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執筆者の写真Napple

AIに絵を描かせる実験8

更新日:5月24日

2024/4/13


天国と地獄・ユートピアとディストピア


 前回「ありえない世界」を描かせたときは「奇妙、不思議、美しい、ありえない、壮大な」という形容的言葉をプロンプトに使用した。今回は具体的な「天国と地獄」「ユートピアとディストピア」という名詞的言葉をプロンプトにする。(全てStable Diffusionで生成)


天国と地獄

Heaven and Hell

初っ端になかなか興味深い画像が描かれた

 どんどん西洋絵画的な「天国と地獄」になっていく。それに両極端を書かせるとどっちつかずな感じがする。そこで「天国」「地獄」を分けて描かせることにする。


 

天国

Heaven

 さらに西洋絵画的世界観になっていく。そこで浮世絵風に描かせて見る


天国を浮世絵風に描く

Draw heaven in ukiyo-e style

 そう来るかー。始め女性を描き3枚目は風景になったあたりも興味深い。

 

地獄

Hell

 やはり西洋風の絵になる。コレは仕方がないことだろう。イメージはわかるけど、よく見ると一人一人は人になっていない。コレも浮世絵風にして見る。


地獄を浮世絵風

Hell in Ukiyo-e style

 俄然浮世絵風の方が面白い。構図も描き方も、登場するモチーフも、そして何より色彩が素晴らしい。


 こうくると「天国と地獄」のあわせも見てみたい。


天国と地獄を浮世絵風

Heaven and hell in ukiyo-e style

 似たような絵が続く。やはり合わせるとどちらつかずになるのは仕方ないか。


 

ユートピアとディストピア

utopia and dystopia

 色がないせいでディストピア的なイメージが強い。浮世絵風にして見る。


ユートピアとディストピアを浮世絵風

Utopia and dystopia in ukiyo-e style

 どれもユートピア的なイメージかな。


 

ユートピア

utopia

 色がついてユートピア的なイメージが強くなった。浮世絵風にするとどうなるだろう。


ユートピアを浮世絵風

 日本語のプロンプトを送ってしまったところこんな回答が、コレは結構面白い。次は翻訳したプロンプトを送る。

Utopia in ukiyo-e style

 ユートピアの浮世絵風はどれもかなりユニークな感じで面白い。


 

ディストピア

dystopia

 荒廃した世界がいかにもディストピア。浮世絵風が楽しみ。


ディストピアを浮世絵風

Dystopia in Ukiyo-e style

 おっとコレは意外だった。浮世絵風に描かせると、荒廃した感じがほとんどしない。AIにとって洋風と和風では違いがある。それは学習内容やボリュームの違いかもしれない。



 

追記


 「天国と地獄」と「ユートピアとディストピア」を、AIはもっと近いイメージで描くかなと思っていたが、明らかにかき分けてくれた。洋風と和風の書き分けも創造以上に面白い結果となった。


 実験5実験6ではプロンプトに細かく指示を盛り込んだが、実験7、実験8ではシンプルなプロンプトを用い。実験7で形容的な言葉をプロンプトに使った時のAIの作画能力を調べ、実験8で名詞的な言葉によるプロンプトによる実験を行った。実験8は名詞が示す意味をどのくらい掴んでいるか見たかった。洋の東西で言葉の意味の掴み具合が異なることもなんとなく感じることができた。AIに思い通りの絵を描かせることはまだできなくても、十分に面白い。


 同じプロンプトで3枚以上描かせるのがパターンになってきた。傾向が違う絵が出てくるときはさらに数枚描かせている。同じ傾向で描くことが多いけれど、プロンプトによって、毎回傾向が変わる時がある。そんなときは面白い絵に出会う。



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