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執筆者の写真Napple

AIに絵を描かせる実験13

更新日:6月16日

2024/5/5


世界の終わりと始まり


言語は難しいものだと思います。


  1. 世界の端

  2. この世の涯

  3. この世の果て

  4. 世界の果て

  5. 世界の終わり


 例えばこんな言葉を日本語で語る時、似た言葉ですが違う意味を持っています。これを生成AIのStable Diffusionで映像化するために翻訳すると・・・


  1. edge of the world

  2. end of this world

  3. the end of this world

  4. the end of the world

  5. The end of the world


 日本語の微妙な違いが英訳されているのか私にはわかりません。端と涯は明らかに違いますが、涯と果てと終わりは冠詞の有無や大文字小文字の違いで日本語以上に微妙です。さてAIはこの違いをどんなふうに映像化するのでしょう。


世界の端(edge of the world)


 この段階では、端(edge)を描き出しました。そしてその先は水平線が描かれます。


この世の涯(end of this world)


 ここで日本語はまだ端をイメージする言葉ですが、英語ではend ofと終わりをイメージする言葉に変わりました。その結果終末をイメージする映像に激変します。


この世の果て(the end of this world)


世界の果て(the end of the world)


世界の終わり(The end of the world)




 結局「この世の涯、この世の果て、世界の果て」はすべて世界の終わりをイメージさせる映像になってしまいました。


 

そこで果(はて)を広げたいと思いました。


宇宙の涯(end of the universe)


 終末のイメージとは異なる世界が映し出されました。どちらかと言えば、この方が私がイメージする「この世の涯、この世の果て、世界の果て」に近いように思います。


 さらに修飾します。


宇宙の涯、時間の果て(The end of the universe, the end of time)


 時間を表現するためにかえってイメージが収束してしまったかもしれません。AIがなんでも描いてくれるから調子に乗って描かせていくといつも収束していく気がします。それが望む方向への収束とは限らないところが難しいところです。


 

今度は始まりを描きたい


世界の始まり(the beginning of the world)


 不思議なことにこの世の果て(the end of this world)に似ています。始まりと終わりは同じなのかもしれないという掲示を感じさせます。


 そこで言葉を変えてみます。


宇宙の始まり(the beginning of the universe)


 漠然としてきました。もう少し言葉を加えましょう。


宇宙の始まり、時の始まり(The beginning of the universe, the beginning of time)



 まだ漠然としています。具体的な言葉を加えてみます。


宇宙の始まり、時の始まり、社会の始まり(The beginning of the universe, the beginning of time, the beginning of society)


 面白いイメージが広がりました。ここには終末的イメージは薄いようです。


 

 さらに言葉を変えて始まりを描かせました。


全ての始まり(the beginning of everything)


 今までとはずいぶん違う映像が作られました。さらに修飾します。


全ての始まり、時が生まれ、命が生まれ、世界が生まれる(The beginning of everything, time is born, life is born, the world is born)


 どうしても時間を表現させると時計を描いてしまいます。試しに「時間を時計を描かずに描きなさい(Draw the time without drawing a clock)」とプロンプトしましたが、うまくいきません。そこで時間は外してみます。


全ての始まり、命が生まれ、世界が生まれる(The beginning of everything, life is born, the world is born)


 明るい始まりが描かれました。ただ、始まりと終わりは同じかもしれないという啓示が薄れてしまったのはつまらない気もします。


 

追記


 どんなプロンプト(言葉)にもAIは何らかのイメージを返してくれます。とても自分では描けそうもない映像ばかりですが、人というものは貪欲な物です。どんな映像にも満足できないのです。もっと何か迫ってくるイメージはないかと思ってしまう。実際AIの絵はよく描けているのだけれどどこか物足りないところがあります。人とAIのイメージ合戦のようです。そして時に深遠な掲示が見え隠れするような気がするのもまた面白いと思います。


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