2025/2/19
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葦笛を吹く牧神パンの神話が由来のパンフルートは、複数の管を並べて束ねた木管楽器だ。約4000〜5000年前に世界中の文明で登場している。ダイアトニック(7音階)、クロマチック(半音を含む12音階)、ペンタトニック(5音階)などに調律される「音階を持つ楽器」である。しかし、私の持っているパンフルートは形こそパンフルートだが、音階が正しく整っていないように思う。お土産としてもらったものなので、おそらく見た目を重視し、楽器としての精密な調律がされていないのだろう。だから「音階を持たない倍音楽器」というか、厳密な音階に縛られず、偶然生まれる音を楽しむ「アンビエント楽器」と言うべきかもしれない。風のように柔らかく、どこか郷愁を誘う音がする。
見渡すと私の周りにはアンビエント楽器(はっきりした音階やリズムに縛られない、雰囲気や空間的な響きを重視する楽器)が多い。そういう楽器を好んで集めているつもりはなかったのだが、楽器アプリもアンビエントな使い方をしている。思いを奏でたいということと繋がっているようだ。こういう音楽の楽しみ方もありかなと最近思っている。
2025218パンフルート
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