くことができた。真空管アンプのオーディオであった。ポンポン船が右から左へ通過して行くのを聞き感激した。この時が私のオーディオ元年だった。ステレオ本体はすでにないが、この時のテストレコードが今も残っている。1本の針溝に左右の音が別々に記録されているのが今も不思議だ。レコードジャケットに針溝の垂直水平方式と45・45方式についての解説が書かれている。
若き父は電蓄で音楽を楽しんでいた。残念なことだが電蓄もレコードも伊勢湾台風で全て失った。その時のことを手記に綴っている「レコードケースを開いてみた。水は残っていないが、ヘドロがべっとり付いている。水でそろりそろりとヘドロを洗い落としてみた。しかし、長時間水につかった表面は針溝がペコペコになって傷んでいる。これでは、良い音を再生することが不可能だ。大事にしていたクラシック音楽のレコードを1枚も助けることができなかった。」私が2歳の頃の出来事だ。モノラルSP盤からステレオLP盤へと時代は変わり、第一次オーディオブームがやって来た。働き盛りの父は、新しいシステムを手に入れた、我が家にクラッシック音楽が満ち溢れた。
コロムビア・ステレオ・テスト・レコードのジャケット
COLUMBIA DSC-756F
総合出力 36W(最大)
完全密閉型2ウェイ
セラミックカートリッジ
FMマルチ内蔵
DINヘッドフォン端子付き
自動アイドラオフ
W1400mm H740mm D400mm 44.2kg
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