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執筆者の写真Napple

言の葉とAI

更新日:5月25日

2024/3/20


 人の思いは漠然とした感覚的なもののような気がする。そこに現れた暖かさとか、柔らかさとか、色合いみたいなイメージをはっきりさせようと言葉にする。ところが思ったことが一致しない。何を思ったか言葉にすることができないジレンマに陥る。


 思ったことを表現する方法は絵を描いたり体を動かしたり色々あるけれど、正確に伝える手段は言葉が一番だ。しかし思った通りのことを言葉にできるとは限らないし、受け取る側も言葉を介して知ろうとするから、正確に伝わる方が奇跡かもしれない。


 読書の楽しみの一つは、こうした自分ではできなかった心の奥底に響く言葉に出会うことだ。自分が抱えていたもやもやとした感情や、言葉にすることができなかった思いに、ぴたりと合致する言葉に出会うと、「ああ、これだったんだ」と深い感動を覚える。


 逆説的だが言葉にしない隠している本当のことが伝わることがある。例えば「嫌い」と言葉にしても本当は好きと思っている事とか。言葉を額面通り受け取るとは限らない人の心の巧妙さ。経験するほどにその能力は磨きがかかる。AIにこんな芸当ができるだろうか。


 言葉は思考を表現するための道具で思考そのものではない。人は言葉を持ち、その道具で世界の成り立ちを考えた。AIは言葉によって成り立ち、AIは道具だ。ところがAIと話していると言葉を紡ぐ中に思いを乗せて言葉ありきを体現しているような気がしてくる。


 

追記


 これは知人の言葉にインスピレーションを受けて書き出した結論を持たない駄文だ。これをAIに投げかけて感想を聞き、いっしょに校正をした。最終的にAIが提示する文章は私の文章ではなくなってしまい、美味しいところをつまみ食いして自分の文章を再構築することになったが、とても刺激的な時間を持った。


 私としては思う事と言葉のつながりを語りたかったのだけど、AIに絡めて綴った結果、AIはAIとの関わりを語りたがっているような感じなのだ。例えば「言葉の限界を認識しながらも、より深く思考し、より的確に表現する方法を模索していくことは、人間にとってもAIにとっても重要な課題である。AIの発展によって、思考と表現の新たな可能性を探求していくことができるだろう。」とGeminiは結び、ChatGptは「AIが言葉を用いて行動するが、現時点では思考を持っていないとされています。しかし、将来的にはAIが思考を持つ可能性が示唆され、その場合は新たな知性の出現となるでしょう。」と結んでいる。


 AIについて語るChatGPTとGeminiの姿勢というか表現の違いが興味深かい。Geminiは「AIは人間のように言葉で表現できない感情や感覚を理解することはできません。」と言い切っている。対してChatGPTは「AIが言葉に基づいて動作する一方で、まだ思考を持っていないとされています。」と少しぼかしている。まるで本当にそうおもいますかと問いかけているような含みを感じさせる。


 これについてChatGPTは「この違いは、GeminiがAIの現実的な制約を強調し、ChatGPTがAIの将来的な可能性に焦点を当てていることを反映しています。GeminiはAIの限界を明確に認識し、その中で可能な範囲内で議論していますが、ChatGPTはAIの発展の可能性を探求し、将来の展望に関する慎重な見解を示しています。」と答えてくれた。


 概してGeminiは鸚鵡返しをしてくることが多く、ChatGPTは論点をついてくる。そしてChatGPTは簡潔だが、Geminiは冗長だ。

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