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古い本の匂い

  • 執筆者の写真: Napple
    Napple
  • 4 時間前
  • 読了時間: 1分

2025/4/25



 古い本の匂いというのは、なぜか私にとって、おじいさんやおじさんの匂いに近い。少しおっさん臭とでもいうような、あの独特な香りが、本のページから立ち上がってくるような気がする。


 不思議なことに、その感覚ははっきりしているのに、何がその原因なのかは思い出せない。たしかにそういう匂いがした、ということだけが、強く残っている。


 匂いというものは、古い記憶と結びついているのだろう。けれど、その記憶を手繰っても、具体的な場面にはなかなか届かない。それでも、古本の匂いには、どこか安心感がある。

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