2024/12/4
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自分の存在理由を考え始めることは
もしかしたら不幸の入口かもしれない。
ただ、ここにいることを受け入れることができたら
どれだけ救われるだろうか。
けれど、救済を求めてしまうのも
また人間らしさなのかもしれない。
汗のにおい、生のにおい、
それらが混ざり合う夢の中で、
なまめかしい血の香りが
温かな羊水のように私を包む。
その記憶は曖昧で、それでも確かで、
生きている感覚を取り戻すかのようだった。
現実では、時代が弾けては弾け飛び、
人々はバブルの泡沫の中で
希望と絶望を錯覚した。
擦り減る日々の中で、
何をしても、何をしなくても、
私たちはただ少しずつ
削られていくのを知っている。
しかし夢の中では、
バスでやってきた群衆の狂騒に抗いながら、
「だまされるな!」と叫ぶ自分がいる。
岩を投げ、スクリーンを壊し、
見せかけの苦痛を打ち砕く。
映画だったのか?現実だったのか?
その境界線はとっくに曖昧だ。
アートは発散だ。
言葉の不思議さを知れ。
取り返しのつかないことを恐れるな。
チープでいい。ミスマッチでいい。
そこにしか見えないものがある。
そして問いが残る。
世界はどこから来たのか?
私はどこへ向かうのか?
幸福とは、正義とは、愛とは何なのか?
夢も、現実も、
いつかは泡のように消えるだろう。
けれど、その刹那に
あなたが見たもの、
触れた感覚、
生臭さと乾いた風の感触、
それだけがあなたの世界だ。
追記
手帳に綴られた物語のカケラを拾い集め、断片の多層的なテーマをひとつの流れにまとめた。夢の記憶と現実の摩耗、そしてそれらを越えた先に見えるアートと存在の意味を考察する。
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