2023/1/30
つぶやき
ある日「悪役に惹かれるのは私一人ではないらしい。むしろ誰もが悪役に魅力を感じているみたいだ。これこそこの世のカラクリの一つに違いない。」と呟いた。
「明快で迷いのない「価値観」を持ち、使命を実行する。それを、理不尽なくらいの「正義感」を持つ、その他大勢で妨害する…それを、また、不屈の精神でひね返す…」とつぶやきに答えてくれた先輩。
先輩の言葉は、マスコミや名も無き正義の味方に押し潰される現代の炎上、不寛容で極端な対立社会を嘆いた言葉だったかもしれない。
ところが、その言葉に触発されるように、ぐるぐると人生の断片が走馬灯のように頭の中を駆け巡り・・・繋がってゆく。
マネ「フォリー・ベルジェールのバー」Procreate5.3.4で描く
断片
異常気象、パンデミック、侵攻、二極化される世界。耳を疑う出来事が席巻して、世界は様相を変えている。人類という種が試されているみたい。
プー氏に腹を立て振り上げた拳で箸を持ち食事を口に運ぶ。どうにもうまく理解できない現実。この世界の片隅に住む名もなき己は、ただ拳を振り上げ空を切る。
そんな現実にはお構いなしにジャパニメーションは当たり前のように戦争を描き、善悪が入り混じり、モラルを振り切り、エネルギーがほとばしる。
勧善懲悪を植え付け、壊したのは漫画だった。敵が味方になり味方が敵になる。理不尽なこの世界。悪人も仏になる。それが実相なのか。
そもそも良いこと悪いことは主観に過ぎず、価値観の異なる世界では真逆の意味を持つかもしれない。何一つ無駄な事はなく、良いことも悪いことも全てに意味がある。
この世はたくさんの「カラクリ」で満ちている。
アンチテーゼ
思うままに生きることは難しい。勝手を言えば迷惑をかける。迎合したり媚びれば情けない。褒められれば嬉しくなるし、怒られると悲しくなる。でも褒められたのはお世辞かもしれないし、怒られたのは自分のためを思ってくれたのかもしれない。
一人では生きられないの?
愛って何?
生きるって何?
そんなことを考え始めると自分の中に燻っていた疑問が吹き出してくる。
悪や滅びに惹かれるのはなぜ?
働くってどういうこと?
私は何がしたいの?
簡単に答えが得られるはずもないことばかり。ポジティブになりたいけど、噴き出すネガティブ。湧き出すのを止める事ができないなら、それに身を任せてみるよりしかたがない。そうして足枷だったものを外してやると、見えてくるものがある。
夢は叶う
日記に綴られた夢。
お茶の水博士になりたい
喫茶店のマスターになりたい
小説家になりたい
社長になりたい
博士にはなれなかったけれど仕事の大半を技術者で過ごした。一生懸命にいい人になろうとして疲れてしまうことを繰り返し病気になった。引きこもってみると一人でいることが楽だと感じた。でも生きてゆくためには糧を得る手段が必要だった。喫茶店のマスターになれないかしら。小説を書いて暮らせないかしら。
病気から逃れようとして理不尽で不可解な経験をした。そのおかげかどうか会社を起こし技術者として生きる道に戻ることができた。社長になる夢は叶った。一方小説を書こうとすると書けない。思いつくままを吐き出す駄文はいくらでも書ける。でも誰かに読んでもらおうと思うと書けないのである。結局共感を求める必要がなくなってようやく描ける様になった。そして、これだと思い当たる。小説家になりたかったわけではなかった。さらに我が家の喫茶店化計画を発動して、またしても思い当たるのは、これがしたかったことで、喫茶店のマスターになりたかったわけではなかったと言う事だった。何者でもないと侮っていた自分は、実はしっかりなりたかった何者かであった。
不思議な世界
己の欲望を満たしていては手に入れられない宝物がある。それは自分を自分のために使わないときに訪れる、これこそこの世のカラクリ、この世に生まれた意味かもしれない。
ところが、自分を自分のために使わないでいることは難しい。決していい人をやると言うことではなかった。それでは自分を見失ってしまう。
関わらなければ余計な心配をしなくて済むし一人でもそれなりに過ごせる。でも接していないだけで、大勢がいるおかげで暮らせている。
宝物は交流の中にある。そこには喜び、安らぎ、生きがい、ありとあらゆる、心を震わせるものがある。関わりの中にある奇跡。
常識は概ね的を得ている。一人では生きられないし、愛が素晴らしいものであることは間違いない。でも口で言うほど単純じゃない。思ってた事と違ったりする。
平和を望んでいても、攻撃したい気分にもなる。悪や滅びに惹かれたり、働かずに暮らすことに憧れたりもする。そんな自分を否定すると苦しくなる。
成功や失敗を繰り返し、ときには逃げ出して。あがいて、病気になったり、人付き合いが悪くなったり、自分を見失ったりして、それでも一生懸命に生きる。
生命の神秘、宇宙の神秘、この世は不思議な事で満ち溢れている。中でも、思いと現実に起こることの関わりほど不思議なものはないかも知れない。
そして気がつく事がある。思った通りになっていることに。いいことも悪いことも全て思ったことだった。思い通りに生きて来たのだ。
お絵描きするゴジラ
注意しなければならないのは成功体験かもしれない。活力の源となるけれど、自己満足・自己欺瞞を育てる。誰も失敗したくないが、失敗こそ多くを学ぶかけがえのない宝物だった。これもこの世のカラクリの一つに違いない。
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