2023/6/14
ことの発端はコロナワクチンの接種証明を得ようとして、母のマイナンバーカードの暗証番号を間違えたことだった。気がつくと3回間違えロックしていた。
ピカソ「花と鳩」Procreate5.3.4で描く
ロック解除のために区役所へ出かけた。すると、自宅に書類を送るので、母の直筆で必要事項を書き、その書類とマイナンバーカードと本人確認できる物をもう一つ持って再度来るようにと言われる。その際代理人もマイナンバーカードともう一つ本人確認できるものを用意する必要がある。なんとマイナンバーカードは本人確認にならないのである。さらに書類は、母が書くことができなければ私以外の第三者に代筆してもらうようにというのである。私が母の意思に関わらず登録内容を変えることを防ぐためだというのだが、パスワードを含む個人情報を第三者に公表して書いてもらうことになり好ましくない。「分からないでもないが、結局物事を複雑にして問題の解決にはなっていない」と言いたいのをこらえていると「ご本人に来ていただければ簡単なのですが」という担当者。ついこちらも「来れればとっくに来てる」と悪態をついてしまう。
本来マイナンバーカードの普及には賛成なのだが、問題報道を聞き残念に思っている中、ロック解除をするために、問い合わせたり、区役所で話をするほどに、だんだん腹立たしくなってゆく・・・
そもそも、手続きを簡単にできないのは、不届者がいるからである。大多数は悪さをしない。しかしわずかでも不届者がいる限り物事が厄介になる。恨むべきはそうした輩なのだ。しかし直接話をする担当者に矛先が向いてしまう。気の毒なことだ。担当者も始終そういう状況になるのだろう、杓子定規な応対になり関係は悪くなる。担当者が悪いのではない。全ては不届者が悪い。システムも良くないかもしれない・・・。いやこの場合、ロックさせてしまった私が悪い。
この腹立ちをどうにか楽しむことはできないだろうか。そんなことをふと思った。その瞬間、それまでの腹立ちが緩んだ。何か言ってやろうと思っていた気持ちも鎮まり、担当者の説明を黙って聞くことができるようになった。
ぐだぐだ考えても良いことはないものだが、たまに怪我の功名がある。おかげで担当者に丁寧にお礼を言い、穏やかな気分で帰宅した。こんなことは初めてかもしれない。いつもなら、腹立ちを思い出して沈んでいたに違いないのだ。物は考えようとはよく言ったものだ。腹立たしささえ楽しむことができるのだ。
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